跳箱

跳び箱でも飛箱でも飛び箱でもとびばこでもいいけどそこはそれ跳箱なんです。体育日和のお供にどうぞ。

黒に清き一票を。

2006-10-27 18:01:02 | 連絡帳
全国ザックリ1500万(推計*1)ノートPCユーザー諸氏、とりわけ全国ザックリ570万(推計*2)ThinkPadユーザー諸氏にお願い申し上げる。

黒ThinkPadに清き一票を!

と、言うのも近年Lenovo社は伝統あるThinkPad Blackをないがしろにし、チタニウムシルバーのPCを出荷してこれをThinkPadと僭称する暴挙に出ており、あまつさえ、黒ThinkPadユーザーを殲滅せんがため、アンケートの名を借りてチタニウムシルバーのThinkPadの方が人気があるんであると喧伝しているのであります。

これを暴挙といわずなんというのでありましょうか?

思い起こせば93年、笹塚の某ビル内にてThinkPad220の予約注文を募るチラシを見たのが黒ThinkPadとの出会いでありました。とはいえ、同年にPowerBook初のカラー機としてデビューしたPowerBook165cを即買(しかも納品される前にVGA表示(と、Macユーザーは言わないが)対応した180cが発表されてうれしさ半減)していたためにその際は購入見送り、初めてのThinkPadは230csからでありました。PowerBookのトラックボール同様にホームポジションから手を離さずにポインティングデバイスが操作でき、しかも親指じゃなくて人差し指でコントロールする操作性の高さに感動したものです。以降、530cs535と乗り継ぎ、600に出会って大画面至上主義に転向、T20pに出会って画素数至上主義にハマリ、T21p、T41、T43と乗り継いで現在に至るモノであります。10年以上をThinkPadとともに過ごしてきた跳箱にとって黒いThinkPadこそがThinkPadであり、ThinkPadこそがノートPCなのであります。銀色のノートが使いたければLet'SでもMacBookでも使えばいいじゃないか。

てゆうか、

黒くなきゃいやだ、いやだ、いやだ、いやだっ。いやなんだいっ。

ということで、レノボが実施しているアンケートにご協力(というか黒に投票してください、お願いします)をお願いしたいのであります。

黒ThinkPadに清き一票を!

勘違いはなはだしいレノボのマーケティング担当者に黒ThinkPad党の怒りの鉄槌をお願いしたいのであります。

*1: JEITA統計、内閣府統計を元にザックリ推計
*2: *1を元にIDC発表値を加味してザックリ推計

-2006/10/29追記-
平泉氏によるとこのアンケートは2006年1月には始まっていたらしい...。
追記作業中時点で日本ではチタン4379に対して黒4935と若干押し返しているもののアジア太平洋全体ではチタン23885に対して黒18351と黒劣勢でり、戦況はまだまだお味方(黒)不利であります。黒党諸氏の一層の奮励努力に期待するものであります。ジーク黒。

-2006/11/06追記-
同士諸氏、本日気がついたところなので正確にいつアンケートが終了したのか不明でありますが本件アンケートは終了した模様。日本国内においては黒優勢で推移したものと思われますが全世界における戦況は思わしくなく、今後のレ社の動きに注目し続けたいと考えるものであります。ジーク黒。

久しぶりに見かけた単語

2006-10-27 01:28:30 | 連絡帳
思い起こせば1年数ヶ月前にotsune氏にコメントもらって(それが結構面白かったんで)しばらく同族関係(というのか?)ヲチしてた記憶があるんですが、いつの間にか単語自体を忘れかけていたというかすっかり忘れてたところ、たまたまJ-CASTで"モヒカン族"のタイトルが...。

記事によると、

2005年7月頃から「はてなグループ」で話題として取り上げ、「現代用語の基礎知識」の2006年版にもネット流行語として登録された。

んだそうで、ご活躍の由、なによりであります。

再掲しますが、モヒカンチェック、面白いんでぜひ。ちなみに跳箱は以前タイプ9と判定されてます。

google あれ、これいったい何回目だろ? リターンズ

2006-10-27 00:19:34 | メディア
先日のエントリに関連する記事をいくつか追記。しょせん備忘録なので中身が薄いのは気にしないこと。

やっぱり、googleは、

Googleはその広告技術とYouTubeのコンテンツを「統合する方法を模索している」

んだそうな。それから、

Amazon.comが、Googleから要請されていた、書籍検索ツールの情報提供を拒否

したんだそうな。他力本願に半ば以上強姦のような手口で深層Web(ディープWebといったほうが通りがよいか?)アクセスを実現しようとするも中層(?)Webアクセスすら断られる始末。

相変わらず梅田氏は無邪気に俺たちはグーグルだ、訴えてみろなど訳してgoogleへの愛を歌っていますが、Microsoftもオイタが過ぎて会社分割の危機に瀕してから大人になった(ように見える)例もありますので、冗談抜きでgoogleの上下分割(アナロジー)を本腰入れて議論する必要があるかもしれません。特に欧州市場においては喫緊の課題といるでしょう。

バブリーな御仁にバブル発生公認さる

2006-10-26 23:25:33 | メディア
坂和くんが影響を受けているダケのかもしれませんが、一般論としてLessig、O'Reilly、伊藤、Carrら各氏に影響力があるとは到底思えないと指摘してしまうと、それで話が終わってしまうのでアレですが、跳箱的にしつこく指摘し続けているWeb2.0などというbuzzwordで括られている第二次.comバブルにはBubble 2.0と名前が付いたらしいです。これからは、それってBubble2.0っぽいなぁと一言指摘すれば売り込みな人たちに即座に退出願えるようになるってことでOK?

