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スパゲッティな日々

いわゆる「マカロニウエスタン」に翻弄される日々のことである。

「ゴーストタウンの番外地」「荒野の皆殺し」DVD

2017年11月22日 | Weblog
「マカロニウエスタン DVDコレクション」が快調ですね!

しつこいようですが、こんなマイナーな作品たちが日本語字幕付きでDVD化されるとは夢にも思っていませんでした。

どちらも高校1年生の時にテレビで観ました。

これまたしつこく登場しますが、私の生徒手帳に記録が残っているのであります。





こうして見てみると、1970代前半のマカロニTV放映は怒涛の如きでしたね。

ただ、「ゴーストタウン番外地」(私の住む地域では「の」がつかないタイトルで放映されました)など、当時のTV放映では

メインタイトルはばっさりとカットされていたように記憶しています。

カセットテープに録音が少し残っていますが、「ゴーストタウン番外地」の主題歌「Price of Gold」は、劇中で流れた歌を録音したものでした。



間奏部分にロックなエレキギターが流れて、当時、なんだか安っぽいなあ~と思ったものです。笑

ともあれ短いですが、サイケなタイトルバックは、なかなかの見応えだと思います。









出演のロバート・マークさんとは、15年くらい前にアメリカのマカロニ掲示板で知り合い、以後仲良くしていただいています。

ロバート・マークさんが歌った「グランドキャニオンの虐殺」の主題歌の音源を送ったことがきっかけでした。

当時ロバート・マークさんから説明付きで送っていただいた「ゴーストタウン番外地」の撮影の合間のスナップ写真です。




訃報 マエストロ・ルイス・エンリケス・バカロフ

2017年11月16日 | Weblog
11月15日、ローマの病院でお亡くなりになりました。

84歳。

「虚血」で長い闘病生活だったとか。

多感な中学生の少年にとって「ジャンゴ~♪」は極めて危険な歌でした。

カンツォーネが好きだった父のレコードにも「ルイス・バカロフ」の名前がたくさん書かれていて、

マカロニ作曲家とイタリア歌謡との密接な関係も知りました。

もう何度聞いたか分かりませんが、「続・荒野の用心棒」をはじめとした彼の作品を聴いて冥福を

お祈りしたいと思います。


「荒野のライフル」1971年度 英・西合作

2017年11月10日 | Weblog
テリー・サバラスをはじめ、「スパイ大作戦」のマーティン・ランドーも出ていますが、これはマカロニウエスタンではないですね。

マカロニ風味で残酷シーンも多々あり、ワルド・デ・ロス・リオスの音楽は勇壮なのですが、なんとももったりした演出でスピード感がなく、

せっかくの豪華キャストがもったいない!

しかし、まさかわが国でDVD発売になるとは、本当に驚いています。

この作品は、「荒野の用心棒」をはじめとする数々のマカロニウエスタンのロケで使われたオープンセットとは別のセットが使われた最初の

作品ということで、私はとっても興味がありました。

その場所は、Daganzo(ダガンゾ)。

セットの正式名称は「 EM 70 」Estudios Madrid 70

マドリッドの北東の郊外にありました。

なだらかな丘が続く、静かな農村地帯ですが高速道路が走り、大きな倉庫群が立ち並んでいるところもあります。。



昨年、「続・夕陽のガンマン」のサッドヒルに行く途中に立ち寄って、このセットの残骸のなかでキャンプしました。



残されていた井戸の横で寝たのですが、この井戸は、映画の中でも現れます。



こんな廃墟みたいな、かつてのマカロニウエスタンのオープンセットを巡る旅、ずっと続けたいなと思っています。








「.32口径の殺し屋」1967年

2017年10月14日 | Weblog
今回のDVDには驚きました。

イタリア版原版がソースなんですね!

イタイア版のDVDが、字幕付きで楽しめる日が訪れるなんて夢のようです。

今回の発売に際して、多分ドイツで発売されたDVDがソースなのかなと思っていたのですが、再生したとたんに思わずヒザを叩いてニンマリしました。

(この作品って、イタリアでDVD出ていないですよね?大はしゃぎしてるのは自分だけかな?)

イタリア版が面白いのは、そのクレジットタイトルのデザインのかっこよさですね。

タイトルの字体が、そのまま拳銃のシルエットとなり、また反転していく絶妙な動き!









