跳箱

跳び箱でも飛箱でも飛び箱でもとびばこでもいいけどそこはそれ跳箱なんです。体育日和のお供にどうぞ。

予想外の件、あれ、安くないです。

2006-11-13 17:26:26 | 通信
先日、予想外割引を発表した孫氏(個人的にはキライだけどあのキチガイっぷりはいまどき貴重と感じる今日この頃)の新料金プランについて、あまり考えもせず好意的に書いてしまったのが引っかかっていたところにCNETの永島氏ががんばってそれって安いのか?と切り込んでいるんだけどいまいち歯切れが悪いのが気の毒になったんでちょっと他のエントリの続きを書く前にちゃっちゃとやっつけてみる。(て、仕事しないでなにやってんだか...。)

永島氏はエイヤで5000円ケースなるものを想定しているんだけど、これじゃうまくいかないはず。

まず、いまさら生まれて初めて携帯買うんですな新規加入者はレアなパターンなので除外して、Vodafone(ことによったらJ-Phone)時代からのユーザーが料金プランを乗り換えるケースと、一部で騒ぐ輩のいるMNP(利用実績はいまのところ全利用者の0.1%程度だが)を利用して他キャリアから嫁いでくる乗り換えユーザーのケースの二つを考えることにする。

まず、料金プラン乗り換え検討組(ちなみに跳箱は藤原紀香姫のオミアシなCMに乗せられてドルフィンを使い始めた口、さすがにデジタルホン時代は...)から行ってみよう。

ソフトバンクはVodafone時代の2005年6月で月次ARPU公表をやめてしまったので使えるデータは四半期単位のものしかない。2006年1-3月の総合ARPUは5672円となっているが、プリペイドARPUははずしてポストペイドだけにすると、6042円になる。非音声ARPUは31.5%となっているので、音声(基本料込み)ARPUは4138.77円となっている。Vodafone時代になってからの料金プランではあるけど最低価格の料金プランはライトコールパックの3500円、ハッピーボーナスは付いていたとして、3年目割引率30.8%を適用すると2772円が最低支払い額での利用者。これを下限にして6042円が平均になるようにべき乗分布させると...、おろ?全体の55%は最低料金パック分しか使ってないはず、などと出た。ビデオリサーチの資料(本文のP6あたり)の数値と近いから、まあ、こんなもんか...。

超過分の従量通話料は21円/30秒なんで、従来のバリューパックの料金相当(昼42円/1分、夜31.5円/分どちらも税込)なのでこんどのプランはあまり魅力がない。ソフトバンク顧客にばかり電話するならメリットもあるだろうけど日本の携帯電話利用者はドコモ55.5%、KDDI28.1%、ボーダフォン16.3%(これに書いた)なので、アドレス帳に10人載ってたら8人はソフトバンク以外の携帯電話の利用者だと思って間違いない。(コミュニティにおけるロックイン発生の可能性については別途検討の価値あるけどね)

すると、以前の料金プランでバリューパックシルバー契約3年未満の利用者でソフトバンク携帯に確信犯的に掛け捲っている、といった特殊な層でないと料金変更のメリットは小さい可能性が大である。となるなぁ。普通に考えて特にグループを意識的に形成していない場合8割を超えるはずの他者向けの通話料金が旧バリューパックシルバーなら、昼31.5円/夜21円/分、ゴールドなら昼21円/夜15.75円/分以下プラチナ、プレミアと安くなっていく。新しい料金体系では42円/分換算なので、25%も従量通話料が高くなる。ソフトバンクの現在の音声ARPUは前述したように4138.77円なので、この音声ARPUに合う旧料金プランバリューパックの基本料金ハッピーボーナス3年目適用して2699円に減額すると、従量通話料は1440円となるので、従量通話料金昼料金97%の夜料金3%の構成比で割ってみる。なんでかというと平成16年のデータだと、携帯電話のトラヒックは当時のVodafoneでいう昼料金時間帯(07:00-01:00)が97%を占めるから。要するに、約34分33秒従量通話で話していたことになる。(ちなみに音声ARPUにはオプション月額使用料は入っていないと仮定しているんだけど、これ、900円くらい付いている人たぶん多いはず。まあいいや。)
新しい料金体系だと、84%が他社向け呼で課金対象になるんで、従量通話70課金単位(30秒課金だから)のうち59単位1239円が課金されることになる。バリューパック契約の場合ならソフトバンク携帯向け通話が人並みにあれば16%くらい従量通話料金が下がる計算になるけど、バリューパックシルバー以上の場合は請求総額は高くなる可能性が高い。あれま。

ところでTCAの加入者数データを時系列に読めば、継続利用者数の分布は概ね決められる。デジタルホンとデジタルツーカーだった時代からこの会社はざっと月次145000人平均で利用者を増やしてきたのに2004年3月に念願の1500万人の大台に乗せてから高原状態に陥ってしまって伸び悩んでいる。ちなみにJ-PhoneからVodafoneに変わったのが2003年の10月なので、利用者数の観点から言えばVodafoneによる経営は失敗だったといえる。(どうでもいい...。)話を戻すと、2004年3月までの利用者累計については他キャリアと同等の年次1%のチャーンレートを適用し、2004年4月以降については、新規獲得は従来どおりできていたと仮定してざっと年次12%(なんじゃそら)のチャーンレートを設定して分布を求めると、とりあえず、結果は一致するのでまあいいやで採用。(ほんとは、最低でも長期利用に対する基本料金割引のインセンティブ要因を補正してあげる必要があるんだけどめんどくさいからパス)すると、2005-2006の二年分についてちょっといびつになった正規対数分布がえられる(ハズ)。平均利用年数は5年弱と出た...。よっしゃ、これならハッピーボーナス3年つけて計算しても贔屓したことにならない。

なんとも、検討するほど、この(想定外割)料金プランはちゃんとソフトバンクのARPUがいままでより高くなるように計算されつくしているらしいことが判ってきた(様な気がする)。たぶん、上位20%の利用者は得をすることになると思うけど200分とか制限かけてたところにミソがありそうだなぁ...。(また今度気が向いたら検討してみる)

てなわけで、他社から乗り換えのケースについてはバカらしくなったので検討するのやめます。てゆうか跳箱は料金プラン変更しません。以上。

P.S.
ソフトバンクからクレームきたらどうしよう?てゆうかみかかの鉄人、今こそ甦ってほしいよ。

最新の画像もっと見る