そも、Lessig氏の議論は所有と利用の概念操作があまりに粗雑なのではないでしょうか?続く伊藤氏によるBubble2.0との命名は頂きですが、そもそも自分がなにやってきたか棚に上げてなにいってやがるんだ?と義憤の振りして怒ってみたりします。(いやまったく)O'Reilly氏に至っては自分で定義(いや、所詮buzzwordだから言いだしっぺ本人がそれはミトメネーと駄々をこねたらそれでオシマイなのかもしれませんが)したWeb2.0のフレームワーク(どうでもいいですがこれを論文と称する御仁がいらっしゃいますが、こんなもん単なる自己主張レポートです)をやたら狭義に解釈して、

本物の共有サイト」と「偽物の共有サイト」の違いが今後ますます重要になる

などと言い出しているのはどうにもいただけません。要するに純粋なP2P以外は認めねぇ、とおっしゃりたいのでしょうか?そもそもgoogleについての氏の認識は、

「Googleが、人々の注目を分散させる役目を果たしてきたこれまでの実績を忘れないことが非常に重要だ。自らの運営するサイトに人を集め、長い時間そこにとどまらせようとするやり方--つまり集積所となろうとするのはWeb 1.0だ」

とのことですが、googleはしっかり自社のビジネスのコアコンピタンスに関わる部分についてはボトルネック独占を狙って(ある程度うまく(特に欧州)いって)いる点についてはまるで触れていません。これまでのgoogleのビジネスにとっては滞留時間ではなく、処理したトランザクション数が問題だったから(資源消費を最小化するために)滞留時間を短くしてきたに過ぎないと、なぜ考えられないのか不思議です。(所詮同床異夢だったってことでしょうか?)

そも、googleの事業がクローズドなモデルにシフトしているのだとすれば、それはgoogleのビジネスドメインにおいて市場開拓余地が小さくなってきており、これまでは垂れ流していた価値も回収しなければ成長を維持できなくなってきた(もしくはその恐れがある)からである、と考えることもできるでしょう。
で、あるならばgoogleが一方で垂れ流すことによって他方で得ていた価値との社内利益相反が会社の機能不全をもたらすほどになったとき、googleの黄金期が終わるのではないでしょうか?

余談ですが、googleスキャンの件もさることながらgoogleチェックアウトの件などにおける行動はあからさまといっていいほど直截な市場取り込みの試みだといえると考えています。

さらに余談ですが、30年前ならいざ知らず、いまどき、「影響力がある」かどうかはエルデシュ数じゃないですが実際に事業化されたICTサービスの総数もしくは生存率もしくは市場占有率(総市場規模をベースにすれば事業間の比較もできそうだなぁ)を調査して、それら事業における各氏の主張に出典を求められるモデルなり原理なりが、どの程度含まれているか、また、その相互作用がどのように働いているかを調べれば定量的に把握できる話なんじゃないでしょうか?

自分には影響力がある、と主張することで影響力を行使(または、しているかのように振舞う)御仁のなんと多いことか。当然、実務上はヨイショする担当とヨイショされる担当に分かれていたりするわけですが、こんなところにもネットワーク論的に解釈しえる権威の自発的生成プロセス(とでもいうのか?)が見られて面白いもんです。

経営目標が違うとやることがこうも違ってくるとは...。

2006-10-24 02:44:17 | 通信
先日、森氏に反応してエントリを起こした際にチラッとWillcomのスマートフォン販売目標は移動体通信事業においては小さすぎると指摘した件について、八剱氏に鞭打つのはあれなんで控えていたのですが10/10にご退任のリリースが出ておりまして、後釜はなんとびっくり喜久川(マツケン)政樹氏でありましたと。この人事の点から考えてもJ-CASTが指摘するとおり、カーライルからにらまれたんかも、と悼む(おいおい)次第。

一方、ソフトバンクモバイルは想定外(イタい)ならぬ予想外割なる新料金プランを打ち出してバッチこいであるとのこと。勇者だ...。
というか跳箱はさっそく料金プラン変更してみようかと。

ファンダメンタルも大事なんだけど、最後は経営者の「意思力」だったりするんじゃないかと思います。当然、裏目に出ることもあるんだけど。なにげに宇野氏が正気に返ってしまった日本のICT産業界でほぼ唯一のキチガイ(敬称)経営者となってしまった感のある孫氏(個人的にはちょっと恨んでるけど)には行き着くところまで行ってほしいです。はい。

P.S.
こうなってくるとカーライルは次世代PHS(どうでもいいですけどいつの間にかMoUのサイトがカッチョよくなってたよ)に再投資する原資確保のために上場させたいのか出口が欲しいだけなのか興味深深です。
再投資しないつもりなら802.16eで人口カバー率(とりあえず)目標97%くらいで月額3500円フラットレートな事業者を誰か作ってください。(てゆうかマジで作らない?)てゆうかその前に免許なんとかせねば。

google あれ、これいったい何回目だろ?

2006-10-24 02:14:31 | メディア
跳箱の好物であるセマンティックでオントロジーなサービス(の、ようなもの)をわんさかカネに明かして(とりあえず作れるものはとりあえずなレベルでもかまわずに)さっさと作り出しているgoogleは、あまりの青さにため息つきながら眺める隣の芝生であるのかもしれないとも思う今日この頃。

実のところ、そのあまりの「とりあえず」っぷりなモノの作り方がどうにも好きになれないのも事実ではありますが、とりあえずにとりあえずを重ねてまあシェア握ったもん勝ちだよね、ネットワーク論的に(いや、どっちかというとWTA的ロックイン狙いに過ぎないのかもしれませんが、あんまり複雑な理屈を振り回さなくても実用上問題ないケース多いですから)という手口については確信犯だったらしいということが判ってきたように思えるのでちょっと備忘録しておこうかと。

Fortuneの記事によると

In the months after he fell prey to the Google dance, Keiter saw his revenues plunge some 20%. When he contacted Google for an explanation he was simply told that the algorithm was secret sauce. "There was nothing I could do," he says. "They make changes in their ivory tower, and it ripples through to the little guy."

