ダニエル・カールさんは、山形弁研究家のタレントで流暢な山形弁を話すアメリカ人です。
本書を紐解くと、最初に出会った山形弁との戸惑いが面白く書かれています。
彼は関西外国語大学で勉強していた頃、日本語の先生が、日本語には「ん」ではじまる単語は絶対にないと習いました。和英辞典にも「ん」ではじまる単語はありません。
それだけに最初に山形県庁の指導課の部屋に入ったとき面食らいました。
職員が電話でしゃべっている言葉が、
「ハッ、指導課ダス」・・・「ンダ」「ンダ」
話が進むと、相手側の話を聞いて必ず
「ンダ、ンダ」と話しているのです。
ダニエル・カールさんは、日本語には「ん」で始まる単語は絶対にないと習ったのでとても唖然としたそうです。
山形弁の「ンダ」というのは相づちみたいなものです。
“ン”は相づちを打つときの「うん」と同じで、“ダ”は「デス」とか「~デスカ」という意味を表します。
要するに「ンダ」というのは、「そうですか」「そうですね、そうだ」ということを表現しているのです。
他に、「行く」は「んぐ」、「ちがう」は「んなえ」とか「んね」、「そうしたら」は「んだら」、「うまい」は「んめ」か「んまえ」などと山形弁は「ん」から始まる単語の宝庫です
因みに初めて山形に来たダニエル・カールさんをお世話したオンバ先生とは、私が高校のときお世話になった英語の恩師、大場先生なのです。
ただ「ん」から始まる名詞はないのよね
それにしても何故「んだ」を多用するのかな?
山形は寒くて、寡黙な人が多く
口を大きく開けたがらないし
短い単語(言葉)で済まそうと
するからかしら
始まったのに終わってる。
昔、ナイトスクープで取り上げられていました。
「んだよ」は今でも普段からつかう私です。
「○○です」だと山形の人はきつく
感じるらしく 過去形にして婉曲的な
ニュアンスに変換するのだそうです