跳箱

跳び箱でも飛箱でも飛び箱でもとびばこでもいいけどそこはそれ跳箱なんです。体育日和のお供にどうぞ。

こちらに注目。

2006-11-30 13:32:34 | メディア
CNETの読者ブログは、なんだか自己宣伝臭がキツくて読む気を誘わないのがアレだなと敬遠していたのですが、1978年生まれのmotomoto氏の若輩エンジニアが素朴な目で見る先進技術は地味にいい味出していてお奨めできます。てゆうか今気づいた。

基礎をきちんと固めつつ論考を進めようとする態度に好感が持てます。2010年のお宅訪問シリーズが良いね。

このシリーズで挙げているポイントを突破するためにどんな動きがあるのか、どの動きが有望か、自分だったらどう突破するか、なんて書いてくれるとわくわくしてきそうな予感。

それからNGMNのエントリも丁寧でよくまとまっていますがもうちょっと自分を出してもいいんでないかと。跳箱的にはmotomoto氏がSprint NextelがWiMaxをもって4Gと称している件とNGMNとの絡みについてどう推理しているのかなんて読んでみたい気がします。(技術の話じゃないけど、motomoto氏が読者ブログをはじめたきっかけとはリンクするっしょ?)

期待してます。てゆうか各位一読されたし。

鎌田氏喜ぶかもしれないけど時代錯誤臭がするぜ。

2006-11-30 00:07:44 | 通信
IDCによる

show that interest in WiFi access and location-based services are highest in the U.S. and U.K., while storage capacity, music quality, and photo quality are the highest in Germany, India, and China.

であるという。ローコストで広帯域の伝送手段への関心の高い市場と端末単体で利用できる機能への関心が高い市場という色分けが示されているが利用者のプロファイルがわからないのでなんともツッコみにくいのがアレです。

続いて、

monthly average revenue per user (ARPU) rose everywhere except Germany as survey respondents switched from traditional mobile phones to smartphones.

ということなんですが、(以前、森氏に匂わせたことがありますが)リスクを回避=価値流出を容認してまで得た利得がスマートフォンユーザーARPUのささやかな増大に留まったのだとしたら、これら市場におけるボトルネック独占の機会を当該市場で事業展開しているキャリアは永久に失うことになる可能性があると考えます。(てゆうか、手数料30%も取ってたら公式コンテンツ市場育つわけ無いし)

ここはもう宗教論争になってしまう可能性があるけど、

IDC also believes that customer experiences and satisfaction levels related to operating systems (OS) are emerging as a competitive differentiator and ARPU driver over mobile phones, especially as a wider segment of both business and consumer subscribers are adopting smartphones.

この主張についてはかなり強く疑問符を付けたい。鎌田氏は喜びそうだけど、IDCはそんな、ん十年前のMicrosoft勃興期のモデルがいまさら繰り返されると本気で考えているのだろうか?IDCのフォーカスエリアから見ると、まるでPC市場の勃興期のように思えるのかもしれないけど、Informaovumの連中が聞いたらまるで違う視点を提供してくれると思うよ。てゆうかなんていうのかぜひ聞きたい。てゆうか聞いてみよう。

なにはともあれ、CESに合わせてWynnで朝飯会やるってことらしいので早起きして覗いておこう。楽しみがひとつ増えたからまあいいか。

P.S.
この件を取り扱ったCNETの記事がなんともお粗末。新人の練習原稿みたいなやっつけ仕事でいただけないです。リリース丸写しじゃん。

3年ぶりの個人情報保護世論調査

2006-11-29 04:56:05 | メディア
個人情報保護法が完全施行されてから初めての個人情報保護に関する世論調査(内閣府)が今回は集計表付きで公表されたとのこと

実は跳箱は3年近く前、お前暇だろから取ってこい、と言われてCPC資格取らされてたのはここだけの秘密です。跳箱は実務が嫌い(というかめんどくさい)なので現場に出たりしませんが、一応、プライバシー廻りの調査データが更新されたってことでチェックしておいたぞと。

前回調査は平成15年9月で、法(部分)施行の4ヵ月後。クラスの連絡網とかプリントして配るのまずいんでは?等々ナゾな反応を呼んでいた時期です。

今回調査は、平成18年9月できっちり3年経ってます。罰則規定等も平成17年4月から施行されていて、完全施行の一年半後となかなかチャーミングな調査タイミング。

この間、ソフトバンクBBによる大規模個人情報漏洩事件はじめうんざりするほどの個人情報漏洩関連事件・事故が起きてますから、法の認知度が高まっているのは当然といえるでしょうが、出てきたデータの値が順当過ぎて突っ込みようが無いのが難点です。

