僕の感性

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洒落

2013-07-10 23:04:35 | ことば
洒落という漢字を知ったかぶりして酒落と誤字にしてしまったりする。
夏目漱石さえも「専門」を「専問」と誤用していたらしいので、やむをえないかもしれない。

酒の字の酉は口の細い酒壺を意味する。酪は乳を発酵させた飲料で、醇は精製した酒という意味だ。

それに対して、洒の「つくり」は「さらさらと水を流すざるの形」を意味する。

「洒落」は本来「しゃらく」と読む漢語で、物事にこだわらないさっぱりした様をさす。
「しゃれ」という読みは「晒(さ)れ」や「戯(さ)れ」が「しゃれ」と変化し「洒落」という文字を当てた。

「晒」という文字は「日光に当てて汚れを落とし白くする」という意味を持ち、
水を通してさらすのを「洒」といい、日光を通して白くするのを「晒」という。
よって、洒落の洒の文字が「酒」か「洒」か迷ったら、「晒す」の文字を思い出すといい。
「洒落」を別な言葉で言い表すと、「ウイットに富んだ」、「機知に富んだ」、「諧謔」、「小粋な」、「エスプリ」、「軽妙洒脱」、「機転が利く」、「気が利く」、「ユーモアセンスのある」、「センスのよい」などがあるだろう。

最後に「しゃれこうべ」は晒れ(曝れ)頭(こうべ)と書き、日光にさらされた骸骨(髑髏)という意味である。