vagabond の 徒然なるままに in ネリヤカナヤ

エメラルドグリーンの海,溢れる太陽の光,緑の森に包まれた奄美大島から,乾いた心を瘉す写真をお届けします。

漂着ゴミのない海へ

2005-11-17 21:05:42 | ネリヤカナヤの海・空
岬への路を登り切ると,奄美大島最北端の笠利崎灯台に辿り着く。
写真は,その麓から眺めた海。
左方向は,東シナ海,右方向は,太平洋。当然ながら,ここでは,その両方に境目はない。
そう,海は果てしなくシームレスに繋がっている。
そのため,海の向こうの国から,様々なモノが流れ着き,大きな問題になり始めている,と今日のNHK「クローズアップ現代」が報じていた。

日本への漂着ゴミは少なくとも年間10万トン以上になるそうだ。
日本の南端,西表島では,中国,台湾からのゴミが大量に流れ着き,マングローブの原生林等が相当痛めつけられているらしい。
韓国に近い対馬では,主として韓国からのゴミが浜辺にうずたかく積み上がり,大波が来るたびに堆積していくとのこと。
中には,大きな冷蔵庫(!)や血液の入った注射器(!!)も含まれていた。
映像で見る限り,砂浜でなく「ゴミ浜」の様相を呈していた
逆に,ミッドウェー環礁には,日本からのマジックペン等が流れ着き,コアホウドリの雛が呑み込んで死んでしまうという被害も出ているらしい。
奄美では,これら諸外国からの距離が比較的あるため,それほど大きな被害は今のところ出ていないが,奄美海洋展示館の片隅にも,ペットボトル,洗剤のビン等の多数の漂着ゴミが展示されていた。

韓国では,漁民から海中のゴミを買い取るプロジェクトを始めたらしい(まるで,ハブやマングースの駆除報奨金に似ている)。
年間3億円と予算は限られてはいるが,関係国の注目を浴びているとのこと。
一方,日本は,ゴミが海上を漂流しているうちは,海上保安庁や水産庁,漂着後は,国土交通省などと,所管が分かれているため,円滑に漂着ゴミ解消が進んでいないらしい(「縦割り行政の弊害」と報じられていた)。
そんな中,国連環境計画の呼びかけで日本,ロシア,中国,韓国の関係者が富山に集り,対策ワークショップを開くなど,少しずつ漂着ゴミ対策も進み始めたようだ。
対馬へも,最近,韓国の青年たちが,ゴミの回収に訪れたらしい。
まずは,できるだけゴミを出さない生活をすること,そして,海へ山へ行ったときはゴミは捨てないし,逆に,ゴミを見付けたら拾って持ち帰る。
この綺麗な海を守るには,みんなが,そういった小さなことから,始めるしかないのだろう。