なんつうか、こう、日本ネットワークセキュリティ協会の情報セキュリティインシデントに関する調査報告書みたいな刺激的なレポートを期待してたんですけどね。

googleあれこれ、またも。

2006-11-28 22:04:39 | メディア
先日もgoogleのEric Schmidt氏が他人の商売にケチをつけていた件について書いたけれども、今週はgoogleのHead, Special InitiativesなChris Sacca氏が、

携帯電話会社がGoogleに対して、「Google Maps for Mobile」にユーザーをアクセスさせないよう申し入れてきた

Silicon Valley Comes To Oxfordにてぶちまけたとのこと。

いわく、

、「携帯電話会社数社から『顧客がこういうものをダウンロードできないようにしてくれ』という趣旨の文書を受け取った」

"we've been getting notes from some of the telco carriers who are saying 'look, you need to stop our customers from downloading this thing'."

なんだそうで、100%Sacca氏の云うとおりであるならさっさとABAなりFTCなりに話を持ち込んで「悪の」携帯電話キャリアを懲らしめてやればよろしい。なんせ、文書という動かぬ証拠まであるというのだから、なにを躊躇する必要があるってんでしょ?

社を挙げて携帯電話キャリアにケンカを売るべし、と本気で考えているなら、学生相手(出席者は学生に限らないけど...。)に吠えていないでさっさと行動すべし。そもAntitrust lowてなんだ?という向きは、まずは、このあたり読んでみるべし。さらに踏み込んで勉強したい向きは、

米国独占禁止法―判例理論・経済理論・日米比較

信山社出版

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なぞ読み(この本高いけどね)つつ、改正成った独占禁止法について研究会報告書とか読み返しつつ、押さえておくとよいでしょう。

同パネルディスカッションでは、LinkedInのCEO、Reid Hoffman氏も、

「一般IPや開放型プロトコルが携帯電話を取り込むのは必然で、そうなるのも時間の問題に過ぎないと思う。『ダムがいよいよ決壊しかかっているのに、そのままそこに立ちつくしているつもりかい?』という感じだ」

"I think it's inevitably just a matter of time before general IP and open protocols get to mobile phones. And it's like 'are you sure you want to be standing there when the dam finally goes down?',"

と便乗してなにやら意味不明の煽りを入れていた模様。

どうもこの方たちはNGN(FGNGNTISPN参照)もIMSもご存じ無いようです...。携帯電話キャリア(固定もね)の網は着々とIP化を進めています。それが従来の野蛮なインターネットとは似ても似つかないもので、野蛮なインターネットに最適化した事業モデルを構築してきたgoogleなどにとって息苦しいものだったとしてもIP化には変わりないです。あ、その点について今回文句言ったのはLinkedIn社でしたっけ?

元記事では「But」、CNETの翻訳記事でも「ところが」と、さも不思議そうに、

VoIPは携帯電話業界にとって大きな脅威ではない

とのVodafoneのBobby Rao氏のコメントを扱っていますが、なぜ、Rao氏がこのような発言をしているのか理解できない向きはインターネットや、そもインターネットを支えている電気通信網というものを理解せずにインターネットを語っているかなりの困ったチャンであろうと思われます。跳箱にかつて突っかかってきた各氏(もともとは跳箱がつっかかっていったともいう)もこのあたりよく理解していなかったがために足腰の脆弱な議論になっていたのを思い出します。(このあたり読むべし)

そも、Skypeなどの欧米の野放しなVoIP事業者はまっとうな電気通信事業者ならどこでもちゃんと対応している911(日本で言う110番と119番を併せたもの)に対応していないとか、災害時などの優先呼制御等々、社会インフラを構成するサービスというにはあまりにお粗末なシステムしか持ち合わせていません。以前CNETにインタビューを受けた際もほとんど開き直ってましたっけ。

ちなみに日本のIP電話は総務省がIP電話を認める際に0AB-J番号や050番号(昔はPHS用の番号空間だったなぁ)の付与に条件を設けたのでSkypeのようないい加減なサービスはあまり見かけない。(ちなみにテレサ協が公開している番号申請の手引きはこちら。当時はこんな便利なもん無かった。)

災害時の信頼性なんて考えたこと無い、とか、緊急時に救急車を手配することもできない、なんていういい加減極まりないサービスと現在の携帯電話を置き換えたいという御仁がいらっしゃるなら、今すぐ既存の携帯電話キャリアとの契約を解除して、ソニーのmylo買って、フリーのホットスポット探して使えば?NETGEARのSkype WiFi Phoneでもいいんじゃない?