てな感じで無邪気な中小零細事業者にとってgoogleが神のごとく振舞うのは珍しい話じゃないらしく、

We reached two main conclusions. First off, Internet search is going through a transitional period. Small online businesses in particular are starting to chafe at the rising cost of search-term advertising. Some of them may soon seek alternatives to a marketing strategy based solely or primarily on search.

やっぱ、これはなんらかの公的介入が必要なのかもしれない気にさせます。たとえば、googleの上下分離とか。

んでもって、

"I predict a rebellion," says Jakob Nielsen, principal with Nielsen Norman Group (nngroup.com), an Internet-user research firm in Fremont, Calif. "People are going to tire of spending so much for web traffic."

As the blogosphere expands and matures, more entrepreneurs could discover that blogging is an efficient way to attract customers. Other small businesses may find that it pays to purchase ads directly from website owners rather than through Google. Say you run a home-building company. Placing an ad on a popular real estate industry site might be cheaper than paid search - and might prove a more direct route to your target audience.

と、指摘してるんですが、PageRankに代わる信頼性のモノサシが必要になる点については指摘が無いところがアレな感じです。

Google's recent move to assemble a vast digital library of books is viewed as a threat by much of the global publishing industry. Google decided to forgo the usual process of obtaining permissions from thousands of book companies.

以下のgoogleスキャンプロジェクトについての言及はあっさりしすぎているので、bookscanner氏のこれこれこれを読んだほうが面白いです。

んでもって、

Cellphones already have cameras, goes the reasoning. So why not add a bar-code scanner? You could walk into an electronics store and scan a DVD player. Up would pop the price, along with Google ads for various area merchants, touting their lower prices on the very same item. "This is a logical direction for Google," says Roger Entner, a telecom analyst in the Boston office of Ovum, a research firm. "It would extend their advertising reach out onto the actual floors of merchants."

前後の文脈についてはどこまで本気でどこからがダミーネタなのか不明ですが、まるっきりつまらないです。この程度でChaos by design(前出の9/22記事に続いて10/2に掲載された記事)とは片腹痛いです。てゆうかChaos by designもよく読むと実はgoogle本体にたいして新しいことを生み出す力が無くなって来ていることが読み取れる(と跳箱は思う)んでそれなりに面白いです。

もひとつはFinancial Timesの記事を日経ビジネスが和訳したこちらから。

金銭面については簡単な話です。グーグルには世界最高と思われる広告システムがあるので、それを利用し、いずれユーザーがユーチューブで行っていることのすべてからかなりの事業を築けるからです。しかし、本当の理由は金ではなく、広告ですらありません。動画は、インターネットにおける新たな種類のメディアのうち最も重要なものの1つになる、ある程度は既にそうなっていると考えたからです。

要するに広告媒体であると。

なんてことは無い、googleは検索広告におけるシェアをベースに時価総額が維持できている今のうちに買えるだけ買っておこうと考えているありがちな新興上場企業のひとつに過ぎないってのが結論なのかもしれません。

当然、誤解も理解のうち、ってことで立ち上がり時期に活用したグレー(というか真っ黒)な利用者を切り捨てつつ、なんでしょう。違法コンテンツの大量削除以降のYouTubeトランザクション変化についてもぜひ追跡レポートを公開してほしいです。>萩原センセ。

なんでもいいですが、アイディアをあまり無駄遣いされてしまうと、一度ミソが付いたアイディアは5~6年塩漬けにしてからじゃないと復活させられなくなるので迷惑っちゃ迷惑。

でもって、事業制約の前提条件を自社に都合がよくなるように変更するために公然と政治と立法に働きかけを行うとてつもなく独善的な思考の会社でもあるようだと...。(そっか、邪悪なことをしないとは約束しているけど独善的であるかどうかについては言及してないからいいのか?)

-2006/10/26追記-
いったん追記したんだけど考え直して別エントリにしたんでトラバ重複してしまった梅田氏ごめん。

あまりに単純な整理に過ぎましょう。

2006-10-23 23:02:52 | メディア
ICT産業構造の変化(つうかICTというくくり自体が新しいのに変化を論じてどうする?)について議論する際には、どうしても異なる収益モデルに立脚した事業者間の競争(というか優劣)を議論することが多くなってしまうように見受けますが、こうしたサプライサイドの議論だけしてていいのか?と日々疑念が深まるばかりの今日この頃。

この線で議論を煮詰めていくと結局、当該市場でもっともボトルネック独占に成功したレバレッジの利く事業者が勝利者になる、んだからして、どこにボトルネックを設定して他者の競争優位を成立せしめている要因をコモディタイズしてやるべか?という後出しちゃぶ台返しの応酬となって事業のフォールトラインはガンガン短距離化していくという、なんなんだそりゃ?な話に帰結していくのではないかと考えるのでありますが、その議論には大きな疑問符をつけたいと強く思うものであります。

なぜかと問われれば(って、問われてないけど)、消費者ってそんなにアホなんか?そうなんか?と思うゆえでありまして、笛吹けど踊らずとか、笛はワルツの調べを奏でているにもかかわらず消費者は8ビートで踊っているんだけどみたいな現象がそこかしこで見受けられるゆえと申し上げたいのであります。

かような観点から消費者の情報行動をじっくりと時系列に観察しつつ、現れ出でる行動実態の背景にどのような絵姿が映るかに思いを馳せなければ真にイノベーティブなモノゴトを生み出すことは難しいのではなかろうかと考えるものであります。

