跳箱

跳び箱でも飛箱でも飛び箱でもとびばこでもいいけどそこはそれ跳箱なんです。体育日和のお供にどうぞ。

googleあれこれ:番外編、江島氏ノリノリ

2006-12-23 05:40:17 | メディア
最近すっかりカリフォルニア人化したのか文体が翻訳調になっている江島氏が熱く語っている。こういうときの江島氏は面白いんで一読をお奨めします。

ともあれ、カリフォルニア移住は彼の精神を健康にしたらしいのはなにより。とはいえ底意地の悪さを持って旨とするダークサイドな跳箱としては数点突っ込んでおきたいところ。

全体の構造を知るには全体を計算しなきゃいけない

Yes。ただし、googleを含め多くの検索事業者はかなり早いタイミングで全体を把握することを放棄している。

一気に書き上げてしまうもんじゃない?

即興の瑞々しさも乙なものではあるが、根気がもたらす熟練に裏打ちされた緻密がしぶとさを生むと信じるがゆえに一時の熱狂を崇拝する姿勢(つうかそういう精神状態で書いてんだろうから仕方ないが)には少々疑問を感じる次第。ちいさなプロトタイプなら熱狂で作れるけどね。

好奇心が失われたら研究費を1000億積もうがどんな手を打とうが無駄

モチベーションをマネジメントするのもプロジェクトマネジャーの仕事。自分の作りたいものを作るためのカネの調達について考慮したことのない小僧の意見としてなら理解。

アドワーズやアドセンスによる収益化があったからグーグルは成功した

と思うよ。江島氏はカネにほんとに詰ったことが無いんだろうなぁ。

ギークじゃないスーツ

そろそろ、そのつまらない二元論は卒業したらどうだろう?スターウォーズ見すぎだろ。

作ってる人間がとことん惚れ込んでるっていうのは、いい作品が輝きを保つための絶対条件

じゃないね、ケースバイケース。自己陶酔はほどほどに。

梅田さんは

"読者"の支持を必要としているから読者が欲しがる幻想を与えているだけだろう。

弱者に対する思いやり

やれやれ、ずいぶんと高いところから話すようになったもんだね?


なにはともあれ、googleの成功は偶然によるという認識には同意。ただし、多くの場合、成功者は成功者であり続けるために、偶然を必然にするための仕組みを構築していく長く果てない道を飽くことなく歩み続けている。これは請合っていい。それができない"今の"成功者は、あっという間に"明日"にはその座を転げ落ちていく。

その点から考えて成功者であり続けるための手段として安易に「法制度」をいぢる気配を見せ始めているgoogleには少々ゲンナリしている今日この頃。

まねきTV第二ラウンドも制す

2006-12-23 04:51:32 | 知的財産権
寝しなに孝好氏のところを巡回していたらまねきTVが第二ラウンドもポイントゲットしたとのエントリ発見。
一審は少々素っ頓狂なところのある(失礼)高部裁判長だったため、二審でひっくり返される可能性もあるかと心配していたが知財高裁の三村裁判長が一審判決支持したのでかなりイケるのでは、と思い始めた次第。

次の見所は、ダメ元でテレビ局は上告するか?判決はいつ掲載されるか?です。まねきTVが掲載すればいいんですが2006年12月23日4:45現在まだアップされてません。ほっとして気が抜けたか?

-2006/12/23/08:10追記-
境氏が嬉しかったのでいっぱい更新と銘打ってちょっとだけ更新したなかで本件に触れているが、裁判所の判断にぶれは無かったのではないだろうか。跳箱としては、録画ネット事件での知財高裁の棄却決定(10)事実認定の補足説明を読めば録画ネットにおいてはパソコンの所有権移転が仮装されている点に問題があったと裁判所が認識していたと取れ、まねきTVにおいては一般に市販されている家電機器(ロケフリ)をホスティングしているだけだからセーフとなったのではないかと見ています。(裏づけを取りたいので早いところ決定全文を読みたいんだけど)
跳箱の想定通りだとしたら機器コストの低廉化によるイノベーション実現の一例(苦しいか?)になるかも。

NGNフィールドトライアル、キラーはIPTVというのはベタすぎないか?

2006-12-21 01:08:32 | メディア
テレサその他でわんさと行われていたNGNトライアル説明会は黒山の人だかりだったにもかかわらず結局蓋を開けたら参加は12社(面子はNEC、NECビッグローブ、NTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、シスコ、ソニー、日立、松下、朝日ネット、ソネットエンタテインメント、ニフティ、ぷらら)と、穏当なところで落ち着いた模様。それにしても朝日ネット、ガンバルなぁ。

NTT和田社長は不退転の決意でがんばる由、かげながら応援させていただきまする。がんばれー(と黄色い声を張り上げたつもりで)

さて、跳箱的には毎日昼飯に砂場で蕎麦が手繰れて羨ましい限り(一度ご賞味あれ)なアクトビラさんがしれっとUNI接続されるのではと想像していたのに出席されたのは松下津賀役員とのこと、少々期待はずれの感あり。結局、eネットさん主導っすか?

なにはともあれ、実験の始まったNGNに跳箱は大いに期待しているのでありますが、本質的にNGNのいちばんスゴいところはエンド-エンドの認証認可と制御が行き届いているところであって、広帯域であることは二の次の特長であろうと考えているので、メーカー各社の語る帯域ドカ食いユースケースの下にはドジョウは泳いでいない、と見ているのですがどうでしょうね?