携帯電話キャリアのサービスは閉鎖的で問題であると息巻く個人なら、携帯電話事業者に文句を言ったり、携帯電話事業者に文句を言っているだれかの尻馬に乗るのではなく、かつて閉鎖的だったAOL(日本だとNifty)を、The Internet(とその利用者達)が「フリー」なネットワークを旗印に利用者を集めて凌駕して行った様に、携帯電話キャリアお仕着せの端末を捨ててSkype WiFi Phoneなどのより「フリー」な端末を使うことによってキャリアに反旗を翻し、屈服させるのが正しい抵抗の仕方というものでしょう。

ましてや下手なキャリアより時価総額が大きいgoogleほどの会社なら、携帯電話キャリア買うなり、MVNOになるなりして、携帯電話をタダにするなり、なんなり、自身でやればいいわけです。他人の商売に公然とケチをつけているんですから、当然、google様の方が上手に、携帯電話キャリアを運営できるという自信がおありなんでしょうし。

googleあれこれ、やっぱり。

2006-11-20 11:19:55 | メディア
先週、CNETの坂和氏がEric Schmidt氏は「携帯電話はタダになってしかるべき」と発言したとReutersが報じていると報じた件について。(激しく又聞き)

要するに自前で端末と網を握って顧客管理して認証して決済している移動体通信事業者はうらやましいので移動体通信事業者の比較競争優位をぶっ壊して根無し草なgoogleにとって競争しやすい市場に作り変えたいとの決意表明(多分に観測気球の感強し)であるのでどうでもよろしいと切って捨てておきませう。

ついでに、

Googleでは現在、ユーザーデータの「ポータビリティ」実現も検討している

としている点について、google Checkoutの件でも指摘した(つうか他にも何回か。しかしどこで指摘したか忘れた)ことがありますが、結局google的に、

個々の利用者にとって有効なオントロジーを組み込んだセマンティックWebを実現するためには個人認証が欠かせないから個人弁別可能な認証スキームを組み込んだ(というか認証スキームの組み込みが利用者にとって納得性の高い)サービスを構築して、あわよくば広告収益以外に実体経済におけるマネーフローに食い込むことによって収益機会を増やす

というシナリオを実現するに当たってシングルドメインシングルサインオンに基づく自社に都合の良いビジネスフローを構想したけどどうもうまくいかないのでフェデレーションモデルに切り替えてみようかと考えはじめた、ということらしい。

で、やはり、自社が上下分割を命令されるリスクは意識しているようで、

「データを人質にとるべきではない("Data should never be held hostage.")」というSchmidtは、法律によって義務づけられる前に、先回りして「(データに関して)番号ポータビリティに相当する選択権を各ユーザーに与えたいと考えている」

としおらしいことを云ってみたりしています。が、googleがのどから手が出るほど欲しいだろう移動体通信事業者(というよりキャリア全般)が持つ厳密な個人情報とgoogleが保有しているだろうところの検索行動などに関する個人の情報行動に関する情報がなんらの検証手段も担保されないままに紐付けて運用可能になるなどあってはならないことでしょう。

Eric Schmidt氏の発言は2006/10/04にID-WSF2.0が公開されたことなども影響しているのかもしれませんが、ISMSやITIL普及が一定限度進んだタイミングでなければ現実的なソリューションとして機能しないでしょう。

ちなみにチープ革命なるものが進行しているから、旧来のシステムのようなガチガチの作りこみは無意味などと主張している向きもありますが、サービス品質が下がってしまったらそれは単なる退歩でしかありません。そも、梅田氏の文脈から離れてるし)現用の金融や通信系システムが提供しているサービス品質を落とさず、置き換え可能な「チープ」な技術をもって利便性の向上を安全に実現してこそ、でしょう。この点から見て、現在のgoogleにgoogleが主張するようなサービスの担い手としての実力が十分に備わっているとは考えにくいところです。

