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OLEDはまだまだ開発途上 買うのは人柱覚悟でね

2017-02-11 15:15:22 | LED

OLEDの良さは自発光のため黒が引き締まり(基本的に”0”)コントラストの非常に高い映像を見るができることにつきます。

それだけはLCDパネルでは見られない大きな特徴です。確かに魅入られるものがあります。
巷で言われている低消費電力は黒を表示している限りではそうですが、明るさを求めるとLCDと変わりません。

ところで、現在の映像フォーマットはRGBそれぞれ8ビット256階調なので256x256x256=1677万色を表すことができます。
でも逆に赤だけだと255色しかないので、いいかげん10ビットにしてもらいたいところではあります。
その256階調ですが、LCDの場合は明るさを変えてもバックライトの明るさを変えるだけなのでやはり256階調あります。
しかし普通にOLEDを作ると明るさを変えるイコール階調を潰すので、輝度最高時以外は階調が減ってしまい、絵が汚くなってしまいます。
まあメーカーも馬鹿ではないので、そこはアイデアで工夫していると思いますが。
例えば10ビットくらいに拡張することが考えられます。ただ単純計算ではガンマが崩れるので補正してあげる必要があるでしょう。
それはパネルでは無くあまり話題にならないドライバーICで決まります。
経年劣化の補正もこのICが行うことになりますが、基本的には素子の電流カーブの変化を(=落ちてくる輝度)を補正するので、単純に考えると電圧を上げることになるので、ますます劣化が加速するように思えます。しかし私はパネル屋ではないので、ここは想像で言っています。

ちなみにOLEDは素子毎の電流カーブが一定ではないので、画面内にムラ(Mura:いまや英語になっている)ができます。

この補正も行わなくてはなりません。Gray63ベタ画像を出してみてください。一様なら補正をしていますが、していないとひどいムラが見えます。この補正のためにまた相当のコストが必要になります。パネル内の回路とお金のあるところはドライバーICでも行います。

この画像で焼き付きも見えます。Abobe Elementsなどで一枚作って表示させてみると良いでしょう。


さて国内メーカーも今年に入ってOLEDテレビを順次発売しています。TV用パネルは今はLGDしか生産していないので、LGD製は自発光と言えどもRGB毎の異なる経時劣化を避けるために白色発光でLCDのようにカラーフィルターを使用しています。よってこのままでは明るさは1/3になりますので、明るさを補正するためW(ホワイト)のサブピクセルがあります。この技術は米社とサムスンで特許を持っています。
しかし単純に考えると赤1色を最高輝度で表示するときにこのWを使用するとピンクになってしまうので使えません。
(もしかしたらちょっと光らせるかもしれませんが、それは純粋な赤を見ているわけではないと言うことになります)

したがってRGBWを自然に見せるにはそれなりの苦労が必要ですが、結局完全に色をカバーできるわけではありません。
そこの処理がメーカー毎に違うのではないかと考えていますが、これはできの悪いものをなんとか使いこなそうという本質ではない努力ではないかと考えます。画像処理するIPを専門に設計しているエンジニアに聞いても、この意見は一緒です。

SHARPが一時期Yellowを足してRGBYのパネルを作っていましたが、家電売り場で見た印象は全くよくありませんでした。色が自然ではないの一言です。まあそれ以前にSHARPの場合、地デジのデコーダの性能が悪くパン画面、字幕周辺にモザイク出まくりでしたけど。

よくわかるのが、フィギュアスケートの中継です。選手の背景の広告が破綻を来すか、無難に処理がされるかメーカーによりはっきり差が出ます。


国内メーカ(といってもJDIとSHARPしかないですが)やTianmaなどの中国メーカがOLEDをやるなら王道のRGB自発光を目指して欲しいものです。サムスンがスマホ向けでやっているのはもちろん知ってますが、半年で画面焼き付きとか見てしまうとよく固執して販売しているなとう~んと唸ってしまいます。

スマホは数年で買い換えるので一部ユーザ以外で問題になりませんが(ハードゲーマーはホレホレと焼き付き画面を自慢げに見せてきますが)、TVは10年は使用する耐久消費財ですからね。

LGDのTVでは焼き付き防止の処理を電源オフ後に1時間ほど行うようです。本質を外れていてなんだそりゃですよね。


ですので今から他パネルメーカーがやるなら、マイクロ無機LEDがやっぱりいいですよね。

BD-Rディスクも無機が一番、有機は耐久性がなく保存に向きません。
でも結局、LCDーTVだけ見ていると不満は特にありませんし(黒の浮きはありますが)、コンテンツも日本では消費者を馬鹿にしてるほど高価で地デジでは帯域不足で4kできそうにないので、そこまでして何見るのっていう、そもそも論になってしまいます。


追記しておきます。
Gray63、Gray127、Checkerbordなどのテストパターンを作成して自分のスマホのディスプレイをチェックしてみたら?とサクッと書きましたが、実際はほとんどできません。
スマホメーカでは不利な画像を表示されてクレームが上がることが無いように、表示画像は事前にチェックして、キラーパターン(不得意な画像)は表示できないようになっています。
Androidスマホはこれを回避するアプリがあるようなので探してみてください。
たぶんiphoneには無いのではないでしょうか?