その観点から消費者の行動観察を行うにあたっての基礎的な道具の一つとして今般中島氏が挙げられた国民生活時間調査(NHK放送文化研究所)は貴重な資料と申し上げられましょう。(てゆうか中島氏、カネもらって書いてるんだから文字校正くらいしようね)
加えて指摘するならば、本年10月20日に実施されたばかりの社会生活基本調査も重要性において引けをとるものではないことを申し添えねばなりますまい。
また、情報行動に的を絞った調査として東京大学大学院情報学環による今回調査で3回目の日本人の情報行動2005の刊行も間近に迫っておりまする。

まさに、ここ5~6年のICTサービス環境変化を受けて日本の消費者の情報行動がどのように変遷してきたのか学ぶに好適の時節であると申し上げられるでしょう。

これら5年に一度の大調査とは別に、ビデオリサーチインタラクティブ社が2001年よりほぼ6年間(厳密にはちょっとちがう)に渡って年一度の頻度で調査を続けてきた携帯電話利用実態調査(通称ケータイ200xエディション)も実はテレビ/ラジオ/新聞/雑誌等の既存媒体との利用実態比較を試みており高価な資料ではありますが有用な情報に溢れた調査資料となっている点ご紹介させていただきます。(これだけ誉めんたんだから来年は値引きしてくれろ)

併せて、

絶え間なき交信の時代―ケータイ文化の誕生

NTT出版

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スマートモブズ―“群がる”モバイル族の挑戦

NTT出版

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※上記2点は今となっては少々内容が古いかも。
※スマートモブズについてはの翻訳を行ったGLOCOM周辺による論考はこちら。

ネットワーク社会

ミネルヴァ書房

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※本書は橋元先生を中心に編集されており、ほぼ現在進行形で日本における情報行動を検証しており、中島氏の疑問の多くに回答を与えてくれるでしょう。

リーディングス ネットワーク論―家族・コミュニティ・社会関係資本

勁草書房

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※スモールワールドから弱い絆、社会関係資本にいたるネットワーク論を学ぶ上で基本となる論文7本がまとめて邦訳されている初学者必携の一冊といえましょう。

社会ネットワーク分析の基礎―社会的関係資本論にむけて

勁草書房

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※同書より実務的な資料を求める向きはSPSSやAMOSをキーワードに検索すべし。

進化するネットワーキング 情報経済の理論と展開

NTT出版

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※超流通再び。近年のネットワーク理論の進歩はそのための巨大な実験システムとも言えるネットベンチャーの屍の上に築かれているともいえましょう。人柱とならないためにも一読しておくことをお奨めします。

〈メディア〉の哲学 ルーマン社会システム論の射程と限界

NTT出版

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閉じつつ開かれる世界―メディア研究の方法序説

勁草書房

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※上述の書籍群を読みふけるうちに、そもメディアとはなんぞや?といった厄介な問題が寝てもさめても頭にこびりつくようになってしまったら一読されてはいかがか?

といった辺りを濫読されることをお奨めいたします。

で、結論は何って?そんなものぁ、無い。ちゃんちゃん。

P.S.
今回のエントリは中島氏のコレに対してね。

でもって、知っている人には蛇足だけど跳箱がこの辺、好物であることは、これ、とか、これ、とか、これとか読んでいただければご理解いただけるものと思いまする。

坂和くんの得意科目

2006-10-20 17:21:10 | メディア
粘着質なお友達に囲まれているらしい坂和くんをしばらく観察(これとかこれ)していたんですが、どうもこの方、これから社会や技術がどうなるか?といった点にはあまり関心がなくて、どうすると儲かるか?というか、だれそれが儲かった理由はこうだ!、とかなになにで儲けただれそれが次はこれで儲けようとしているらしい!、とかそういう、なんていうんでしょうか兜町的(ちょっと違うなぁ)な裏話がお好みであるらしいと暫定解を出すにいたったのは本日のこちらのエントリを読んでの感想。

今回のエントリについては、特段突っ込みどころがありません。自他共に認めるくそ意地の悪い跳箱が突っ込みどころが無い、といっているんだから、相当こなれた記事だと言えるでしょう。花丸差し上げます。

各種素材の組み立て方もソツ無く、「google-YouTube(てゆうかgoogle)が著作権のありようを変化させるためにどんなことをやっているのか」がよくわかるようになっています。(そんなん別に狙って無かった?)

さて、補足だけしておきませう。

跳箱はDCMAを盾にしたYouTubeの振る舞いについては以前こんなエントリをあげておいたのですがその後、YouTubeは事後チェックの自動化という方向で低コストに対応する方針をリリースしています。どうもテスト勉強が上手なタイプのようであまり好きになれません。(とはいえ、ここで彼らが挙げている実装方法は映像のマッチングによる検出方法より手軽で漏れが少なく、うまい処理の仕方であるのは確か。でも、無音化されたファイルや音声を差し替えられたファイルには対応できないのでナニな感じ。)

で、そもそも著作権ってなんなのさ、なレベルから復習したい向きはこの辺読んでおいてほしいです。

YouTubeがいままで通り別会社として運営される(そして、日本国内には今後も著作権侵害に関する「苦情の受付窓口」ができない)とすれば、日本のメディア企業やユーザーにとっては、自分たちが生み出したり、視聴したりするものが他国の法律に縛られる(しかも、利害を共にする親会社Googleの日本のオペレーションは存在する)という一種不可思議な状況が続くことになるかもしれない。

との指摘について、NikkeiBPによると、

日本音楽著作権協会(JASRAC)やテレビ局など日本の著作権関連事業者・団体23社は20日、米動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」に著作権侵害の映像の削除依頼を集中して実施、約3万件を削除したと発表した。