もう一方で、

「Google、Yahoo、Microsoftは本日、「Sitemaps 0.90」のサポートを発表した。これは検索エンジンのウェブ巡回プロセスを向上させるための、初めてのオープンな取り組みである。ウェブサイトの所有者は自分のウェブサイトに関する情報を検索エンジンに通知し、これまでより包括的かつ効率的にインデックスに情報を無料登録できる。その結果、検索インデックスへの登録内容もより適切なものになっていく。一方、利用者には、品質がより高くて、より新しい検索結果を提供できるようになる」

と、報道されている三社提携の件を見ても1990年代後半から2000年代初頭を彩った登録数競争が過去のものになったことが確認できます。要するに、従来活用していた比較競争優位(googleだってかつては登録ページ数を自慢していた)の源泉が枯渇しつつあり、新たな比較競争優位性の獲得が切実に望まれているわけですが、従来型のインターネットに過剰適応しているgoogleに次代の検索(と呼ぶのかどうかナゾですが)サービスの主役が務まるか疑問が湧きつつある今日この頃です。

予想外の件、あれ、安くないです。

2006-11-13 17:26:26 | 通信
先日、予想外割引を発表した孫氏(個人的にはキライだけどあのキチガイっぷりはいまどき貴重と感じる今日この頃)の新料金プランについて、あまり考えもせず好意的に書いてしまったのが引っかかっていたところにCNETの永島氏ががんばってそれって安いのか?と切り込んでいるんだけどいまいち歯切れが悪いのが気の毒になったんでちょっと他のエントリの続きを書く前にちゃっちゃとやっつけてみる。(て、仕事しないでなにやってんだか...。)

永島氏はエイヤで5000円ケースなるものを想定しているんだけど、これじゃうまくいかないはず。

まず、いまさら生まれて初めて携帯買うんですな新規加入者はレアなパターンなので除外して、Vodafone(ことによったらJ-Phone)時代からのユーザーが料金プランを乗り換えるケースと、一部で騒ぐ輩のいるMNP(利用実績はいまのところ全利用者の0.1%程度だが)を利用して他キャリアから嫁いでくる乗り換えユーザーのケースの二つを考えることにする。

まず、料金プラン乗り換え検討組(ちなみに跳箱は藤原紀香姫のオミアシなCMに乗せられてドルフィンを使い始めた口、さすがにデジタルホン時代は...)から行ってみよう。

ソフトバンクはVodafone時代の2005年6月で月次ARPU公表をやめてしまったので使えるデータは四半期単位のものしかない。2006年1-3月の総合ARPUは5672円となっているが、プリペイドARPUははずしてポストペイドだけにすると、6042円になる。非音声ARPUは31.5%となっているので、音声(基本料込み)ARPUは4138.77円となっている。Vodafone時代になってからの料金プランではあるけど最低価格の料金プランはライトコールパックの3500円、ハッピーボーナスは付いていたとして、3年目割引率30.8%を適用すると2772円が最低支払い額での利用者。これを下限にして6042円が平均になるようにべき乗分布させると...、おろ?全体の55%は最低料金パック分しか使ってないはず、などと出た。ビデオリサーチの資料(本文のP6あたり)の数値と近いから、まあ、こんなもんか...。

超過分の従量通話料は21円/30秒なんで、従来のバリューパックの料金相当(昼42円/1分、夜31.5円/分どちらも税込)なのでこんどのプランはあまり魅力がない。ソフトバンク顧客にばかり電話するならメリットもあるだろうけど日本の携帯電話利用者はドコモ55.5%、KDDI28.1%、ボーダフォン16.3%(これに書いた)なので、アドレス帳に10人載ってたら8人はソフトバンク以外の携帯電話の利用者だと思って間違いない。(コミュニティにおけるロックイン発生の可能性については別途検討の価値あるけどね)

