離婚相談・養育費~養育費の支払い確保「履行勧告」
離婚相談)養育費の取り決めをして離婚をしたのですが、最近養育費の支払いが滞っています。どのようにすれば養育費の確保ができますか?
答)養育費の支払い確保としては、
・強制執行
・履行勧告
・履行命令
・金銭の寄託
・審判前の保全処分など
があります。
ここでは、履行勧告について考えます。
1.履行勧告とは
履行勧告とは、家庭裁判所の調停調書や審判調書、判決書に養育費の支払いが記載されている場合支払い義務者が支払いをしないときには家庭裁判所において履行状況の調査のうえ、履行を勧告し、支払いを督促する制度です。
2.履行勧告にかかる費用
申立の費用は不要です。
3.申立の方法
電話での申立も受け付けてくれますが、書面による申立が望ましいとされています。
4.調査
調査に際して、家庭裁判所調査官は、支払い義務者の事情も或る程度理解を示します。その上で当事者双方に対して必要な助言や調整を行うことで、義務が自発的に履行されるように促します。
5.履行勧告の強制力
履行勧告に強制力はありませんが、家庭裁判所という国の機関による督促であるので、かなり効果が期待できます。実際、弊事務所の案件でも履行勧告には少なくとも耳を傾ける方が多いです。
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離婚相談駈込寺 http://0001.hdtl.jp/index.html
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離婚相談・養育費~養育費の支払い確保「強制執行編」
離婚相談)養育費の取り決めをして離婚をしたのですが、最近養育費の支払いが滞っています。どのようにすれば養育費の確保ができますか?
答)養育費の支払い確保としては、
・強制執行
・履行勧告
・履行命令
・金銭の寄託
・審判前の保全処分など
があります。
ここでは、強制執行について考えます。
1.強制執行
離婚の際、公正証書作成、調停調書作成、審判、判決など強制執行力のある書面を作成していれば、その書面に基き強制執行が可能です。
これは、債務名義(支払いを確実にする約束。公正証書や調停調書、審判、判決文をいいます)に基いて地方裁判所に申立を行い、支払義務者から強制的に支払いを確保する方法です。
弊事務所は行政書士事務所ですので、ご相談のほとんどが公正証書を作成した場合のご相談です。強制執行認諾文付与の公正証書を、公正証書を作成した公証役場に持参し、送達付与をしてもらうところから強制執行が始まります。
2.差押対象
平成16年の民事執行法の改正により、支払いが滞っている場合には、未払い分だけではなく、将来分の差押も可能となりました。
ただし、この条文によって差押できる範囲は、
「請求債権の確定期限の到来後に弁済期が到来する給料その他継続的給付にかかる債権」だけです。
つまり、給料のほか、地代・家賃などの賃料、商品・役務の継続的供給契約に基く売掛金などで、かつ、養育費などの支払い期限後に支払われるものに限られるのです。
なお、給料の差押については、法改正により、2分の1まで差押が可能です。
3.財産開示制度
養育費の支払いを求めて強制執行をする際、裁判所は養育費の支払い義務者を裁判所に呼び出し、義務者の財産について陳述させる財産開示制度があります(民事執行法196条以下)。
ただし、債務名義が公正証書の場合、この財産開示制度は使えません。
どうしても支払い義務者が財産を隠匿しているなどで財産を開示したい場合には、改めて調停調書などを作成する必要があります。
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離婚相談~協議離婚後の養育費の支払遅延
離婚相談)離婚時に養育費の取り決めをしました。離婚後しばらくはきちんと養育費を支払ってくれていましたが、しばらくすると支払いが滞りがちになりました。何度催促しても支払ってくれませんが、どうすればいいでしょうか。
答)養育費の支払いを確保する方法には、
・強制執行
・履行勧告
・履行命令
があります。
これらの方法をとるには、相手方の養育費支払義務が確定していることが必要となります。
1.協議離婚の際公正証書を作成している場合
この場合、公正証書に基き強制執行をすることができます。多くの場合、養育費支払義務者はサラリーマンなど給与を得て生活しているのですが、強制執行により、その給与を差し押さえることができます。
もっとも、給与の口座を割り出す必要があります。また、相手方の財産(土地家屋、動産など)に対しても強制執行は可能ではありますが、どのような財産を持つのかを開示する請求を裁判所に申し立てることはできません。
