花守

四季の花はそれぞれやさしく咲きこころなごみます
折々に咲く花を守りこころかすめる思い出など綴ってみたいです

柊南天が咲いています

2016年03月08日 09時08分31秒 | 母を想う
この花を観ると思いだすことがあるのです
柊南天は花の咲く時期が長いと思います 寒い季節につぼみを育ててこれから
暖かな春を迎えるころ庭の片隅でとてもいい香りで咲きます
決して目立ちませんが私は早春を感じる好きな花です

息子が小学生の頃の春休みのことです
戦死した父の33回忌に「靖国神社に参拝します」と母が申しました
兄一家と私の家族を連れて行くというのです 勿論私共大賛成したものです
そこで参拝に要する費用のことになりますが 私は母に心配をかけないように
十分な金額を用意して母に渡しました
兄もまた長男として家の行事と心得てこれもまた早い時期に準備をしましたが
母の思いでは妻である自分がこの度は一切を担って皆を連れて行くつもりだった訳で
三者三様に準備をしたものです
靖国神社に参拝を済ませて子供を喜ばせるように上野動物園や国立博物館や
お上りさんよろしくよく東京に出張する兄の案内であちこち連れて行って頂きました

結局その時の経費がどうであったかはもう明確に覚えていませんが
兄がいいました 「うちはお金を出したい者ばかりでええのお!」
そうです戦後の苦境をともに乗り越えて我が家には受け継ぐ財産など何もありませんが
「お母さん これからも金銭のことで争うことは絶対にありませんから・・・・・」と思った
ものです