すると、以前の料金プランでバリューパックシルバー契約3年未満の利用者でソフトバンク携帯に確信犯的に掛け捲っている、といった特殊な層でないと料金変更のメリットは小さい可能性が大である。となるなぁ。普通に考えて特にグループを意識的に形成していない場合8割を超えるはずの他者向けの通話料金が旧バリューパックシルバーなら、昼31.5円/夜21円/分、ゴールドなら昼21円/夜15.75円/分以下プラチナ、プレミアと安くなっていく。新しい料金体系では42円/分換算なので、25%も従量通話料が高くなる。ソフトバンクの現在の音声ARPUは前述したように4138.77円なので、この音声ARPUに合う旧料金プランバリューパックの基本料金ハッピーボーナス3年目適用して2699円に減額すると、従量通話料は1440円となるので、従量通話料金昼料金97%の夜料金3%の構成比で割ってみる。なんでかというと平成16年のデータだと、携帯電話のトラヒックは当時のVodafoneでいう昼料金時間帯(07:00-01:00)が97%を占めるから。要するに、約34分33秒従量通話で話していたことになる。(ちなみに音声ARPUにはオプション月額使用料は入っていないと仮定しているんだけど、これ、900円くらい付いている人たぶん多いはず。まあいいや。)
新しい料金体系だと、84%が他社向け呼で課金対象になるんで、従量通話70課金単位(30秒課金だから)のうち59単位1239円が課金されることになる。バリューパック契約の場合ならソフトバンク携帯向け通話が人並みにあれば16%くらい従量通話料金が下がる計算になるけど、バリューパックシルバー以上の場合は請求総額は高くなる可能性が高い。あれま。

ところでTCAの加入者数データを時系列に読めば、継続利用者数の分布は概ね決められる。デジタルホンとデジタルツーカーだった時代からこの会社はざっと月次145000人平均で利用者を増やしてきたのに2004年3月に念願の1500万人の大台に乗せてから高原状態に陥ってしまって伸び悩んでいる。ちなみにJ-PhoneからVodafoneに変わったのが2003年の10月なので、利用者数の観点から言えばVodafoneによる経営は失敗だったといえる。(どうでもいい...。)話を戻すと、2004年3月までの利用者累計については他キャリアと同等の年次1%のチャーンレートを適用し、2004年4月以降については、新規獲得は従来どおりできていたと仮定してざっと年次12%(なんじゃそら)のチャーンレートを設定して分布を求めると、とりあえず、結果は一致するのでまあいいやで採用。(ほんとは、最低でも長期利用に対する基本料金割引のインセンティブ要因を補正してあげる必要があるんだけどめんどくさいからパス)すると、2005-2006の二年分についてちょっといびつになった正規対数分布がえられる(ハズ)。平均利用年数は5年弱と出た...。よっしゃ、これならハッピーボーナス3年つけて計算しても贔屓したことにならない。

なんとも、検討するほど、この(想定外割)料金プランはちゃんとソフトバンクのARPUがいままでより高くなるように計算されつくしているらしいことが判ってきた(様な気がする)。たぶん、上位20%の利用者は得をすることになると思うけど200分とか制限かけてたところにミソがありそうだなぁ...。(また今度気が向いたら検討してみる)

てなわけで、他社から乗り換えのケースについてはバカらしくなったので検討するのやめます。てゆうか跳箱は料金プラン変更しません。以上。

P.S.
ソフトバンクからクレームきたらどうしよう?てゆうかみかかの鉄人、今こそ甦ってほしいよ。

日本人の情報行動2005 ざっと読み

2006-11-13 11:15:55 | コミュニケーション
待ちに待った日本人の情報行動2005(今回の表紙は赤地に白抜き文字だった。跳箱はなんか黄色に黒文字の予感がしていたのだけど...。)が届いたので早速ざっと読み。

うーん....。

昼飯食いながらちょっと考えてみる。また後で。

-2006/11/19/06:55追記-

ほぼ一週間放置していたらAmazonの準備もできたようなのでとりあえずリンク張っとく。

日本人の情報行動 (2005)

東京大学出版会

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針小棒大(もう携帯のこと書くのやめたら?)

2006-11-12 11:27:12 | メディア
よみ:しんしょうぼうだい
意味:〔針ほどのものも棒ほどに大きく言う意から〕物事を大げさに誇張して言うこと。
出典:goo辞書(三省堂「大辞林第二版」)

前回エントリの今回のエントリの内容を考え合わせると森氏にこれほどふさわしい四字熟語はないんじゃないかと思う日曜日の朝であります。

11/08付けGfK発表のデータをCNETが報じていますが、これ、母集団が家電量販店のPOSデータだけなんで、市場全体を代表しているとは到底云いがたいものです。で、CNETの記事ですら、当該週の家電量販店における端末販売シェアの話として取り扱っているのですが、森氏のエントリでは、読み方によっては携帯電話契約数シェア全体が大激動したかのような取り扱いとなっています。これは非常にアンフェアな書き方でしょう。