どうしたもんか...。

懲りない御仁

2006-12-15 15:23:39 | 収集品
毎度懲りもせずに知ったかぶりを続ける森氏が今度は連結会計にケチをつけている模様。

今回の知ったかぶりは日経などが展開している米内部統制ルール緩和を手がかりにしたJSOX法導入中止(それが無理なら延期、それも無理なら骨抜き)したいぞキャンペーンの尻馬に乗ったものなんじゃないかと例によって邪推しているんですがどんなもんすかね?

森氏の性癖なのかもしれませんが、勘違いを元に意味不明のクレームを撒き散らす傾向には、いささか食傷気味でありまして、ukノオト氏が適切な指摘を済ませておられることでもあるので、腹に据えかねた点だけ一言突っ込んでおきます。

そもそも、そんな砂糖菓子のようなリスクはリスクとは言わない。

以上。


P.S.
ukノオト氏、「現行の」と断りを入れておられるので釈迦に説法の可能性はありますが、ASBJはリース会計基準改正を進めていますよね。減価償却ルール変更の件とセットで考えれば当然の流れですが、リース会社との付き合い方がかなりドラスティックに変わる可能性があるんじゃないかと。

フォークソノミーは犯罪か?その後

2006-12-14 00:40:27 | 知的財産権
フリーライダー嫌いな跳箱としては違法コンテンツ流通に対して鉄拳制裁は大いにアリだと考えていますが、Winny事件における検察側の主張は思想警察じみていて、技術開発に対する挑戦状であるか?と身構えていたのですが、氷室真裁判長はこの点に踏み込まない判決で高裁にトスを上げた模様。(えらく難しいタマ上げたなぁ)

以前も取り上げたように、合法的流通ルートにおいても一定のロス率を考慮に入れた上でDRM保護しないまま楽曲を流通させることによって情報の拡散コストを引き下げる実験が行われている現状において、なにをもって情報財の非合法流通と合法流通を峻別しえるのか線引きがしにくくなっているのではないかと考えます。

CNETで佐々木氏も再びこの件を取り上げて、氷室裁判長の自己矛盾がどうのこうの、と本質とあまり関係の無い議論を展開しつつ、自著の宣伝をしていますが、この記事の中で紹介されている金子氏のアイディアには、インセンティブ論的に見て甘すぎると評しておきますが、見るべき点が無いとは思いません。

コンテンツ提供者はデジタル証券サーバからデジタル証券のIDを発行してもらう。コンテンツは利用者が自由にコピーしたり配布したりできるが、その際には必ずコンテンツのデジタル証券IDを表示する。そして素晴らしいコンテンツの作成者に対して支援・投資したり、コンテンツに対して何らかの影響力を及ぼしたいと考えたら、そのデジタル証券を購入して投資することもできる。ユーザーの間で、デジタル証券を売買することもできる。この仕組みによって、クリエーターの側は利益を確保できるし、ユーザーの側はたとえば無名のコンテンツに初期投資して、メジャーになったら証券市場で売却して利益を上げるといったことも可能になる

甘いよなぁ、砂糖どっぷり、って感じではありますが、NTT情報流通基盤総合研究所のFlex Ticketに近いものは感じるので、無いことも無い、と拾っておこうかと。

少々話がそれますが、やっぱり今後のICT応用サービスは技術者だけじゃデザインできないんじゃないかとの意を強くしましたよ、ええ。経済学や社会学、心理学的素養ももっと身に着けないとうまいこと機能するものが作れないんじゃないかと。

話を戻すと、今後のネットワークサービスにおいては、もろもろのコストを考慮に入れて考えるとやはり一定の条件においてP2P技術の応用は必要だと考えていますが、これがすなわち違法流通を意味するものでは無いと考えます。OMA DRM2.0等のポータビリティが担保されたライツマネジメント技術とIdentity Provider(技術としては諸々の理由から跳箱はLibertyを支持してますのでIGFも支持してます)を組み合わせて運用するところまでたどり着ければなんとかカッコが付くかもしらん、と考えています。

とはいえ、Identity Providerには非常に重い社会的責任が伴い(トラヒックも膨大になるだろうから実務も大変)ますので、今国会で審議中(衆院は通過しましたね)の貸金業規制法案成立後に想定される、全情連CICの機能強化は実質的に跳箱の想像するIdentity Providerの雛形になるやもしれないです。(今までは事故情報を集積して、いってみれば少数の異常系だけを処理していたのが今後は総貸出し枠検出するために従来の正常系についても処理しなくちゃいけなくなるわけで、これは結構大変な仕事になるでしょう)

貸金業方面は(今は)まだカネもあるし、なんとかならないことも無いかと思いますが、これを一般化して運用しようとすると金融方面のような一極集中型の処理を狙っても担い手が見当たりません。(いや、NTTのIMSがあるじゃねーか、という議論はあとに取っといて)

となると、個人情報保護法のような大雑把な法律ではなく、電気通信事業法の関連規則(たとえば端末設備等規則とかね)のようなバキバキの手続法というか実務法規を規定してプロトコールを整え、大小さまざまな生まれ出るであろうIdentity Providerがそれぞれに蓄積、流通させるであろう個人情報の取り扱い条件を定めてあげる必要があるのではないかと考えます。