ということで、いかにもな状態になりつつある模様。とはいえ、

もう一方では昨日(2006/10/19)の日経朝刊に掲載されていた、

大手放送局が過去に放送し、現在は再利用されていない番組について、どの程度の収益を生み出す価値がある資産なのかを判定する基準を官民が共同してつくる。企業の機械設備の資産価値をはじくのと同じ考え方で、放送局が抱えている「眠れる資産」を他の会社が買い取って活用するなど、2次利用をしやすくするのが狙いだ。市場拡大が予想される他の知的財産の評価基準づくりに波及する可能性もある。

という記事の件もあり一発逆転なるかな感じで注目しておきたい。(つうかこの件、境氏の記事が面白いので詳細はこちら参照のこと)

ちなみに、齎藤弁護士が指摘しているプロバイダ責任法の解釈については、この法律のマトにかけられたTCAテレサ協JAIPAがプロバイダ責任制限法対応事業者協議会という組織を作ってプロバイダ責任制限法関連情報Webサイトというベタなサイトを立てていまして、ここで業界団体としての法解釈、対応ガイドライン等々一式見ることができます。もちろん、法文は法令提供システムで読むべし。

社会常識が変化すれば法律は追っかけで変化するもんですが、社会常識そのものを世界規模で変化させようと本気で考えているんだとしたらgoogleつうのは確信犯の集団です。(と、いまさら書いてみる)つうか、これって実質的にテロなんじゃないかなぁ?

森氏にとって"海外"とはOne Microsoft Way限定か?

2006-10-16 16:56:37 | 通信
他人様が血のにじむような努力をして積み上げ、育て上げてきた市場をタダで欲しい、欲しいんだい、と玉川高島屋南館5Fのおもちゃ売り場で駄々をこねる3歳児のようなエントリにあきれかえったのは二ヶ月前のことでしたが、またも知ったかぶり(ええ、間違いないです)今回のエントリも、相当いただけません。

まず一項目の記述は、二段落目の前半まで単なる思い込みをネチネチ書き綴っているだけで見るべきものなし。このあたりのこと書きたいなら、せめて総務省総合通信基盤局事業政策課あたりにヒアリング(電話して聞くのが恥ずかしいなら最低限ここくらいは読む)してから書くべきでしょう。(つうか、端末だけ見て通信サービスを語るなんてな木を見て森を見ず、ってんです。)そもそもMNP導入に至った経緯やその後のMVNO導入の経緯等等、移動体通信分野における競争政策をきちんと追っかけていれば森氏の主張は的外れとわかりそうなものなんですが...。

続く一項二段落目後半の指摘についても、

海外メーカー製品は、日本のケータイ市場の中ではきわめて特殊な立場におかれることも多い

と、ナゾの主張を展開していますが、(たしかにDoCoMoのHTCやRIM製端末の扱いのぞんざいなことったらない。SBはそれなりに大事にしている)いわゆる、携帯電話フォームファクタの端末については海外メーカー端末でもきちんとラインナップ内に位置づけ()られているので限りなく的外れに近いと言えます。

ほかにも、

海外では一般的なPCとの連携によるスケジュール情報の表示や同期、Microsoft Officeなどで作成されたファイルの閲覧など、「小さなPC」としての機能に優れるなどの利点も存在

などと主張していますが、どの辺の機能がどこの国のどんな人にとって一般的だと主張しているんでしょうか?あたかも日本(と前後の文脈からして韓国も入れておこうか?)以外ではそういった機能が一般的(というからには最低限、当該市場で過半の利用者によって使いこなされているって主張なんだろうね?)な機能として受け入れられていると主張しているらしいのですが、森氏の指摘するような機能を搭載した海外市場で流通している携帯電話、というブツで該当するモノを引き当てるとWindows Mobile 5.0を搭載したPDAしか思い当たるモノがないのです。(Symbian OSも2005年にExchenge ActiveSyncのライセンスを受けてつい最近Sony Ericssonからこれに対応したM600i(かなりかわいい端末だけどカメラ付いてないのとMemorySticMicro対応なところが萎えます。惜しい)とP990iこっちはフリップ付きのPDA、このデザインいまいち好みじゃない)が発売されましたが、まだ出たばっかりで「一般的な」機能と形容するのはかなり無理があります。

森氏は(Windows Mobile搭載、百歩譲ってSymbian搭載の以下同)PDA端末が粗略にあつかわれたのが気に入らないようですが、欧米市場(これ、一緒くたにするのはお勧めしません、まるで違う市場です)でもPDA端末(SmartPhoneのことね)はまだまだ新顔に過ぎません。ちなみに米国のC社の場合、販売中33機種の内、PDAは9機種、1/3強を占めるようにはなっていますが、販売台数ベースで見るとまだまだ少数派です。(調査データはカネ出して買って読むべし)繰り返しますが無意識に「海外」として想定していた米国市場の状況で、そんなもんです。欧州市場はさらにまるで様子が違うのであしからず。(てゆうか説明しだすとえらく長くなるので割愛)中国、東南アジア、西アジア、ロシア、南米、アフリカ等々もちろんそれぞれの事情があるので全部異なる。青柳先生に聞いて御覧なさい。

まさか森氏はMcCarran(ラスベガスの国際空港、CESなどのイベントは収容客室数の関係もあってカジノホテル街で行われている、フラミンゴのスロットは何気に出る!どうでもいい)でタクシー待ちしながらBlackBerryでメール打ちまくっている出展者とビジターの群れがアメリカの平均的な利用者像だ!なんて勘違いしているんじゃないだろうね?