そもそも、携帯電話契約数の全数データはTCA(社団法人電気通信事業者協会)が毎月発表しています。10月末の事業者別契約数はドコモ52,143,700、KDDI26,603,100(沖縄セルラー、ツーカー含む)、ソフトバンク15,330,800で合計すると94,077,600件でシェアはドコモ55.4%、KDDI28.3%、ソフトバンク16.3%。ちなみに9月のシェアはドコモ55.5%、KDDI28.1%、ボーダフォン16.3%でほとんど変化はありません。

もっと云うと、前年同月の携帯電話契約数は89,365,200で、この一年間で純増数は4,712,400。森氏が崇めるGfKによると2006年の携帯電話販売台数は4655万台(出典:日経マーケットアクセス)になる見込み。つまり、乱暴に言ってしまえば携帯電話販売台数に占める純新規の利用者数は販売台数の10%程度に過ぎなく、前年度比新規加入構成比が10%を切った2003年以降の携帯電話端末販売とはそもそも買い替え需要を主戦場とした市場なわけです。

したがって、買い替え需要を取り込むためには利用者が従前保有していた端末と比較して購入意欲を喚起する施策(ハードウェア、ソフトウェア、それらをひっくるめたサービス)を組み立てて提案する必要があるのは当然といえます。

で、森氏が主張するように、

端末というハード自体の魅力が依然として大きなケータイキャリアの選択に寄与している

というのであれば、キャリアの乗り換えは頻繁に起こっていないといけないはずですが、ドコモのIR資料に掲載されている解約率は2002年03月以降年間1.17~0.77%でしかありません。前述したように2003年以降の携帯電話端末市場は買い替え需要が中心なわけですから、森氏の主張を正しいとするためには、1%未満の解約(おそらくはキャリアスイッチ)率は市場全体から見て大きな要素である、とかなり無理のある主張を展開する必要がありそうです。

そもそも端末の魅力が高ければ網サービスなどどうでもいい、という主張が正しいのなら、携帯電話を解約してmyloに乗り換えるといった行動が統計的に有意な規模で発生していないといけないよね?跳箱にはそんなデータ見つけられなかったけど。(注:myloは国内未発売、発売済みの米国統計にそんな数字が出てないの意。というかなぜSonyはmyloにWillcom SIMスロット搭載するのを見送ったんかね?)

充実した網サービスがあって、そこでの優劣はつ付け難いとなって、はじめて端末の優劣を議論する意味が出てくるわけです。

次、

にこれまで通り「最新機種には新しい機能がたくさん付いてくる」ことが、どうやら必ずしも売りにはならなくなっている

この方がこの市場について語る能力をまったく持ち合わせていないことが判る一言ですね。たとえばドコモのprosolidは2004年発表で販売成績も良かった好端末。

携帯電話の人口普及率はすでに70%を超えているのでロジャーズを引用するまでも無く、最先端でなんでも付いているのがうれしい層からしぶしぶ携帯電話を持っている層まであらゆるタイプの人が携帯電話を利用しているくらいのことは、だれでもすぐに理解できそうなものです。

で、プロとしてこの市場に関心を持っているのであれば前述のprosolidや市場に先鞭をつけたツーカーSの初登場などが2004年に集中していたことを覚えているのは常識の範疇に入ると考えます。さらには、それが契約数の急成長期を脱し、安定成長(飽和とも)期に入ったタイミングを捉えていた点を理解しているのも当然と考えます。森氏はあたかも新しい現象であるかのように言い立てていますが、こういったセグメント毎の商品ラインナップ戦略は今に始まったことではありません。

続いて二項目では移動体通信における音声呼のIP化に言及しながら話はなぜかOSTIに飛んでいますが、音声呼伝送のIP化とOSTIは根本的に関係ありません。

どこかの会社に出かけて音声呼のIP化について携帯電話に詳しそうな振りをしつつ一席ぶちたいならOSTIなんか持ち出さないでIMSの話をしておいた方が無難でしょう。最新版は、3GPP TS 23.228のv7.5.0(Stage2Release7です)

以前他のエントリにも書きましたがOSTIはvProの移動体版的位置づけではありますが、

通信サービスのコモディティ化を防ぐ有力な手段

などではなく、むしろ安全に端末機能開放するための手段と考えるべきです。現在のように、キャリアが端末を完全に掌握している状態のほうがよほど完璧に、

通信機能周辺をハードウェアレベルでキャリアのコントロール下に置く

ことが可能なわけです。なにをどう思い違えばこういう解釈にたどり着くのか理解に苦しみます。

で、三項目でようやくIMSが登場するんですが、ここでも森氏は、

OSTIとIMSでは重複感や齟齬も大きく、OSTIを導入すれば、再びドコモに代表される日本独自仕様を採用することによる長期的デメリットを国内ユーザーにもたらす可能性もある

