僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

次郎鳥でスッポンを食べるの巻

2017-02-24 17:39:54 | 人生論
S君が企業に合格したので、合格祝いに妻と3人で次郎鳥に行った。


オーナーの趣味が生かされているインテリアだ。




お通しから



サラダに始まり



焼き鳥やら


煮込みを食べて


メインのすっぽん鍋に舌鼓を打つ。




そうそう食べる前にスッポンの生き血を啜る


スッポンの肉は鶏肉のようで癖や臭みがなく、いとうまし!

血もお酒で割ってあるので生臭さが全然ない。

S君も初めての体験にテンションが上がっていた


彼は昔野球のリトルリーグで活躍し、将来はプロ野球と決めていた。

だが、しかし、それまで彼を重用してくれていた監督が別の人に交代し、
同じポジションでしのぎを削りあったライバルに先を越される。

中3になってからはレギュラーから外れ、悔しい思いをしたそうだ。

けれど、この挫折をきっかけに、勉強にも身を入れるようになり
大学合格の栄冠を得、この度、並み居る強豪を打ち破り、難関企業に内定をもらった。

逆境をばねとして成長し違う道へとシフトチェンジし、可能性と柔軟性を見せてくれた。

彼は、いろいろなタイプの人と話を合わせることが出来る、コミュニケーション能力が高い人物だ。
それでも、そこで満足して成長が止まらぬよう、いつものおせっかいのアドバイスを垂れた。

Sくんは少し松坂桃李(とおり)に似ている。

そこで、松坂桃李の名前の由来である、史記にある故事成語

 桃李もの言わざれども下自(おのずか)ら蹊(みち)を成す

を説明した。

桃や李は言葉を話さないが、その美しい姿やかぐわしい香り、瑞々しい果実などを慕って、その下には自然と道が出来るという意味が直訳で、

つまり人が自然と君を慕って集まるような情誼に厚い人物になりたまえ、ということであると話した。


話の途中、店の人がスッポン鍋の残ったスープにご飯ととき卵とネギを入れてくれる。

とても優しい味だ。

Sくんはそれを十分に咀嚼して食べていたが、私のおっさん臭い説教を咀嚼していたかは知らない。