これが調停調書や裁判判決があれば、財産開示制度を利用できます。明文規定により、このような財産開示請求は、公正証書によってはできないのが弱いところです。
もし、相手方に不動産などがある場合で、支払いが滞っているときに相手方財産が不明な場合には、ことさら公正証書を作成する選択をせず、あえて調停調書などを作成するという方法もあります。
2.公正証書を作成せず、口頭や覚書、離婚協議書で養育費の約束をした場合
この場合、地方裁判所に契約に基く養育費支払いの履行請求の訴えを提起する方法と、家庭裁判所に改めて養育費支払いの申立をすることにより、まず、養育費の支払義務を確定する必要があります。
3.地方裁判所の訴訟提起と家庭裁判所への調停申立の優劣
地方裁判所に訴えを提起する方法と家庭裁判所に調停を申立する2つの方法がありますが、子どもの養育費の支払いは通常長期にわたることが多く、確実に支払ってもらわなければ母子の生活が守れません。
他方、支払い義務者も離婚後の再婚による扶養家族の増加、転職による収入の変化、生活環境の変化などが考えられます。
家庭裁判所の調停であれば、こうった双方の事情の変化も考慮し、改めて妥当な養育費の分担額を決めますので、家庭裁判所への調停申立をお奨めします。
もちろん、調停で合意が形成されれば養育費の支払義務が確定した後、支払い確保のため、
・強制執行
・履行勧告
・履行命令
が可能となります。
4.調停手続き
調停手続きにおいては、できるだけ任意の履行がされるよう話し合いを十分に重ねることが肝要です。このためにもあらかじめ陳述書を作成し調停の場に提出するのもよいでしょう。
もちろん、調停等の際には、養育費の支払いの理由についても十分考えておくのも必要です。例えば、離婚の際の納得度、生活状況の変化、別居親との交流など、です。
特に面会交流と養育費は、理念的には別個のものではありますが、現実としては、養育費の履行状況と面会交流とは密接に関連しており、面会交流しているほうが養育費の支払履行が高率です。
5.審判前の保全処分
審判前の保全処分とは、家庭裁判所に子どもの監護費用分担の審判、扶養の審判などの申立をしてまだ本案の審判が確定する前に、当事者からの申立に基き、強制執行を保全したり子の急迫の危険を防止する必要があると裁判所が認めたときに行われる仮差押や仮処分、その他必要な保全処分をいいます。
養育費の支払いが滞っていることにより、子の養育が著しく困難な経済状況に陥っている場合、最初から監護費用分担の審判又は不要の審判の申立を行い、審判前の保全処分という制度です。
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離婚相談・養育費~養育費の一括払い
離婚相談)協議離婚の際、養育費の支払いについても合意はしました。しかし、収入も不安定で養育費の不払いも十分考えられますので、離婚の際に養育費の一括請求を求めたいのですが可能でしょうか?
答)養育費の一括請求は合意あれば、請求が可能ですが、そうでない場合、例えば調停や審判などで一括請求が認められるのは難しいのが現状です。
1.養育費支払いの原則
養育費の支払いは、毎月払いが原則です。養育費が子どもの生活費の一部だからです。
確かに子どもが事故や病気で亡くならず無事に成長するのであれば、養育費の一括払いは将来の支払いが確保されて大変心強くありがたいものだといえます。
しかし、養育費の一括請求は相手方が合意することが大前提であり、実際に一括払いで解決するケースはまれです。
それは、一括払いは金額が多額になること、一括払いによりこどもと縁が切れてしまうような結果になることへの不安、親権者・監護権者に対する不信感があるようです。
実際、親権者に多額のお金が一括で支払われた場合、その親権者が勝手にお金を使い込むケースもありました。大変残念なことだと思います。
2.養育費一括払いの合意
養育費一括払いの合意を形成するには、以下のポイントをみたす必要があります。
・支払い義務者に財産的基盤があること
・一括払いされる養育費を子どものために使うという信頼感
・面会交流権の協力
3.養育費一括払いの問題点
子どもが養育費を使って生活を送る年頃で死亡した場合、遺された養育費は子の相続財産となり、子の相続人が取得します。
また、親権者が養育費支払い義務者の意思に反し自分自身のために養育費を消費してしまい、子が再度要扶養義務に陥る危険もあります。
さらに養育費の支払い額によっては贈与税の支払い義務も生じえます。
4.一括払いを求める場合の妥協点
少なくとも一括で支払われた養育費が子どものために確実に支払われることを担保するする方法があります。