などと意味不明の知ったかぶりをはじめています。

このエントリで跳箱が紹介したページを見れば、OSTIとIMS双方の仕様が読めますのでどこが重複してどこで齟齬をきたしているのかきちんと説明していただきたいものです。

端末のアプリケーション制御を担当する領域を開放するための仕様(OSTI)とネットワーク側のIPベースのマルチメディアデータ通信制御の仕様(IMS)がどう重複するのかまったく理解できません。

この項については、最初のOSTIとIMSはバッティングするという奇妙な主張が前提になっているので以降の2段落はまったく意味を成しません。

知ったかぶりするのはいい加減にやめてもらいたいものです。

Ozzie氏、ちょっぴり語る。

2006-11-10 05:40:32 | メディア
LotusもといIBM Notesのお父さんにしてgrooveのCEOだった現Microsoft CSAなOzzie氏がVistaのGMを記念して(ほんとか?)Web2.0サミットで語ったそうな。

跳箱の願いに反して、むしろバージョンダウン気味(ポートフォリオ的に致し方ないのは承知してますが...。)なOzzie氏の連れ子のMicrosoft Office Groove 2007は、SharePoint連携できるようになっていたり、間に合わせ仕事にしてはツボを押さえたチューニングをしてきてて今後の成長に期待が持てます。立派に育つんだよ...。(よよ)

それにしても日本語版の記事、なんでgoogleに言及した、

However, he said that Google's main product strength in search can be better challenged."I think there's immense opportunity in the core space they are in of search," he said.

削っちゃったのかね?面白い伏線になると思うんだけどな。前段の、

"I think there are scenarios that have tremendous opportunities to take advantage of the advent of different device types."

て指摘と組み合わせて、vProとか、その携帯版のOSTIとかとgroove組み合わせたりしたらかなり面白いことできるじゃん。そう考えるとマルチコア対策重視からグリッドを連想、手前にコラボレーション、その手前がコミュニケーション、とかね。

まぁ、Ozzie氏の仕事始めは実質的にVista&Office2007の次の製品からなわけで、楽しみに待つとしませう。

P.S.
ハカセ、groove2007のベータをgroove3.1と共存させる方法あるんだって。それと帯域割り当ての制御方法も聞いてきた。

渡辺氏、またも知ったかぶる。

2006-11-09 22:35:49 | 連絡帳
しっかし、今回のエントリは誤植多いですな?他人のPC使ったかIME入れなおしたばかりか?とかなんとか云いながらなんとか読み終えたのは実務にチャレンジ中なのかモダンプロジェクトマネジメントについて素朴な感想を長々書き連ねた渡辺氏のこれのこと。

そういえばこんなん以前にもあったなぁと跳箱の過去ログをひっくり返したら去年の夏に(いまだ大きなお友達な)近藤氏がMPMを無駄に再発明した際に入れたこのツッコミで書いたんだった...。

Microsoft Projectも2007になって、ついにというか、やっとというかアンドゥが99回までできるようになった(めでてぇなぁ)記念に突っ込んでみるか。

渡辺氏は経営計画と開発計画のギャップ調整などとこじゃれたいい方していますが、なんのこっちゃない要求管理の段階からマネジメントできてない典型的なダメプロジェクトの話を延々しているだけです。てゆうか、渡辺氏が挙げたような机上の空論上塗り方式で塗り固められた"計画"なるものに計画と名乗ってほしくないです。(冗談抜き)

体系立てて勉強するにはPMIに入って(東京支部だけの会員にはなれないので日本人でもPMI本体にも入る必要がある)

プロジェクトマネジメント知識体系ガイド第3版 A Guide To The Project Management Body Of Knowledge

Project Management Inst

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を教科書に順序良くお勉強していくのが王道とは思いますが、そこまで手間かけられん、という向きは、

PM magazine vol.004

翔泳社

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Vol.004は"要求→仕様"を「見える化」する!特集なので内容的にもちょうどよいだろうと。P28で中嶋氏が制約条件についてコラムを書かれておりますが、ここ、キモです。TOC=制約理論(The Goalで有名なやつ)を下敷きにして狭い紙幅でよくまとまっているので一読されたい。きっちり勉強されたい向きは、

