和田浦海岸

家からは海は見えませんが、波が荒いときなどは、打ち寄せる波の音がきこえます。夏は潮風と蝉の声。

全国とご当地。

2009-10-06 | 詩歌
そういえば、と古新聞の2009年9月28日読売短歌・俳句を眺めていたら思いました。まあ、選者の好みにもよるのでしょうが、東京都からの投稿が割りに少ないかもしれない。全国まんべんなく選んでいるということでしょう。

東京に憧れていた思春期の交換日記の表紙うするる   鴨川市 落合とほる

   これは栗木京子選の最後に選ばれていた歌。
   つぎは、東京都から。岡野弘彦選の3番目

明日いのち果つるも知らず退院し心ゆくまですし食みし夫  東京都 中村和子

岡野弘彦【評】は、
「肺癌末期の夫は、治療を拒んで退院し、自宅で好物の寿司を家族と楽しく食べて翌朝静かに永眠した。それも大往生である。」

    投稿短歌には、病気の歌も、多いかもしれません。
    つぎは小池光選の2番目。

通院のすき間を縫って組み立てるパズルのような旅行計画  草加市 斎藤宏遠

小池光【評】は、
「あっちにもこっちにも通院スケジュールがぎっしり。それでもわずかのすき間を縫っての旅行計画。健康なときには味わえなかった心躍りがある。よい旅を!」


    旅といえば、俵万智選の4番目。

旅先の風景よりも夫婦とう証拠写真が増えて金婚   山口市 岡田貞義


   俵万智といえば、毎日新聞の10月4日。
   その篠弘選の最初。
二十年過ぎても増刷されてをり20円アップの『サラダ記念日』
               東京  吉竹 純

篠【評】は
「初版は昭和62年、980円。史上稀有なるミリオンセラーに、あらためて驚き、ひそかな羨望を隠さない。」


   ということで、もう一度、俵万智選の10番目。

久々に証明写真をとりたれば思った以上に自分が出ている  熊谷市 板倉愛子


   今年も秋祭りの季節。
   毎日俳壇の大峯あきら選の最初は

人の名を屋号で呼んで村祭    茂原市 松本清

大峯【評】は
「田舎の秋祭は『村祭』や『在祭』とも言う。本名よりも屋号の方が通じやすい人々が集まっている。」

    ついでに、大峯氏の3番目
    なんで引用するかといえば、地元の市なのでした。

木犀や迷ふことなき夜の道    南房総市  小栗たゑ


   ところで、毎日俳壇の10月4日は4人の選者による48句中、
   選ばれた東京都は2名でした。だいたい歌壇もそんな確率でしょうか。
  

    地元の隣の市。
    10月5日読売歌壇・岡野弘彦選の9番目

仰ぎ見る嶺岡山に風わたり杉の木末にとほき富士みゆ   鴨川市 落合とほる
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