それは、養育信託の活用です。
信託銀行が一括払いの養育費を預かり、運用しながら子どもには定期的に信託時に決めた金額を支払うというものです。
信託の期間は5年以上というしばりもありますが、信託金銭が支払い義務者の社会的地位などから妥当な範囲であれば、みなし贈与に対し非課税扱いというメリットもあります。
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離婚相談・養育費~養育費請求権の放棄後の再請求
離婚相談)協議離婚の際、夫とは一切かかわりたくなかったので養育費を放棄することで合意し、離婚しました。しかし、離婚後の生活が苦しく、元夫にも養育費を請求したいのですが、いったん放棄した約束を覆して養育費を請求できるのでしょうか。
答)請求は可能です。養育費は、子どものための生活費などに当てる金銭であり、親は子どもが精神的、経済的に自立して社会人として生活できるように扶養する義務があります。
1.養育費の放棄の法的性質
養育費の放棄には法的には2つの側面があります。
1.1.子の法定代理人として養育費を放棄したという側面
親権に服する子の法定代理人として子のもつ養育費請求権を放棄したとものと捕らえる場合です。
子どもは扶養権利者として、親に対すして扶養を請求する権利があります。そして、この子どもの扶養請求権を扶養義務者である親が勝手に放棄することは許されません(民法881条)。
従いまして、子の法定代理人として子の扶養請求権を放棄する約束は無効です。
1.2.父母間の養育費の分担につき、養育費分担者の分担率を0とするという側面
父母間の養育費の分担について、養育費分担者の分担率をゼロとすることの合意としたという側面です。
この限りにおいて、この合意は有効かとも思われます。
しかし、その場合であっても、この効力は夫婦間でしか効力を有さないと解されます。
そして、扶養権利者である子が扶養必要状態である場合、子ども自身が養育費分担者に対して扶養料を請求することを妨げるものではありません(東京家庭裁判所審判昭和33.5.23)。
以上から、2つの側面を持ちながらも、どれの側面からも養育費の請求が否定されるものではないということになります。
2.再請求の検討
養育費の分担について父母間に合意がある場合でも、合意の妥当性について検討されます。
具体的には、
・その合意内容が著しく子に不利益で子の福祉を害する結果にいたるときは、子の扶養請求権はその合意に拘束されることなく行使が可能
・合意後、事情の変更があり、合意内容を維持することが実情に沿わず公平に反するにいたったときは、扶養の請求や増額の請求ができる
ということになります。
また、近年の実務では、この検討のポイントを踏まえ、
・子の福祉を害する特段の事情があるかどうか、
・合意後の事情の変更があるかどうか
の観点から合意の効力を検討するようになってきています。
3.養育費請求権の放棄後の再請求の可否についての検討の流れ
まず、養育費を請求しないという約束が仮に養育費の分担についての合意と解しても合意自体が真意に基づくか否かを検討します。
ついで、仮に有効であったとしても、次にその合意内容が子の福祉を害するもの、つまり、子にとって著しく不利益かどうかの見地からその効力について検討します。
そして、仮に養育費の放棄の合意が有効であったとしても、子が貧困になっているといった事情があれば、要扶養状態にあるとして、放棄後の再請求が認められる公算が高いです。
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離婚相談・養育費~養育費請求権の放棄後の再請求
離婚相談)協議離婚の際、夫とは一切かかわりたくなかったので養育費を放棄することで合意し、離婚しました。しかし、離婚後の生活が苦しく、元夫にも養育費を請求したいのですが、いったん放棄した約束を覆して養育費を請求できるのでしょうか。
答)請求は可能です。養育費は、子どものための生活費などに当てる金銭であり、親は子どもが精神的、経済的に自立して社会人として生活できるように扶養する義務があります。
1.養育費の放棄の法的性質
養育費の放棄には法的には2つの側面があります。
1.1.子の法定代理人として養育費を放棄したという側面
親権に服する子の法定代理人として子のもつ養育費請求権を放棄したとものと捕らえる場合です。
子どもは扶養権利者として、親に対すして扶養を請求する権利があります。そして、この子どもの扶養請求権を扶養義務者である親が勝手に放棄することは許されません(民法881条)。
従いまして、子の法定代理人として子の扶養請求権を放棄する約束は無効です。