そう考えると総務省が非公開でひっそりと検討を進めているネットワークの中立性に関する懇談会は要注目でしょう。WG2でIIJがドリームボートの擁護論展開しているのも見物です。大橋の旦那、相変わらずチャレンジャーっす。

この展開は境氏の主張にも近い軌道を描いているようにも思えて目が離せません。

こういうときこそ騒ぐべし

2006-12-09 00:32:48 | 通信
10月の携帯電話契約数推移の件について、11月に針小棒大である、無駄吠えするべからず、と森氏いぢめをしていた件について出来立てほやほやの11月のTCA統計を見たら、NTT DoCoMoグループの契約数が-17,500の純減となったことが判明していてさすがに跳箱も少々驚いたのはここだけの話です。

慌ててドコモ 純減 11月の検索キーでググってみたところ、現時点で記事が上がっているのは産経と系列のIZaだけ。TCAの発表は7日なので、8日の本日時点ではもっと記事が出ていてよさそうなものですが、熱しやすくさめやすいというかなんというか...。

NTT DoCoMoの契約数が純減に転落したのは携帯電話史上初めてのことなので、こういうときこそ森氏や渡辺氏のようなフリーライド派(とレッテル貼っておく)は騒ぐべきでしょう。(さすがに、こういう状況だと擁護論展開するのが難しいんで、それはそれで燃えます)

ちなみにその他の11月の契約数増減は、KDDIの契約数は324,900件の純増、ソフトバンクは68,700件の純増となっており、全体では376,100件の純増を維持して総計94,453,700契約となった模様。

シェアは、DoCoMo55.4%、KDDI28.3%、ソフトバンク16.3%で先月と変わらず。9400万分の2万だと0.02%にしかならないですからDoCoMoの退潮著しい、などというためには、少なくとも11月の減少数の10倍の規模(つまり月次20万契約とか)で減少していかないと、目に見えて減っている感は出ないでしょう。とはいえ、純増減の月次推移で見るなら、純増10万割れすら珍しく(前回は2005年10月の90,100件)ここ3年の平均月次純増数が175,000件にもなろうというDoCoMoが純減ということは実は非常に大きな事件なのです。(と正直に書いておこう)これがこれまでも時たま見られた局所的な事件なのか大きな流れなのかはまだ判りませんがこれからしばらくTCAの統計から目が離せません。

P.S.
NikkeiNetが2006/12/08/23:27に創業以来初の契約者減って見出しで記事アップしたね。

新聞ストック見てみたら、日経の12/07夕刊にも出てた。てゆうかちゃんと市場は反応してる。いまごろ朝刊を読んでてアレですが、日経、日経産業両方の12/08朝刊に載ってるね。あ、12/08の朝日、毎日、読売、産経の各紙朝刊も載せてるなぁ。紙媒体読む習慣が無くなりつつあるってのも問題だ...。

問題が多い件のその後

2006-12-08 21:03:52 | 通信
先日、説明になっていないし、問題が多いと指摘したFONの規約その他の問題点について、普段まるでコメントもトラバも付かない跳箱には珍しく反応をもらったのでコメントまとめレスがてら頂いた情報も付け加えてエントリしておこう。

まず、とおりすがり氏からOCNの約款上、FONは利用可能なのではないかと疑問を投げかけられた点について。

どうも自営通信設備といった単語の意味を間違えて理解しているようなので、歴史を説明しておこう。自営電気通信設備、といういまどき、通信機器は自分で買い揃えるのが当たり前の時代においては、いったいなんのことやら?な単語は電電公社および公衆電気通信法(もちろん廃止されてます)が生きていた昭和の昔においては市場開放の足音とともにやってきた一種ハイカラな言葉だったのはダイヤルの付いた黒電話(てゆうかいまどきの子にはダイヤルナンバー~、とか云ってもピンとこないんだろうなぁ。跳箱は一個持ってるよ)世代には懐かしい話だったりします。

今のように電話でもなんでも通信機器がどこででも入手できるようになったのは、昭和60年4月1日の電気通信事業法施行以降のことで、(いわゆるNTT法による電電公社民営化とセットになっていた)同法の施行に伴い、端末設備等規則が施行され、認定機関としてJATEが設立されてからのことです。

それ以前は、それこそ明治23年の逓信省時代から基本的に通信事業者(当時はお役所)が供給(というかレンタル)する直営端末しか利用できなかったのです。細かいことを言えば、昭和28年に船舶電話と構内交換設備(要するにPBX)が自営可能になったり、昭和32年に付属電話機(説明がめんどくさいからぐぐってくれ)利用が認められたり、昭和33年に地域団体加入電話(今は絶滅危惧種ですな)が認められたり、昭和44年に集団電話(これまた絶滅危惧種)が認められたりして非常にのんびりしたペースで極部分的に網開放(端末開放、じゃないのは網を運営している通信事業者側視点で語られるから)は進んできたわけです。その後、昭和47年にようやくデータ通信が認められて付属電話機ではなく、本電話機(実態はデータ通信端末、だけどね)を自営化することが可能になったんですが、こんなこと若い人は知らないんだろうね。(とおりすがり氏が若いかどうかしりませんが...。)