さて、McCarranのタクシー乗り場にうじゃうじゃいるように見えるBlackBerry使いだって、実は世界中あわせてたったの550万人しかいない。米国の携帯電話利用者全体(1.8億台/2005年)から見ればほんのわずかなもんです。Windows Mobile使いはもっと少ないのでまだまだ少数派なのです。アンダスタン?

むしろ、日本や欧州の市場を日本人が感心するような精密さで調査した北米キャリアが、事業価値の流出につながりかねないPDAフォームファクタ端末を取り扱っている事情について考察しておいたほうがいいんじゃないかな?

何回か指摘したと思うけどファンダメンタルが違えば適切なマーケティング手法は違ってくるんだよ。

蛇足だけどこの項について指摘しておくと、そもそも森氏って他人に語れるほどにはネットワーク(というか網、というかそもそもクライアント・サーバモデルもか?)を理解できていないんじゃないかと疑われる記述が以下の一文。

PCに接続した際のデータ通信は、使えたとしても通常のパケット料金割引の対象にはならないケースもしばしば

素直に読むなら、携帯電話から自宅(またはオフィスの)PCにVPN接続するケースを指すように思われますが、おそらく森氏の主張は、

1:携帯電話にプリインストールされたブラウザから、携帯電話のパケット通信サービスを経由して、
2:iモードサイトやEZ Webサイトに接続するならば定額サービスの対象となるが
3:パソコン向けにチューニングされたサイトにアクセスすると従量通信料金が課金される

ことを指摘しているのではないかと思いますが、パケット定額サービスの料金を適用するための条件は約款上明示されているんですから、携帯電話からのアクセスを伸ばしたいWebサイト運営者が自社のコストで対応するための対策を施せば済む話です。携帯電話からのアクセスを認めるフリーダイヤル番号設置者とそうでない設置者がいるのとおなじことでしょう。

まあ、いいや、次にいこう。

二項目、表題のパンドラの箱って部分に直接かかる垂直統合事業モデルのほころび(と、森氏は言うが、サービスのコモディタイズ=陳腐化に過ぎない)として、勝手サイトへのアクセスの増加とフルブラウザによる俗に言う一般サイトアクセスの増加を指摘しているけれども、この点、前項で森氏が指摘している点と主張が齟齬をきたしている。どうもよく理解しないで書いているらしい。

4:現在の価格設定であればパケット定額サービスを新規に契約してもらったほうがデータARPUは高くなる
5:パケット定額サービスを契約してもらうためには利用可能なコンテンツ数が多いほうがよい
6:ただし、自社の網に過度の負担がかからない範囲であれば

したがって、(公式・勝手問わず)iモードサイトに対するアクセスであれば奨励できる

のが(たとえば)DoCoMoの立ち位置でしょう。

そもそもDoCoMo自身、バケ・ホーダイを発表した2004年時点にすでに、

「定額制を入れるとその分は下がる。単にトラフィックに依存しないで、新たな収入源を探す」
 新しい収入源は、同氏が「リアル連動」と呼ぶ外部機器との連携に求める。徐々に赤外線や非接触ICチップ──FeliCaなど外部インタフェースの搭載を進めてきた同社だが、通信とトランザクションなどを組み合わせて「新スキームで新ビジネスを始める」(立川氏)目論見

とITMediaで当時のDr.立川社長のコメントが記事になってます。この2年間の歩みを見れば有言実行してますね。偉いなぁ。

なので、

iモード開始以来隆盛したコンテンツプロバイダという、ケータイ産業生態系を形成する数多くの事業者の没落を招く

なんて、予言になってないのです。2年前にすでにDoCoMoのトップによって公言されていた方針転換の結果が現在なので、もし、本当に没落している事業者(連結ベース、モバイル単独は売上減ってて当たり前)があるならその会社は退場するべくして退場に向かっているといえるでしょう。(ざっと見たかぎりそんな会社無かったけど)

で、木を見て森を見ず、ネットワークサービスとはなんなのか?が根本的に理解できていないらしい森氏は、

ケータイキャリアはICチップを利用した電子マネーやカードサービスなどの導入を促進させているものの、それらは基本的にケータイ電話そのものに還元されうる訴求価値である限り、その効力はあまりない

と、FliCaベースの決済系サービスなどを"携帯電話端末が提供する価値"であり、ネットワークサービスが提供する価値ではないと主張していますが、これが大きな間違いであることはPOSやクレジット系のサービス開発をした事のある人ならすぐにピンとくるはずです。(認証系全般そーだなぁ)

森氏にはどうも理解はおろか想像もできないみたいですが、現在の移動体通信サービスおよび周辺業界はまさに、

より現実の世界と仮想の世界を、(公式とか勝手とかにかかわらず)つなぐことによる価値を提供することにシフトすることを真剣に考え

考えただけじゃなくて実行に移しているところだといえます。

P.S.
森氏が愛してやまないらしいWindows Mobile 5.0搭載の国内事例、WillcomのW-Zero3については2006年度にシリーズ全部で50万台の販売を目指しているんだそうな。日本の携帯電話市場はざっと9000万台、24ヶ月で更新されるので、年4500万台、少なく見積もっても4000万台市場なのに、です。

森氏が知ったかぶって描いて見せた携帯電話サービス市場の将来変化については、森氏が説教をたれた当事者であるDoCoMoが設立したモバイル社会研究所が、携帯電話サービスの変容とその将来に関する調査研究、というワーキングペーパーを発表しています。(ほかにも多数面白いレポート、論文があるので参照されたい)

つうか、森氏、レイヤーも粒度もバラバラなことを一緒くたにフィーリングで書く癖はやめて欲しいです。ほとんど突っ込みようも無いほど散乱した文章の問題点を指摘するのは結構難しいのです。