1.2.父母間の養育費の分担につき、養育費分担者の分担率を0とするという側面
父母間の養育費の分担について、養育費分担者の分担率をゼロとすることの合意としたという側面です。
この限りにおいて、この合意は有効かとも思われます。
しかし、その場合であっても、この効力は夫婦間でしか効力を有さないと解されます。
そして、扶養権利者である子が扶養必要状態である場合、子ども自身が養育費分担者に対して扶養料を請求することを妨げるものではありません(東京家庭裁判所審判昭和33.5.23)。
以上から、2つの側面を持ちながらも、どれの側面からも養育費の請求が否定されるものではないということになります。
2.再請求の検討
養育費の分担について父母間に合意がある場合でも、合意の妥当性について検討されます。
具体的には、
・その合意内容が著しく子に不利益で子の福祉を害する結果にいたるときは、子の扶養請求権はその合意に拘束されることなく行使が可能
・合意後、事情の変更があり、合意内容を維持することが実情に沿わず公平に反するにいたったときは、扶養の請求や増額の請求ができる
ということになります。
また、近年の実務では、この検討のポイントを踏まえ、
・子の福祉を害する特段の事情があるかどうか、
・合意後の事情の変更があるかどうか
の観点から合意の効力を検討するようになってきています。
3.養育費請求権の放棄後の再請求の可否についての検討の流れ
まず、養育費を請求しないという約束が仮に養育費の分担についての合意と解しても合意自体が真意に基づくか否かを検討します。
ついで、仮に有効であったとしても、次にその合意内容が子の福祉を害するもの、つまり、子にとって著しく不利益かどうかの見地からその効力について検討します。
そして、仮に養育費の放棄の合意が有効であったとしても、子が貧困になっているといった事情があれば、要扶養状態にあるとして、放棄後の再請求が認められる公算が高いです。
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離婚相談・養育費~養育費の増減額請求
離婚相談)離婚の際に養育費をとりきめました。しかし、離婚後予期せぬリストラにあい、生活が苦しくなりました。そこで養育費の増額を請求したいと考えています。このような養育費の増額請求はみとめられるのでしょうか?
答)養育費の増減額については、当事者の合意が出来れば、当然に請求は可能となります。問題は養育費の増額請求に対して、養育費分担義務者が増額を拒否したとき、養育費増額請求が認められるかです。
この場合、増額の根拠となる出来事などが離婚時に予測できない事情であれば、その離婚当時に予測し得なかった諸事情に応じて、養育費の増額請求が認められる場合があります。
1.養育費の増減額の可否
養育費の増減額について協議の場を設定できるのであれば、ぜひその相手方と協議の場をもちましょう。
そして、その場では、お互いが冷静になり、未成年の子の福祉の実現の観点から養育費の増減につき協議を重ねます。
その協議の場において、養育費の増減についての合意が形成できましたら、その合意内容にそって養育費の支払いを請求できることになります。
ただし、いったんは養育費の増額に応じる姿勢を見せながらも、後日支払いが滞ったりすることも十分に考えられます。
そこで、後日の紛争防止のために、当事者同士で形成した合意を記載した文書を作成することを強くお奨めします。
また、文書作成には当事者が署名押印するのが普通ですが、養育費を支払いたくない養育費分担義務者は、文書を作成しても、その文書は偽造だとか、脅されて署名したから無効だと反論するケースもあります。
そのような反論を封じ込めるために、当事者だけでなく、友人や親族、あるいは弁護士・行政書士といった専門家を証人として署名してもらう方法もあります。
さらに、公証役場において公証人に公正証書の作成を依頼する方法もあります。
公正証書は、公証役場という公的機関の場で公証人が作成するものですから、書名が偽造であるとか脅迫されて署名したという反論を容易に封じ込めることが可能です。
特に強制執行認諾文付与の公正証書を作成しておけば、支払いが滞った場合に、養育費分担義務者の財産に対して強制執行が可能となります。
具体的には、養育費分担義務者の給与の1/2を限度として差し押さえが可能となります。また、その者が持つ土地家屋といった不動産や車などの動産に対して強制執行が可能となります。
養育費は、未成年の子の健全な育成にとって欠かせない貴重な財産確保の手段です。また、未成年の子にとって、別れて暮らす親との絆や愛情を感じる特別な存在です。
このような事情を踏まえて、ぜひ当事者の取り決めを文書化して残しておきましょう。