ロベルト・ポイテヴィンのクールな音楽と相まってマカロニウエスタンならではの演出を楽しめるというものです。

ちなみに、ドイツ版DVDと、今回のイタリア版ソースのクレジットタイトルを比較してみると、そのトリミングの違いも歴然。


ドイツ版


イタリア版原版日本版DVD

マウリッツィオ・グラフの歌うエンディング・ソングも完璧に収録されていました。





この50年前の影絵のデザインが、大好きなんですよ~

「さらば殺し屋」1968 ロケ地のこと

2017年09月27日 | Weblog
「さらば殺し屋」のオープニング、クレジットタイトルは詩的で素晴らしいと思います。

機関車が走る風景をあらゆる方向から捉えていて、何度も繰り返して見てしまいます。

ところで、このクレジットタイトルの終盤、ピーター・ローレンスが飛び降りる場所のロケ地のことです。

ここは、結構たくさんのマカロニウエスタンに登場します。

「ビリャマンタ」というマドリッドの南西40kmほどのところにある田舎町です。

おそらく、古い機関車が当時現役で走っていたからなのでしょうね。

あっという間に過ぎ去るロケーションですが、よく見てみて下さい。



「ガンマン大連合」の最後の決闘シーンの場所と同じなんですよ。



2004年に撮った写真です。



線路は廃線になっていて生活道路になっていますが、なんとなくお分かりいただけるかな?という感じです。

ちなみに、この撮影ポイントから斜め左に視線を投じると...


「さらば殺し屋」1968

2017年09月23日 | Weblog
朝日新聞出版の「マカロニウエスタン 傑作映画DVDコレクション」が凄いことになっていますね。

まさか「Killer Adios」が「さらば殺し屋」として日本語字幕付きで発売されるとは!

全くもって嬉しい限りです。

実は、私はこの日本版リリースはイタリア版を密かに期待していました。



欲深いこと言ってたら怒られますね。笑

さてさて、以前からこのタイトルソングの歌手が世界中で話題になっていましたが、定説では「マウリツィオ・グラフ」。

CDにも歌手の名前の記載もなく、イタリア版クレジットにも歌手名の記載がなく、作詞Tirone-作曲Tallino」のような記載があるのみです。



今回の英語版クレジットには、「by Tirone Tallino」となっています。



ん?ティローネ・タリーノ??

タリーノさんの娘さん?歌っているのは男性ですが、名前は女性のよう...

私が思うに、英語版クレジットは、イタリア版クレジットを翻訳する際にハイフンを見落としたのではないかと...

と、まあどうでもいいような考察で夜はふけていくのでございます。




「オーウェルロックの血戦」1967年 国内版DVD!!

2017年08月27日 | Weblog
いやあ、夢のようなDVDの発売です。

まさか、この作品が日本語字幕付きでリリースされるなんて夢にも思っていなかったのです。

高校一年生の時の生徒手帳にTV放映の記録が残っていましたが、全く記憶に残っていない作品なんです。

海外のサイトで作品のストーリーを読んで、だいたいのことは分かっていたつもりですが、字幕付きで観ていくと新しい発見がたくさんあります。

父親の復讐のためにオーウェルロックの町に戻ったマーク・ダモン演ずるハリーですが、実はスティーブン・フォーサイス演ずる連邦裁判所の

弁護士のハリーの名を語っていたことが分かるシーン。



妹?恋人?と人間関係が分からなくなっていたのですが、こういうシーンが丁寧に描かれているところが分かるとうれしいですね。

サスペンス仕立ての復讐劇が、とても丁寧に描かれていて、もう3度もDVDを見てしまいました。

隠れた名作だと思います。

パメラ・チューダー、素敵ですね。









衣装の素晴らしさは特筆すべきです。さすがイタリア!


そして、特筆すべきは、マカロニ女流映画音楽作曲家のノラ・オルランディの素晴らしい楽曲の数々!

メインタイトルはもちろんのこと、劇伴音楽のすべてが素晴らしい!

特に、ラオールが歌うエンディング・ソングは、いわゆるマカロニウエスタンらしからぬ、センチメンタルなラブ・ソングで私の評価は100点満点です。

友人にも手伝ってもらって聞き取りました。こんな歌詞ではないでしょうか?


In such a day full of Sun with a babe in my arms who can be happier than me?

I drop asleep on the grass with the cover of stars who can be happier than, than me?

I'll be walking for a long time

Seeking for a land, a green bountiful land, this is the one

In such a day I forget all the faults that I have I want to begin from the top

It’s never late I decide to begin from this day who can be happier than, than me?