とまあ、いろいろと歴史的経緯もあって自営電気通信設備、という単語は立派な法律用語でありまして、

市販の通常のHUB、ルーター、無線LANアクセスポイント・ルーター

は立派な自営電気通信端末であり、これらを組み合わせたものは自営電気通信設備なのです。

この辺りの情報通信の歴史、って結構面白いので勉強してみたいなら昔書いたこのエントリとか読んで見てください。

同様に回線終端装置という単語も法律用語です。

回線終端装置の定義でも、回線の終端に接続すると言っているくらいですから、終端の先は契約者回線や加入者回線には含まれないと考えるのが妥当かと

と推理されていますが、ここは推理するところではありません。たとえば、事業者が提供する網を終端させている終端装置の先につながっている自前のPC(のたとえばNIC)はこの場合、自営電気通信端末となり、終端装置の先にLANを構築していればLANは自営電気通信設備となります。

OCNの約款のいやらしいところは、再掲しますが、第75条(3)利用停止条件に、

契約者回線、加入者回線又は外部接続回線に自営端末設備、自営電気通信設備、当社以外の電気通信事業者が設置する電気通信回線又は当社の提供する電気通信サービスに係る電気通信回線を当社の承諾を得ずに接続したとき

原則なんでもかんでもダメ、と規定しているところなんですが、とおりすがり氏にはよく理解してもらえなかったようで残念です。

この辺り、普通になにかの契約を結ぶときもひっかかりやすいポイントなので、

契約解釈の限界と不明確条項解釈準則

日本評論社

このアイテムの詳細を見る


などで勉強しておくと良いでしょう。それにしても約款の適正化ってのはなかなか進まないものです。

さて、一連のとおりすがり氏の主張の中で一番問題がありそうなのは、以下の、

これもダウトですね。FONはISPに許可を得ることを要求してはいません。接続が規約に違反しないか確認することを要求しているだけですので、規約を確認すれば済むことです

という点なのですが、先に記述したように、OCNの約款は「明示的に許可していない事項については許可したとみなしえない」構造になっていますので、とおりすがり氏が暗黙の内に立てているらしい「明示的に禁止していない事項については禁止されていないとみなす」という立論スタイルでの解釈は危険でしょう。

FONが、

(ii) 「FONero」との帯域のシェアを許可する契約を「ISP」と締結する必要があります。

とわざわざ断っている理由について再考することをお奨めします。

この点を含めて、Sabotenboy氏が非常に有益なコメントを付けてくれていますので感謝しつつ再掲しておきます。

---以下Sabotenboy氏コメント再掲---

既に他所で大手ISPからの見解を収集している方がいます
http://d.hatena.ne.jp/blackjapan/20061206/FON

各社の利用規約の各自の解釈はさておき(どうせいつでも一方的に変更可能なんですから)、基本的にFONは受け入れられていないようですね

FONの各種文書を読んでると、いまひとつな点が多く、はっきりいって見切り発車のツケをユーザに負わせようとしている意図が透けて見えます
(どうして大手ISPの了解を取り付けてからスタートしなかったのか、それは断られたからでしょう)

どうせISP側からFON利用という規約違反を検知出来ないだろうし、出来たとしても責任はユーザーに負わせておけば...、これはただ乗りに他ならない様な気がしますね

あと蛇足ですが、裁判管轄は非専属なのでなんだったら東京地裁に訴えることも可能ですよ、でも英国法ベースの裁判を日本でやることになるので、英国法の規定が「証拠」として用いられる変則裁判になる上、扱う弁護士の問題もあり現実的でないですけどね
また本邦居住者に対して英国の裁判所で裁判を起こされたら、...個人レベルでは対応できないでしょうね、小さな会社でも難しいと思います

LA FONERAも、キャンペーン期間中ですら送料込みで約千円、キャンペーン後は約三千円とすると、メンバー加入にあたって大したインセンティブにはならないので、欧州に比べ安価な無線ルーターが入手しやすい日本では、ISP側のムードが変わらないとビジネスとしては早晩アウトの様な気がします

勝手な思い込みでコメントしてみました^^;

---再掲ここまで---

Sabotenboy氏が紹介されているセリザワ氏の体当たりなエントリは現在、FON利用を検討中の各位にとって大変参考になる資料といえるでしょう。セリザワ氏にはお手数ですがぜひOCNの回答も掲載いただきたいものです。(期待してます。なんなら各ISPの利用者数データ出しますので網羅的にやりませんか?ちょっと面白いかも。)

ちなみにセリザワ氏も指摘されていますが、BB.exciteの規約は実は10/1から変更されていません。一部記事で伝えられるFONとのID連携も実施するならプライバシーポリシーも変更が必要になるのではないかと考えているのですがプライバシーポリシーも10月以降変更されている形跡が無いのも気になります。

Sabotenboy氏が指摘されている通り、跳箱もFONは大手ISPに相手にされなかったのだろうと思います。excite山村社長はどうもニッチャーを目指しているようでもあり、通信事業が本業というわけでもない点がFONの話に乗れたポイントだったのかもしれません。

非専属の件について丁寧な解説ありがとうございます。ご指摘の通りであります。ゆえに「求めている」んです。(にやり)