2.養育費の増減について合意が形成できなかった場合
当事者同士で養育費の増減についての協議の場が設定できなかったり、設定できても合意の形成ができなかった場合は、調停・審判となります。
この調停は、法律により、相手方の住所を管轄する家庭裁判所に対して申し立てるのが原則です。
ただし、当事者間で法律で定められた家庭裁判所以外の家庭裁判所での調停・審判の合意があれば、当事者が指定した家庭裁判所に対して申立が可能となります。
この際には、当事者間で合意がされた事実を記載した書面を申立書に添付します。
そして、この家庭裁判所では、養育費の増減請求の申立につき、離婚時点でその増減の根拠となる諸事情が予測できたかどうか、について吟味されます。
養育費の増減請求の根拠となる諸事情が離婚時において予測されていないと判断されたならば、その養育費の増減が認められます。
逆に、離婚時に予測しえた事情であると判断されたならば、養育費の増減は認められないのが原則です。
すなわち、婚時にある程度予測される範囲内での状況の変化については、増減額請求の基礎となる事情の変更とは認められないのです。
3.調停・審判において減額請求が容易に認められるか
弊事務所は訴訟代理権のない行政書士事務所ですので、紛争性のある調停・審判の案件をお受けすることはできません。
ですので、あくまで一般論にとどまりますが、基本的に減額請求は調停・審判の場で認められないのが実務の趨勢のようです。
これは、養育費が子の福祉の観点から支払われるべきものであることに由来するものと思われます。
なお、養育費分担義務者が自己破産しても、養育費は免責されません。
自己破産したとしても、養育費の支払いから逃れることはできないのです。
ですので、まれに、俺は自己破産するから養育費は払わないよと開き直る方もいらっしゃるようですが、その言葉(脅迫?)を真に受けて養育費の支払い請求を断念することはありません。
逆に自己破産すれば、その財産は破産管財人の管理下に置かれますから、かえって請求が事実上楽になるようでもあります。
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離婚相談・養育費~離婚後の過去の養育費の請求の可否
離婚相談)協議離婚の際、養育費の取り決めをせずに離婚届をだしました。離婚後生活が苦しくなったので、養育費の請求をしたいと考えていますが、過去にさかのぼっての養育費の請求は可能でしょうか?
答)まず離婚の際養育費の取り決めをしていなくても、養育費の分担を請求することは可能です。
これは過去にさかのぼっての請求においてもかわりありません。
問題となるのは、いつの時点までさかのぼって請求できるか、です。
この点について見解は分かれていますが以下の基準を元に一切の諸事情を考慮して父母の分担割合を決め、その割合に応じた具体的な分担額を判断されます。
・父母双方の資産
・父母双方の収入
・生活状態
・子の年齢や人数
1.養育費の分担請求
養育費の支払い義務は、親権の有無や子との同居の有無に関係なく、子の母であり子の父であるという親子という身分関係そのものに基づいて認められる義務です。
従いまして、離婚後においても、親権者でない者(養育費支払い義務を負う者)に対して養育費の分担を請求できます。
2.協議による養育費請求
まず、協議が可能であるのであれば、協議によって養育費について以下の事項を決めます。
・養育費の分担額
基本的には離婚前の生活水準を維持できるに必要十分な金額が養育費の基準額です。
具体的には、子どものお稽古事や塾の受講料、受験代、部活参加費用、遠足など行事に参加する際に必要となる金額、医療費、通学費(定期券代など)、学校その他の学費、お小遣いなどに当てる金額です。
・養育費の支払い時期
養育費の支払い時期の典型例としては、毎月月末(または給料支給日から○日以内など)に、子どもが18歳になる月まで定期的に支払うといったものです。
・養育費の支払い方法
養育費の支払い方法のほとんどは、親権者の金融機関への振込みです。細かい話ですが、定型的なものとして、振込み手数料は支払う者が負担するとする場合がほとんどです。
・養育費支払いの開始月と終了月
開始月は、協議が成立した月とするケースが大多数です。
なかには、さかのぼって請求したいということもありますが、支払い開始月自体は養育費に関する取り決めが成立した月とし、最初の支払い月に限って、過去にさかのぼって計算した金額を支払うようにしています。
終了年は、基本的には高校を卒業する18歳までとするケースが多数ですが、子どもの将来や選択の幅を確保するため、20歳までとか、大学や専門学校を卒業するまでといった条件にするケースも増えています。