時間に遅れないプロジェクトマネジメント―制約理論の応用

共立出版

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など読むとよいでしょう。ネットで勉強したい方にはTOCの広場がお奨めです。

渡辺氏の事例なら基本であり基礎となるファンクションポイントをきっちり詰めて(跳箱はこれを素振り百万本と呼ぶ)徹底的に分解、リスト化(これが鬼ほど大事)してEVMすれば十分マネジメントできるはずです。ちなみに跳箱はUMLで文書化マンセーです。

で、コストモデルに落としこむための明細作りができたら次は日本情報システム・ユーザー協会のソフトウェアメトリックス調査報告などを参考に適正工数を把握して、自分たちの生産性と比較して明細リストにコストを貼り付けていく。

この部分もそうだし、システム規模(HWとかの)設計廻りもそうなんだけど、工数や規模等の変数を確定させるためのデータ集め(データの粒度、精度、計測条件ほか)と加工がへたくそなプロジェクトは運用に入ってから問題になるケース多いです。

要するによくわからんところ、あいまいなところが残らないように網羅的に徹底して突き詰めていけば、あとでしまったちゃんにならないで済むってだけの話です。

とても簡単。

ただし、やり抜ければ、ね。修行もしないで口先だけで世の中を渡っていこうとするタイプにはできないかもしれない。

ちなみに跳箱はなにか作り始める前に開発チームに対して、それはどんなものなのか、どんな背景があるのか、技術や規格の成立過程はどうなっていたのか、等々を網羅的に調べ上げて、各要素とその連携によってどのような効果が得られてそれは以前と比べてどうなるのかを記述したWhite Paperの作成をさせるようにしています。きちんと明示的に説明を記述できないところがあったら要するに理解し切れてない(こなしきれていない)ってことだし、コードとちがって普通のおっさんでも読めるし。

どうでもいいけど、渡辺氏は

NILSの担当パネルでもディスカッションテーマとして採り上げられないか調整

しているんだそうだがNILSなるイベントは人月の神話をネタに盛り上がれるような素人ばかりが参加しているイベントなのかね?てゆうか、渡辺氏自身、語れるほど経験もってなさげなところがなんですな。群盲象を撫でるのも一興か...。

小林氏のようなカネの亡者の関わるイベントに絡む話をするならプロジェクトリスクの定量把握に基づく金融商品化の可能性とかそういうもっと眉唾物で生臭い話のほうがいいんじゃないの?

LモードとTナビ ひっそりなその後

2006-11-06 12:32:10 | メディア
11月1日にLモードがひっそりと新規申し込み終了した一方、同日、Tナビはテレビポータル株式会社に運営移管すると利用者向けにアナウンスした今日この頃、eネット事業本部の皆様いかがお過ごしか?

思い起こせば一年数ヶ月前、Tナビ事業報告しねぇのな?と突っ込みどころをガッチリガードなeネットさんの手堅くてヲチしがいの無い運営手法に揚げ足取りもままならず寂しさを感じていたのですが、テレビポータル株式会社を設立して、やっと動きが。eネット事業本部的にガッチリと種銭用意して求心力はカネが作り出すんだとの覚悟とお見受けしますがサプライサイドの論理でどこまで市場を引っ張れるのか興味津々であります。

Web2.0とかいうbuzzwordはいつの間にか分散環境による情報流通の促進だか推進だかなことになっているらしいんですが、この観点から考えると跳箱的に以前から言及しているCoralこことかこことかこことか)標準に準拠したMarlinを採用したアクトビラは従来のテレビと比較して格段にWeb2.0的といえることになるんではないかと思うんですがそこんとこだれも指摘してないのはどういうことかと。

思えばデジタルテレビ情報化研究会仕様もDRM(Network CAS?)関連についてきれいにスルーしていたので、だれかがどこかで仕込んでるんだろうなぁとは思ったんですが、ITU-T FG IPTV(NTT後藤氏のこちらの解説が詳しい)に煽りを入れるかのように次世代ブロードバンドコンテンツ流通フォーラム内にIPTVフォーラムが立ち上がって国内の利害調整を始めたあたりを見るに付け、文部科学省(もとい文化庁)を総務&経産両省が本気で寄り切ったろうと考えているようにも思えてなりません。

国内でコンシューマ相手の商売として完結せざるを得なかったLモードがさびしく終焉のときを迎えつつあるのに対して輸出産業としての明日を視野に入れればまだカネ突っ込めるTナビ改めアクトビラの立ち位置の差が現れているように思えてなりません。