ところで、一部2chなどでFONの所在地等の記載がどうの、という話題に日本法人の住所を記載していたりするけれども、機器販売については日本法準拠(契約主体はFON Japan K.K.と読めるがホントか?)でサービス利用は英国法準拠(契約主体は英国法人)という変則契約のナゾを考えるとそれでよいのか?誤認が誤認を呼んでしまうのではないかと危惧してますし、「フォネロプロミス」の拘束力についても謎があります。

The Fonero PromiseとはユーザーとFONの間における、世界にWiFiコミュニティーを広めていくためのお約束です。 La Foneraを購入し設置することで、私はFoneroとしてFONコミュニティーの一員となり、FONの目指す世界WiFi市民の創造に賛同いたします。つまり自分のアクセスポイントを他のユーザーに開放することは、Foneroとしてのマナーであり、具体的には1日の大半において他のFoneroからのアクセスが可能になるよう私のアクセスポイントを開放いたします。

上記の謎の宣言に同意しないと注文できないのであればフォネロプロミスは機器販売契約の一部をなしている可能性があるんですが、このあたりどうなんでしょうね?

基礎工事進行中

2006-12-08 04:23:35 | 知的財産権
Tナビ改めアクトビラ(写真は本社エントランス、結構狭い)でうん回目の正直なるか、な双方向放送というかIPTV推進派に一歩前進の知らせあり。今国会で審議中だった著作権法改正案が衆院を無事通過したとのこと

とはいえ、文化庁の大英断と持ち上げている岸氏も苦言を呈している通り、実務上の制約をきちんとデザインしないととんだザル法になりかねない危険もはらんでいます。というか、この問題の対応策が二転三転しつつ、またもJASRAC焼け太り、てな結論にたどり着いたりすると、YouTube対策にJASRACが気合入れているわけも相当説明つく気がしてなんだかな、だったり。

それにしてもYouTubeの使い勝手とか規制とかいうネタだと反応(トラバ25)するのに、根幹を担う著作権法改正(トラバ0)には反応しないCNETヲチャーなブロガー諸氏ってどうよ?(カッコ内いずれも2006/12/08/04:21時点)

老いたネグポン迷走す。

2006-12-07 17:43:54 | 収集品
昨年5月から時たまぽつぽつと記事が流れてくるネグポンことニコラス・ネグロポンテ教授の100ドルPCプロジェクトについて最新の動向が伝わってきたのでフォローしとこう。

CNETによると今、教授は100ドルPCを貧困国(跳箱は国連統計に準拠して、教授が導入を図ろうと考えている国々は中進国に分類しますが)に導入するための財源を先進国に負担してもらおうと動いている模様。要するにひも付きじゃないODAを今すぐ実施してほしい、ということなのだろうけど、それはかなり難しいだろうと(嘆息交じりに)思う。実兄であるジョン・ネグロポンテに知恵を貸してもらっていないのだろうか?

さて、ソフトウェアコストを削れば100ドルPCは実現可能なのではないかと非常に楽観的な予想の元に同プロジェクトがぶち上げられた際、跳箱はコスト積算がザル過ぎると感じたものですが、その後、やっぱり250ドルくらいかかりそう、と話は後退した。その後、コストは漸進的に削減していくと現実的なところに落ち着きだしたけど、相変わらず、財源について根拠が無かった。(生産手法、生産場所についてもね)どうも機材を受け取る側の国に負担してもらおうと考えていたらしい。

で、今回の報道ではコストを先進国に負担してもらおう、となった模様だが、自分たちが信じる自分たちの教育観(と製品開発計画)を実現するために他者に負担を求める、という独善的なアプローチで、100億ドル単位のカネを引き出そうとしても実現はほとんど絶望的なまでに困難でしょう。

導入対象についても2006年4月の段階では、

インド、中国、ブラジル、アルゼンチン、タイ、エジプト、ナイジェリアの各国

に導入したいと言っていたが、今回の記事では、

メキシコ、パキスタン、フィリピン、そして中米8カ国のグループと交渉中

と中米以外は面子が入れ替わっています。教授の話を断ったインドの指摘は非常にリーズナブルで、

同プロジェクトを批判するインドの教育長官などは、100ドルあったらコンピュータハードウェアより従来からある教材に投資した方が良い

と発言したとのこと。跳箱も同感です。この批判に対する教授の反論は、

栄養失調だ、飲料水がない、病気だという子どもになぜノートPCを与えるのだろうか?ノートPCを教育という言葉で置き換えて考えてみると良い。そうすれば、2度とそのような質問はしないだろう」

と、トンチンカンなことこの上ない。上述の各国に貧困がまったく無いとは言いません(つうか先進国にだって貧困はある)が、一人当たり国民所得500ドル級の最貧国ならいざ知らず、8000ドル級の中進国に対して導入を薦めている教授の口から栄養失調~などという発言が出てくるとは...。

老いたネグポンの独善が悪臭を放つプロジェクトと評しておきます。

P.S.
蛇足ながら断っておくと跳箱としては教授の思いは崇高とは思うが、教授のアプローチは現実的では無いと考えているんであって貧困国に教育は必要ないと考えているわけではありません。