・その他支払い義務者の収入に関する条件を反映した養育費支払い条件
養育費は、支払い開始から終了までの期間がながい場合がほとんどです。
その長い期間に元夫婦のどちらかが再婚したり、あるいは転職、収入減がないともかぎりません。特に親権者が再婚し、その再婚相手と子どもが養子縁組した場合などは、養育費の見直しが必要となってきます。
そこで、せっかく協議するのですから、このような未来に起こりえる環境の変化も盛り込んで取り決めます。
もっとも環境の変化は不確実な未来のことですので、協議の時点ではっきりとは決められにくい性質をもっておいます。
従いまして、当事者の協議でも、再婚やリストラなどが起きた際には再度養育費に関して見直す協議の場を持つと決めることが多いです。
3.協議によって決めた養育費に関する決定事項の文書化
せっかく養育費について協議によって決められたとしても、後日支払いが滞ることは十分に考えられます。支払いが滞った場合、養育費を請求する親権者の催告に養育費支払い義務者が素直に応じれば問題ないです。
しかし、養育費の支払い請求に対して、あれこれとごねて支払わない事態も想定しなくてはなりません。
そのような事態を回避し、養育費の支払いを確保するために、養育費に関する取り決めを文書化することを強くお奨めします。
特に強制執行認諾文付与の公正証書は、勝訴判決と同じ法的効果があり、養育費支払い義務を負う者の財産を差し押さえることが可能です。
また、公正証書は、公証役場という国の機関において、公証人という公務員の手によって作成されますので、後日、文書の署名が偽造だとか、脅されて書かされたから無効だという言い逃れができません。
このように、公正証書は大変すぐれた文書であり、証拠としての価値も大きいのです。
4養育費に関する取り決め
平成23年の民法の一部改正で、協議離婚の際に父母が協議で定めるべき事項として「養育費の分担」と「面会交流」があること、これらの取決めをすることは子の利益を最も優先して考慮しなければならないことが民法に明記されました。
民法第766条1項 「父母が協議上の離婚をするときは、子の監護をすべき者、父又は母と子の面会及びその他の交流、子の監護に要する費用の分担その他子の監護について必要な事項は、その協議で定める。この場合においては、子の利益を最も優先して考慮しなければならない。」
養育費や面会交流などに関する取り決めがなければ離婚届が受理されないわけではなく、あくまで法的拘束力を持たない努力規定にとどまるわけですが、現状として、離婚の際に養育費の取り決めをする夫婦は、離婚する夫婦全体の30%であり、また、養育費の支払いを受けている親権者は20%にとどまることから規定された条文です。
5.養育費の相場~養育費算定表による養育費の算出
このように、養育費は子どもの福祉を実現する観点から当事者が協議によって決めるのが原則です。
しかし、当事者双方が養育費の算定に困る場合もあります。
このような場合、養育費算出の計算方法としてひろく用いられるのが、
養育費算定表
です。
この養育費算定表は、東京と大阪の家庭裁判所で裁判官が担当した養育費についてのデータを元に客観的に計算された養育費の相場です。
この養育費算定表に基づき、双方納得した上で養育費を決められる方が大勢いらっしゃいます。
なお、この養育費算定表は、下記のホームページでも参照できます。
http://www.courts.go.jp/tokyo-f/saiban/tetuzuki/youikuhi_santei_hyou/
また、養育費算定表は、スマホの無料アプリにもなっています。
私はiphone5のユーザですが、この養育費算定表の無料アプリを自分のスマートフォンにダウンロードして、ご相談があれば瞬時に算出できるようにしています。
この無料アプリは活躍する機会も多く、重宝しています。
6.協議によって養育費が決められない場合
当事者同士の協議によっても養育費を決められない場合、相手方の住所を管轄する家庭裁判所に調停・審判を申し立てます。
この調停の場では養育費算定表を基に、当事者の財産、収入など諸般の事情を一切考慮して、養育費に関する事項(養育費額とか支払いの開始時や終了時など)を決めてゆきます。
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大切な相談だから
あなた様からのお電話を心よりお待ちしております (初回法律相談無料)
離婚・相続遺言家族法専門 東京行政書士うすい法務事務所
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