ウォルマート、ごねる。

2006-10-14 02:10:04 | メディア
iTune Storeでビデオをノンパッケージ販売されたら商売上がったりであるからDVDの卸値下げろゴラァ、と凄んでいるらしいんでちょっと検討してみる。

まず、問題の発端になったのは、2005年10月13日に発表された第五世代iPodによるPodキャスティング。これが例のロケットブームとかのプチ起業を誘発したわけです。

こやつの映像廻り仕様は、

映像の記憶容量は、H.264 750Kbpsビデオと128Kbpsオーディオを組み合わせたファイルサイズ

なんだそうで、これはiPodに搭載されている液晶パネルの画素数の制約(つうかコスト制約の方が大きいだろうなぁ)と米国の「ブロードバンド」回線の帯域制約によるところが大きいだろう。

ちょっとわき道にそれるけどPEWによると(P10-11よく読む)米国のブロードバンド世帯普及率は今年やっと40%を超えたところで、これまで常時接続の主役だったケーブルTVをDSLがやっと抜き去ったところなんだけど、この"DSL"が曲者で、日本のADSLで主流の(理屈上)47Mとかいった下りのサービスはまずお目にかかれない。

大手はAT&T(つうかSBC)とVerizon、上位5社が9割以上のシェアを占める市場(この段、ソースは別の資料なんだけど有料なんで伏せとく)で、実際のところどんなサービスがあるのかというと、

AT&Tは、
下り384Kbps~1.5Mbps/上り128~384Kbpsの月額$19.99と
下り1.5~3.0Mbps/上り384~512Kbpsの月額$24.99
の二本立て。

Verizonは、
768Kbps以上の月額$14.95と
3.0Mbps以上の月額$29.99
の二本立て。

うーむシンプル、どちらももちろんベストエフォート、てゆうか、遅い...。

つう環境だと、リアルタイム伝送で下り1Mbps要っていう仕様はかなり頑張ったスペックだってことがわかる。(これ以上デカイファイルを受け付けるようにしても伝送できないんで意味が無い)

さて、

じゃあ、この1Mbps伝送なコンテンツなんですが、ITメディアの記事によると、

ダウンロードされる映画の容量は2時間で約1.3Gバイト。Appleは、5Mbpsのブロードバンド環境なら30分でダウンロード可能としている。解像度は640×344ピクセル。

Appleのニュースリリースによると、

DVD品質に近い640×480(アスペクト比により最大480p)の解像度でダウンロードされます

要するにかなり小さい。つうか、跳箱は2Mbpsコンテンツ以下は画がカクカクするので嫌いです。つうか、平均1Mbpsコンテンツなんだから5Mbpsで伝送すれば120分の1/5で伝送できるのは当たり前(てゆうことは厳密には25分)。てゆうか、そんな回線が引き込まれている家庭、米国にはほとんど無いんですがどーしろと?つうか、2時間の映画を見るために2時間かけてダウンロードさせるって、インターフェースとしてどうなん?利用実態調査したいなぁ。

ちなみにDVDは解像度720×480でMPEG-2、ビットレートは最大9.6Mbps。(いまや古臭い仕様だよね...。)跳箱は最近はデジカメでビデオを撮るときですら、1280×1024、15fps(1分あたり100MBくらいになるけど)に慣れてしまっているのでDVDやiTunesの仕様は物足りない。ましてリビングのHDTVにDVI経由でPCを接続してVoDを表示すると画質が気になって仕方が無い。(目が慣れてしまうから低画質でも平気、とのたまっている御仁を時たま見かけるけど、どーゆうメンタマしてんすか?と聞きたくなる跳箱は神経質なんですかねぇ)米国もいまやHDTVブームだし。とと、それはさておき。

話を戻すと、

米アップルコンピュータと米娯楽大手ウォルト・ディズニーが9月に始めた映画のダウンロード販売が、ハリウッドを揺るがせている。世界最大手のウォルマートをはじめ小売業界が「DVDが売れなくなる」と一斉に反発

している件、そもそも、

DVDは卸値17~18ドルに対し小売価格は16~19ドル

のなぜなんだ?な逆ザヤ商売。たしかにFry'sなんかに行くとそんな値段で売ってたっけ。でも安売りしているタイトルって、つまらなさそうな、いかにも売れそうに無いやつとか、古いやつとかばっかりだったような気が...。(そういえばBlockbusterはどーなったんだ?)

なんにしても、そもそもDVDを売ってもFry'sは儲からないらしい。(いや、儲からないといっているのはガメツイんで有名なウォルマートだけど)

一方、

ダウンロード販売の価格はわずか12ドル99セント

と価格差を強調しているけど、価格差は$18-$12.99=$5.01。ノンパッケージで画質はチョイ落ちで、しかもダウンロードに映画の上映時間とおなじだけ時間がかかる。(2006年時点)その代わり5ドル安い。(ただし、通信費とか、家計費に占める固定費と償却費負担は考慮に入れない)トレードオフとしては妥当な線で、当面、セルDVD市場の10%くらいがスイッチできればイイ線なんじゃないだろうか?