FONとexciteの提携について考える。結構ナゾだらけ。

2006-12-06 19:33:06 | 通信
跳箱が考えるに日本のISP利用者の内ざっと2000万契約では利用に問題がありそうFONと現時点で唯一、業務提携を発表しているexciteについて少々検証してみる。

exciteのリリースでは

FON WIRELESS Limited(本社:イギリス、 ロンドン)の子会社であるフォン・ジャパン株式会社(本社:東京都目黒区、代表取締役社長:ミゲル・オーティスーカナバーテ・ロペス、以下 フォン・ジャパン)と、日本市場での本格的なFONプロジェクトの開始にあたり、業務提携

と日本法人と提携したと記載されているけれども、先日も紹介したとおり、利用者はFONのサービスを英国法人と契約して利用することになっている。

「BB.excite」の会員および、エキサイトの運営するポータルサイト「エキサイト」利用者に向け、FONの認知拡大のために合同でプロモーション活動を実施

と記載されているが現時点では、エキサイトトップページのお知らせ欄に一行、「エキサイト、日本上陸のFONと提携」とニュースリリースへのリンクが記載されているのみ。BB.exciteのキャンペーンページに飛ぶとようやくワイワイWiFiキャンペーンなるページにたどり着ける。


疑問点1:
FONの英国法人と日本法人の役割分担が不明瞭。exciteは日本法人と業務提携し、キャンペーンページで利用をある種斡旋しているにもかかわらず、実際に利用申し込みをしようとするとなんら説明も無く英国法に基づいて、英国法人と契約することを求められるのはどうもひと手間を惜しんでいるように思われてならない。


キャンペーン対象者はBB.exciteのISP契約者でかつ東京都内在住者に限られるとのことだが、日経マーケットアクセスに掲載されている国内主要プロバイダーの加入契約数(2006/03末)で掲載下限はWAKWAK(NTT-ME)の26万加入で、BB.exicteの名前は掲載されていない。つまり、調査漏れで無い限りBB.exciteの契約数はWAKWAK以下の規模に留まると思われる。

2003年4月のITMediaの記事によるとBB.exciteの利用者はBフレッツが8割を占めるとのことなので、現在もBB.excite利用者の大多数がBフレッツ契約していると想定すると、タリフによればほぼ5000円/月の収入となっているはず。

exciteの個別中間財務諸表の概要によると平成19年3月期の第二四半期のブロードバンドサービス売上は4.25億円、月次平均(めんどくさいから伸びは無視ね)1.4億円。これを5000円で割ってあげると契約数は2万8千件ほどになる。要するに3万契約程度の事業規模と推定される。これがたとえすべてマンションタイプの契約であったとしても7割増しで5万契約程度に増えるに留まる。

余談だが、NTT東/西双方のBフレッツサービスを取り扱っているので、契約者は全国に分散しているはず。総務省の発表しているブロードバンドサービス契約数の推移を見ると全国の契約全体に占める東京の比率は16%弱になるので、BB.exciteの今般のキャンペーン対象者数は、4800人から8000人の間と推測される。
キャンペーンでは抽選で3000名様に2006/12/04-12/25の期間中に応募すればモニターに参加できる、と謳っているが、対象者全員が応募したとしても当選確率は62%から37%なのでよほどのことが無い限り応募すれば当たると思っていいはず。

2006/12/04付けのNikkei IT Proによると

例えばニフティは「現時点で@niftyの回線を使って第三者にFONのネットワークを使わせることは,契約違反に当たると言わざるを得ない」との見方を示す

と先般、跳箱が危惧したとおりのコメントをすでに発表していた。大手(跳箱の数えた範囲でも2000万契約)は同様の方針を打ち出す可能性があると考えます。ちなみに前出の日本の総務省資料によると、日本のブロードバンド契約数は2421万(2006/03末)なので、市場の8割程度から締め出される可能性があるとも云えます。


疑問点2:
このような環境下で、推測で3~5万契約しか保有していないと思われるBB.exciteのみをパートナーとして、

2007年内に日本国内のAP数を7万5000台とする

目標設定はハードルが高すぎる可能性があるのでは?


疑問点3:
Nikkei IT Proの別の記事によると、

BB.exciteのユーザーは、BB.exciteで使うID、パスワードをそのままFONで利用できる

と記載されているがBB.exciteサービス利用約款第41条(個人情報及び秘密情報の保護)規定に違反しない形でシングルサインオンを実現するためにどのようなパーミッション取得スキームを用意しているのか不明です。


疑問点4:
前出の記事によると、

世界144カ国で展開されており、その会員数は約16万8000人

と2005年11月にサービス開始してから一年をかけて世界144カ国合計で獲得したFONの利用者数実績があるわけですが、

日本では2007年末までに7万5000カ所のLaFonera設置を目指す

と日本では同程度の事業期間に全世界で年間獲得した利用者数の44%にあたる利用者数を一国で獲得すると計画しているらしいのですが、インターネット利用者数分布比率からみて、突出していると云わざるを得ません。(一方は人、一方は箇所、なので、@ITの記事にあるように、エイリアンが90~99%を占めるとすると、日本だけで75万から750万の利用者を獲得しようとしている、とも取れ、そこだけでもかなり謎ですが)どのような特殊要因が働いて日本において突出した成功を収めえるとFON経営陣が考えているのか理解に苦しみます。