英語のビデオ・ソースのエンディングにCDからの音源をリミックスしてみました。

音楽主体に設定したので、会話よりも音楽のボリュームが大きいです。

エンディング動画





「ベル・スター物語」1968

2017年08月12日 | Weblog
先月の初めにお亡くなりになったエルザ・マルティネッリ主演の「THE BELLE STARR STORY」のDVDがWILDEASTから届きました。

ロバート・ウッズ氏のWフューチャーDVDの一編です。(もう一作は、かの「BLACK JACK」)

「ベル・スター」とは西部開拓時代の実在の女性で、その数奇な生涯から「女ジェシー・ジェームズ」とか呼ばれています。



この作品を知ったのは、まだ学生の頃で、CAMからリリースされてたチプリアーニの「Un uomo,un cavallo, una pistola」のLPを買った時でした。

カップリングのB面が、この「ベル・スター物語」でした。

作曲が、「シャルル・デュモン」...当時はよく分からなかったのですが、後々、有名なシャンソン歌手エディット・ピアフの名曲を作った方だと知りました。



マカロニウエスタン唯一の女流監督の作品だけあって、エルザの描き方がセクシーで素敵です。



ジョージ・イーストマンだってセクシーに描かれています。右耳だけにピアスしていますよ。



ベルのいやな叔父のロバート・ウッズも、どこか魅力的です。





シャルル・デュモンの音楽、とても勇壮でスケールが大きく、ベテランの余裕をウエスタン音楽に持ち込んでいます。

あらためて聴いてみることにします。






「荒野の女ガンマン ガーター・コルト」1968

2017年08月02日 | Weblog
まさか日本でDVDが出るなんて、全く期待もしていなかったのです。

我が家では赤飯を炊いて、鯛を焼き、大々的に祝賀パーティを開催しました。

大嘘ではありますが、それくらい嬉しかったのです。

ご生前にニコレッタ女史に、この作品のロケ地をお尋ねしたことがありました。

彼女によると、イタリア サルディニア島の南の方の海辺の村だとのこと。

いつものようにGoogle Earthを駆使して、もう、目を皿のようにして探しました。

で、見つけました!

サン・サルバトーレという小さな村です。





ご存知のように、Googleのマップには、その地域周辺に関する画像が投稿者によりアップロードされています。

そんな投稿画像の中に決定的なものを見つけたのです。





1974年の写真です。

本当にびっくりしました。

典型的なメキシカン・ビレッジのセットの一部が、撮影後数年たっていても残っていたのですね。

また、民家を改装したりして西部の町並みなどが作られていたことも分かりました。


投稿されていた別の画像をもとに、比較画像を作ってみました。





近いうちに現地を訪れてみたいと思います。







「パソ・ブラボーの流れ者」1968

2017年07月22日 | Weblog
イタリア語音声の日本語字幕付きのDVD、素晴らしいですね!

サルバトーレ・ロッソという監督の作品ですが、なんと「鉄道員」の助監督を務めた方だとか。

私が、この作品を好きな理由は次の二点。

まず、音楽。

オープニングで駅馬車が疾走するシーンに流れるトランペットをフューチャーしたパンチの効いた主題曲は、ラバニーノ

の作品の中でも上位に入るのではないでしょうか。

さらにエンディングのビットリオ・ベッツィが歌う「El Paso Bravo」のかっこいいこと!!



そして、次にロケーションの編集の上手さ。

主に、イタリアのエリオス・スタジオとその近隣、ローマ空港の近隣などで撮影されていますが、時折スペインのマドリッド郊外で

撮影されており、その編集がとても巧みで、違和感を全く感じないのです。

しかも、イタリア・ロケである、例えばオープニングのメインタイトルに使われたローマ空港近隣の土砂採集所の風景が

とても雄大に描かれています。ともすれば安っぽくなってしまうイタリアのロケーションが唯一成功した作品だと思います。

恐らく、助監督時代に修めた技なのでしょうね。

いつも出てくる大きな酒場。



「続・荒野の用心棒」の時と比較したくなります。



最後の銃撃戦の舞台となったのは、数々のマカロニウエスタンの登場する建物で、エリオス・スタジオのすぐそばにある、「Villa Mussolini」と呼ばれる所です。

名前の通り、ムッソリーニの別荘。

もちろん、現在も残っています。







アンナを演じたジュリア・ルビーニも素敵でした。