ちなみに、

ブルームバーグによると米ソフト開発のソニックソリューションは、店頭で来店客が選んだ映画をダウンロードし、DVDに焼き付けるシステムを開発した。陳列棚を大幅に縮小できる上、DVDパッケージの4分の1のコストで済む

と、いうことなんで、平均として$18の仕入れ(在庫)コストが$4.5に落とせるらしい。ただし、来店してDVD焼き焼きしている間お客さんに待ってもらう必要あり。ライブラリを店舗じゃなくて地球のどこかのセンターに集約するとすると店舗とセンターの間の伝送コスト(時間含む)がまたも発生するけど。どこからどこまでのコストが1/4になるのかよくわからないなぁ。(在庫コストは圧縮できそうね)

さて、こうしてみてみると(ってどうしてみるとだ?)、跳箱的にはウォルマートの言い分はどうもゴネられそうなときにゴネているだけな感強し。

問題が起こるとしたら、

1:エンドユーザーは忍耐強く上映時間と同じだけのダウンロード時間を費やしてでもビデオをダウンロード購入する
2:リビングでHDTVに映画を表示するときもiPodの小さな画面に最適化された低解像度の映像で満足してしまう
3:来店客はDVDを買うついでにウォルマートで他の買い物をしているのであってウォルマートで買い物をするついでにDVDも買っているのではない

なんつう現象があったことが確認された場合だと思うので、これからの市場動向をじっくりヲチしていこうと思いますっ。(いや、たしかにほかにもいろいろなケースあるけど全部書く必要ないじゃん)

HDTV×iPodという視聴スタイル対決には何気に関心あったりするし。

健忘症、または調査不足、最悪は手抜き。

2006-10-13 11:33:06 | 収集品
本格的に第二次(かどうかは不明な)ネットバブル突入の気配を感じて悪寒がとまらない跳箱は朝っぱらから会議したおかげでご機嫌斜めです。

機嫌が悪いところで今日最初の生贄な記事はこちら

オンラインカレンダーサービスは「次のキラーアプリ」とも言われており、2005年末以降、国内外を問わず複数のサービスが公開されている

と、ログリー社を紹介しているんですが、跳箱的にこのログリー社自体に噛み付くつもりはありません。普通にがんばってほしいところですし、コラボレーションツールをB2C提供するって観点から見て招待制でコアユーザーを育てようとしているところなんか好感が持てるくらいです。(ほんとのところ、会ったことがあるわけでもないので、この人たちがどういうつもりでやっているのかはわかりませんけどね)

噛み付きたいのはこの記事を書いたCNET編集部の岩本くんの方で、"2005年末以降~"といういい加減な書き方がなんともプロらしからぬあいまいさであるとアカ入れしたい気持ちでいっぱいいっぱいな感じです。つうか記事広告なら記事広告ときちんと断るべきだと思うよ。

2005年末以前にはカレンダーサービス無かったんか?ちゃんと調べたんか?どーなん?と小一時間ほど問い詰めたい感じです。

実際問題、跳箱が記憶しているだけでも99-00年当時に少なくとも5~6社がサービス提供していたし、たまたまではありますが、当時のサイトのひとつについてはスクリーンダンプが手元にあったので証拠物件としてハリコしておきます。(いやー、証拠能力低いなぁ)その名もwhen.com(それにしても凄いドメイン名だなぁ。いまだと幾らするんだろう?)といってダンプ取った時点ですでにAOLに買収されていました。今のAOL Calendarはその成れの果てだと聞いたことがありますが真偽のほどは不明。

要するに昨今の成金話によく似た展開(当時のAOLはスゲー金持ちだった)なんですが、6年経っているにもかかわらず(というか6年経ったからかもしれませんが)、当時とまったく同じ台本で踊る人がうじゃうじゃいることにゲンナリ感は増すばかり。

+6億ドル

2006-10-10 17:46:36 | 連絡帳
今朝、10億ドルで落着するだろうと書いたら大方の予想通り16億ドルで落ち着いたとの報道

うへぇ、マジかよ?

年3.3億ドルかぁ...。

googleのPVはこんなもんで、YouTubeのPVはこんなもん。25:9ってところ。

googleの2006/Q2の売上はこう

計算合わないな。ライツホルダとの交渉材料仕入れた、ってことなんだろうか?

なんにせよまいった、まいった。

実体経済はスケールフリーしない。

2006-10-10 13:42:25 | 連絡帳
孝好氏essa氏に噛み付いている件について。

シフトチェンジでもなんでもいいんですが、essa氏の議論の出発点である引き算とか足し算の話はそもそも成立し得ないんでそこんとこよろしく。

たしかに巷には、広告出稿量と認知率、購入意向率の関係は相関するんで広告をジャンジャン出せば商品がジャンジャン売れるんです、みたいな言説が流通しているけど、産業連関表(から引っ張ってきた数字も含めて関連数値がまとまっている経産省のチョイ古資料はこちら)で見ても広告業での100億円の需要発生は他産業に対して222億円の需要を喚起するに過ぎないので、essa氏が言うような規模のバカでかい梃子は働かないでしょ。

そもそも広告の露出量が一定限界を超えたら消費者の認知を得られなくなる飽和状態に陥る可能性もあるし、一定限の条件を満たしたら標準以上の効果をもたらしたりする可能性もある。そもそも広告の効果を過大評価しているんじゃないだろうか?ビデオリサーチだってもうちょっと控えめな報告(登録しないと見えないかも)しているよ。

YouTubeに持続可能な(エンドユーザーに直接の費用負担が要求されない)商売を付与することによって現在享受しているサービスを利用し続けられるといいなぁ、な願いをかなえてくれる四次元ポッケ(これ、まずいんだっけ?)に広告産業を見立てるのはかまわないけど、そんな都合よくいくわけないじゃん。(.comバブルは広告依存モデル事業体の大発生と淘汰の歴史だったことを思い出そうよ)

YouTubeのビジネスモデルは事業売却という名のババヌキかもしれないし。(強く肯定)


10億ドル

2006-10-10 10:09:41 | 連絡帳
とりあえず、決まるとしたらこのあたり(なんだが)。

とはいえ、コレで時間を買えてるのかどうかはナゾ。

ともあれ、よく考えてみたらgoogleほどwebサービスのデューデリやるのに有利な会社も珍しい。うらやましい限り。