他にもBillを開始するとなると電気通信事業法上、Bill会員はどう位置づけるべきか(これはやっぱり個人であっても電気通信事業者なのか?)等々疑問符がさまざまに付くのですが、あまりにも情報が不足していて結論めいたことを導くことができそうにない。


とりあえず、ひとつの目安としてBB.exciteのキャンペーンが12/25の当初予定通りに目標モニター数を確保して終了を迎えるのかどうか注目してみたい。

-2006/12/26追記-
いつの間にかFONサイトの法的なお知らせや個人情報保護方針、もっとFONを知ろう、といったページがトップページにリンクが用意されているにもかかわらずログインしなければ表示されないようになっていた。そんなに見られちゃ困ることが書いてあるのだろうか?個人情報保護法的にどうなん?ちなみにFONコミュニティに登録するページに行くといつの間にか登録事項の最後にパーミッション取得用のダイアログボックスが表示される構成になっていてそこで表示できるようになっている。(気づかない人は気づかないだろうねぇ)

しかもご丁寧に、

私がLinusまたはBillとして登録している場合、契約先のインターネットサービスプロバイダはWiFi接続をFONアクセスポイントとして利用することを承諾しています。

と念押しすることにしたらしい。ある意味良心的ですな。

もう一点、La Foneraの購入ページからナゾだったフォネロプロミスが無くなってる模様。従前ページで契約した利用者と現在のページで契約した利用者の契約内容は異なるんでしょうか?それとも現在の契約に引きなおされるんでしょうか?これまたナゾです。

権利者によるフリーライド対策は続くよ(たぶん)どこまでも

2006-12-06 07:37:03 | メディア
跳箱はYouTubeもフリーライダーの一種と考えていまして、なおかつフリーライダーは大嫌いと公言してもおりますので、YouTubeに対して日本の権利団体等が著作権侵害対策を要請したとの今般のCNET報道は歓迎しています。(いたちごっこは承知の上で)

YouTubeとしてはDMCA対策として事後チェックの自動化方針を公表していますので、今般のJASRAC等による申し入れに対してはゼロ回答してくるかもしれません。(てゆうかゼロ回答でも驚きません...。)

当面、YouTubeがリリースで

YouTube to Deliver Innovative New Infrastructure By End of Year to Help Media Companies Harness the Financial Potential of User-Generated Content

と、年末までに出すんであると宣言したことでもあるので、(もう年末だけど) "New Content Identification Architecture"がどの程度効果的に機能するのか?というかそれ以前に12/31までに提供されるのかを見守りたいと考えています。なにはともあれ、次のチェックポイントは12/15ということらしいので、来週末を楽しみにしています。

P.S.
萩原センセ、その後、日本からのYouTubeアクセスはどう変化したんでしょ?

説明になっていないし、問題が多い。

2006-12-04 23:14:39 | 通信
例によってCNETによるとFON Japanは、

同社が提供する無線ルータ「LaFonera」を自分の利用する回線に接続することで、ほかのユーザーが利用できるアクセスポイントを開設できるという無線LANの共有サービス

を開始するとのこと。だれもが疑問に思うであろうポイントについてCNETが突っ込みを入れたところ、

ISPによっては契約ユーザー以外のネットワーク接続を規約で禁止している場合などもあるほか、ISPのインフラをただ乗りしているのではないかという意見については、レベニューシェアによる提携が成功していることを強調。FON WIRELESSの創始者でCEOのMartin Varsavsky氏は「全世界で多くのオペレーターがパートナーになっており、事実彼らの収益は高まっている。つまりただ乗りでない」と説明

したそうですが、ここは日本で、日本のISPと契約している日本のインターネット利用者は日本の法律と契約先ISPの約款に基づいてサービスを利用しているのであって、世界のどこかで、だれかが儲かっているかどうかはまったく関係ありません。

日経マーケットアクセスによると契約者数500万超のISPは@Nifty、OCN、Yahoo BBの3者。で、@Nifty会員規約第17条では営業活動の禁止が謳われています。

OCNの約款では第75条(3)に利用停止条件として、契約者回線、加入者回線又は外部接続回線に自営端末設備、自営電気通信設備、当社以外の電気通信事業者が設置する電気通信回線又は当社の提供する電気通信サービスに係る電気通信回線を当社の承諾を得ずに接続したとき、と謳われています。

Yahoo BB(BBテクノロジーサービス規約)では、第20条2で、会員は、第三者に対し、本サービスを利用させることはできません、と謳っています。

上記の通り、3社の規約、約款で小計1500万契約以上がFONサービスを利用できないことが判ります。さらに、400万契約超のBIGLOBEでも、会員規約第24条(3)で、他の会員のユーザID等(第10条第10項に定める認証機能が付与された会員に係る特定電子媒体の固有情報およびこれが付帯する会員に係る特定電子媒体を含みます。本号において、以下同じ。)を不正に取得もしくは使用し、または他の会員もしくは自己のユーザID等を不正に他の会員もしくは第三者に使用させる行為、を禁じています。

もひとつおまけに、300万契約超を抱えるDIONでもインターネット接続約款第70条(3)で、当社の承諾を得ずに、当社が設置する電気通信設備に、自営端末設備、自営電気通信設備、当社以外の電気通信事業者が設置する電気通信回線又は当社の提供する電気通信サービスに係る電気通信回線を接続したとき。を利用停止条件として謳っています。

