僕の感性

詩、映画、古書、薀蓄などを感性の赴くまま紹介します。

猪と魯山人

2008-02-06 23:31:45 | Weblog
 陶芸家、北大路魯山人は美食家としても知られています。彼は、猪の肉を好み、ボタン鍋、すき焼き、バーベキューなど度々舌鼓をうちました。
 夏期の猪はほとんどが赤身で、後々脂がつきもみじが紅葉するころ最高潮に達します。野生の猪は、猪豚とは違い、沢蟹、どんぐり、山芋などを食べ、野山を走り回っているので、肉がしまり、野性味にとんだ味がするそうです。
 魯山人が、食道楽七十年を回顧して、「後にも先にもこれほど美味しいと思った事がない」と評した猪肉の部位が肛門の周りの肉でした。歯ごたえが良かったのでしょうか、香ばしかったのでしょうか、それとも、適度な脂肪が含み甘みがあったのでしょうか、推測の域を出ません。
 猪肉は、低カロリー、低脂肪でカルシウムやビタミンが豊富で、コラーゲンもたっぷりだそうです。
 しかし皮肉な事に、きわ物好きな美食家の彼も半生の田螺を食べ、肝臓ジストマに冒され、肝硬変になりその生涯を閉じました。

バスの由来

2008-02-06 22:24:46 | Weblog
 現代まで続くバスの起源であり、かつ「バス」の名の由来となったのは1825年にフランス・ナントで運行を開始した乗合馬車です。ナント郊外で公衆浴場を経営していた退役軍人スタニスラ・ボードリーは、ナント市の中心部と浴場の間で送迎用の馬車を運行していました。ボードリーは市民が彼の馬車を浴場へのアクセスとは無関係な移動の手段として利用していることに気づき、乗合馬車の事業化に専念することにしました。

「バス」の語源は、ラテン語で、「すべての人のために」という意味のomnibus(オムニブス)から来ています。ボードリーが乗合馬車事業を始めたころ、ナント中心部のコメルス広場にはオムネ(OMNES)という帽子屋があり、「OMNES Omnibus」という看板をかかげていました。この看板が馬車乗り場の目印ともなったことから、馬車の方もオムニビュスと呼ばれるようになり、みんなのための車というvoiture omnibus という語が生まれました。