だいぶん前にネグポン正気か?というか足し算できてるか?という
エントリを書いたんだけどCNETにやっぱ250ドルくらいになりそう、という
記事が出ていたのでご紹介。
ほらみろ、やっぱり。
コンピュータパワーの提供コストに対して支払い能力が不足している市場で、そんな状況でも所有できるようにするために低コストのマガイモノを供給することにどれほどの意義があるのかかなりナゾです。PCによって得られるエクスペリエンスはPCのまがい物によっては得ることはできないと考えるからです。(あ、なんか文体ちがうぞ)
そういった市場ではその昔、コンピュータパワーが高価だったころのようにタイムシェアリングしてコンピュータを利用するのが適当でしょう。ネットカフェでネットとPCを使うという商行為だって立派なタイムシェアリングサービスです。
記事では
ありもののテレビを利用するケースも想定していますがホントの貧困国ではテレビだって貴重品です。
そもそも、
発展途上国の巨大都市や人里離れた農村地帯に住む何十億という人たちに、安価なコンピュータを提供することから得られるメリットは、いくらでも挙げることができる
とおおざっぱに言っていますが、記事のなかで言及されているブラジルやエジプトって手元の
ITU World Telecommunication Indicatorsのデータで見ると、GNIが1000ドル以上10000ドル以下のUpper/Lower middle income国家です。発展途上国あつかいですか?失礼な人です...。
ほんとに貧しい(GNI1000ドル以下ライン)国だとテレビの普及率が10%切るなんてなあたりまえで中には1%切る!国さえあります。
Low income国家に対する支援としてコンピュータパワーの提供が適切なのかどうかカナリ疑問がありますが、Middle income国家でのコンピュータパワー(というかネットワークパワー)利用が有益だろうという点には同意します。
ただし、それはPC(もしくはそのモドキ)であるべし、というPC教徒的短絡思考には同意できません。
この記事でも最後の最後に
Microsoftは、コンピュータとしても機能する携帯電話の試作品を発表した。ただしこのプロトタイプはまだ開発途中
として携帯電話の可能性に触れ、その利点にも触れていますが、
接続料の高さ。また、携帯電話は情報の入手には適しているが、たとえば幾何学の宿題をやったり、家計簿をつけたりといった他のタスクには、必ずしも適しているとは言えない。さらに、キーボードやモニター、アプリケーションも必要になるだろう。画面の狭さが問題になるのは、競合しそうな他の機器でも同じだ
とまとめてPCがええんじゃ、という結論をにおわせています。
とはいえ幾何学の宿題は紙と鉛筆で解いたほうが良いと信じる跳箱に言わせると、なにが短所なんだ?と噛み付きたい感じですね、ええ、噛み付いていますとも。
人々にとっての必要性の順序をどう考えるか?という問題なのだろうと思うのですが、家計簿をつけたり、幾何学の問題を解くための計算機を世界は欲しているのではなく、世界を構成する他の要素とセツゾクするための手段をこそ欲しているのではないだろか?(あたりまえのこというなといわれりゃその通り)なんか、ネグポンのプロジェクトは善意があらぬ方向で燃え上がっている感じがして非常に残念です。