念のため、200万契約超を抱えるぷららでも会員規約第15条(3)高速回線を利用されている場合に会員宅内に多数の端末や大量のアクセスのあるサーバを設置するなどして、通常の利用を超えた大量の通信量(トラフィック)が継続的に発生する場合、同(4)では、その他、他の会員の統計的な平均利用方法と比較して大幅に上回る利用が継続して発生する場合、と念の入った書き方でサービス契約の中断、解除条件を謳っています。

さて、ここまで紹介した6社の事例だけでも日本のISP契約のうち2000万契約以上でFONの利用は規約・約款違反になる可能性があると指摘して間違いでは無いでしょう。少なくとも、@Nifty、OCN、Yahoo BB、BIGLOBE、DION、ぷららをISPとして利用している方はFONのサービス利用について、きわめて慎重に判断されるべきでしょう。

この点について、FON社はFON利用規約において、

4. 事前要求
「Linus」の カテゴリを選択したユーザーは、本利用規約を承認し、「FON コミュニティー」に登録する前に:
(i) 「FON ソーシャル・ルーター」または「FON ソフトウェア」と互換性のあるルーターを入手し、
(ii) 「FONero」との帯域のシェアを許可する契約を「ISP」と締結する必要があります。

とFONを通じて他者へのアクセスを許可するためにISPと締結しなければならない契約義務をエンドユーザーに課すことでFON自身がISPと契約締結する義務を負うことを回避しています。

しかも、日本でFONを利用するユーザーにも、

19. 裁判管轄と準拠法
本契約は、英国法に準拠し、解釈されるものとし、当事者は英国の裁判所の非専属的裁判管轄に属することに同意します。

と、英国法を準拠法として適用し、裁判管轄も英国裁判所とすることを求めています。

このWebサイト上には特段の注意書きが無く(2006年12月4日23:00現在)利用規約のなかにひっそりと、エンドユーザーとISPの間でトラブル画発生した場合の解決の責任はエンドユーザーにあり、FONは責任を取らないことを記載するだけ、という処置には納得できません。

しかも明示されていないリスクとしてエンドユーザー個々人が契約しているISPとトラブルに見舞われる可能性も想定しなければなりません。

---2006/12/08追記---
続報というかコメント欄への返信などを新エントリにしてみましたのでよろしかったらこちらもどうぞ

いい買い物だね!

2006-12-04 11:09:54 | 連絡帳
CNETによるとIntuitDigital Insightを買収したという。

日本市場ではこの分野がここまで強くなるシナリオは考えにくいけど、小額電子決済系を軸に似たようなこと考えているプレーヤーは多いのでこれを励み(?)にがんばってほしいところです。


IGFは支持でしょう

2006-12-01 04:10:04 | メディア
その昔、クソ高いOracleのライセンスコストに悩まされた経験があるのでOracleタタキには参加したいところですがIGFは地味ではあるけれども有益な取り組みですので擁護論を展開しておかなければと決意したのはCNETのこちらの記事での行司(Joris Evers氏)の仕切りが不公平なんではないかと心配するゆえであります。

確かにJonathan Penn氏が指摘するとおり、

こうした提案によって問題の本質が解決することはない

でしょうが、そもそもこの手の問題を解決する完璧な魔法などはなから存在しないのです。先日のエントリでも紹介した情報セキュリティインシデントに関する調査報告書にもあるように、また、おそらくはPenn氏が嘆息するように、発生原因では小さな割合を占めるに過ぎない内部犯罪や不正行為をIGFやSAMLは防ぐことができませんが、そもそも、その気になった内部の関係者による犯罪を未然に防ぐのは非常に難しいものです。

むしろ、IGFの登場(と成熟)によってこれまで敷居が高かったLiberty Alliance標準の利用が容易になり、ウッカリミスの類が減らせるならそれだけでも大変な進歩だといえるでしょう。

Microsoftが公式にサポートしていないからどうだというんです。Microsoftが公式にサポートしていない規格は皆コケるんですか?Liberty Alliance標準はクライアントPCのデスクトップより、企業や公共機関のコアシステムで真価を発揮するのですからMcrosoftの公式なサポートなど無くても発展可能です。(実際、メンバー構成もそうなっているし)

誰とは云いませんがLive ID依存するとあるエンタープライズ向けアーキテクチャの営業中に複数の顧客から「Liberty Alliance準拠しないのか?」と聞かれて苦笑いしながら個別作りこみで対応できます、てゆうかやってます、と返答しているMicrosoftの営業マンを跳箱は知っています。

Bob Blakley氏(リンクはBurton GroupのIdentity and Privacy Strategies Blog)の問う、

そうしたデータが実際に企業内で使われ始めたとき、アプリケーション間におけるやり取りをどうやって確認すればよいのか。あるいは、企業がパートナーとID情報を共有する場合、社内のプラバシー規則が外部でも同様に適用されることを誰が保証するのか

に対してはIdentity Provider機能をLLCとして切り出すとか、手段は幾らでもあります。(と、いうより、この部分は制度設計・運用の問題であって特定の技術仕様に帰されるべき問題ではないでしょう)

なにゆえ、CNETがIGFに対して具体性に欠ける否定的見解を持つアナリストの意見ばかりを紹介しているのか理解に苦しみます。