僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

寅さんの誕生日

2016-11-29 21:43:55 | 映画
昭和15年の今日、11月29日は「フーテンの寅さん」の誕生日だ。

あの四角い顔は日本人が愛してやまないキャラクターである。
嘗て、盆と正月は寅さんの映画を見なければという習わしがあった。

定住を嫌い、まるで根無し草のように放浪の旅を続け
神社の境内なんかでの香具師を生業としている。
そこでの寅さんの口上はリズム抜群歯切れがよくとても気持ちが良い。

_________________________________________________

国の始まりが大和の国、島の始まりが淡路島、泥棒の始まりが石川の五右衛門なら、助平の始まりが小平の義雄
、ね、続いた数字が二、仁吉が通る東海道、憎まれ小僧が世に憚る。仁木の弾正はお芝居の上での憎まれ役。
ね、お父さん、これ買ってよ、ダメ? ケチ、三、三、ロッポで引け目がない。産で死んだが三島のおせん。おせんばかりがおなごじゃないよ
続いた数字が四、四谷赤坂麹町、たらたら流れる御茶ノ水、粋な姐さん立ちションベン、ねえ、四角四面は豆腐屋の娘、
色は白いが水臭いだ。
_________________________________________________

女性に惚れやすく、それでいて振られてばかり・・・けれど義理人情に厚く
困っている人をほっとけない・・・
そんな愛すべき寅さんの映画をいまだにVHSで観ている私めである。


特に山形県寒河江市を舞台にした「葛飾立志編」は大好きで何度も何度も観た。


寅さんの回想のシーン

___________________________

とある寒~い日のこと、身も心も凍えそうな晩だった。

何をやってもうまくいかない時でよ。

無一文で降り立った寒河江の町で腹がすいて矢も楯もたまらず
駅前の一軒の食堂に入った。
鞄と時計をテーブルに置いて、これでなんか食わしてくれと・・・

そこの女将さんは、「困ったときはお互いだから」といって
どんぶりいっぱいの飯と豚汁をだしてくれたっけ。

どんぶり飯をかきこみながら、涙がポロぽろぽろぽろあふれ出て 止まらなかった・・・

_____________________________________

この場面にいたく感情移入するので泣けてくる そう涙が止まらない。

48巻あるうちから
「今日はこれ見っぺ!!」と誘っても
家族の誰も同意はしてくれないのであった。