2016年9月25日、日曜日。
場所は、東武スカイツリーライン新越谷駅並びにJR武蔵野線南越谷駅近くの“サンシティ越谷”です。
春日部共栄高校吹奏楽部の“オータムコンサート2016”に伺わせて頂く事になりました。
それにしても、全国大会まで1ヵ月を切ろうとしているのにコンサートを開くなんて、尊敬に値しますよ。ホントに。
正直、全国大会前でもあり、「クオリティは下がるんだろうなぁ」と心の片隅に思っていた“浦和のオヤジ”でしたが、それを粉々に打ち砕いてくれた見事なパフォーマンスの連続でした!
同時にゲストの大相模中。
ここも全国大会出場が決まっている“トップバンド”です。
余裕と言うか、もはや“驚き”に値しますね!
と言う事で、まず「越谷市立大相模中学校吹奏楽部」のステージから。
[演奏]越谷市立大相模中学校吹奏楽部
[指揮]田中 秀和
菅原 啓子
2016年度全日本吹奏楽コンクール課題曲
マーチ・スカイブルー・ドリーム(第26回朝日作曲賞受賞作品)/矢藤 学
March Sky Blue Dream /YATO, Manabu
歌劇「マノン・レスコー」より/G.プッチーニ(編曲:宍倉 晃)
Manon Lescaut/G.Puccini:arr. SHISHIKURA, Koh
セレブレーションとトリビュート/J.スウェアリンジェン
Celebbration and Tribute/J. Swearingen
J – BEST ‘ 15/宮川 成治
J-BEST ‘ 15/MIYAGAWA , Seiji
宝島/和泉 宏隆(編曲:真島 俊夫)
Takarajima/IZUMI Hirotaka:arr. MASHIMA, Toshio
まずは、“課題曲Ⅰ”からですね。
細かいことは抜きにして、なんと安定した演奏でしょう!
これが本当に中学生の演奏でしょうか?
驚きに値します…。
さすが、“全国金賞”は伊達じゃない!
続いては、今年のコンクール自由曲「マノン・レスコー」です。
メロディの歌い上げ方が非常に素晴らしい。
迫力があって、当然の事なのでしょうが、基本的なところが出来ています。
だから、サウンドが厚く聴こえます。
個人の技量もビックリするくらい高い!
この演奏だったら、県大会の「高校Aの部」に紛れ込ませても、誰も気付かないのでは…?
いや、余裕で支部大会に進めるんじゃないかと…。
サウンドにすでに「色」がありますね。
恐るべし、中学生…。
次の曲は、スウェアリンジェン。
懐かしい名前ですねぇ、スウェアリンジェン…。
私が中学生の頃、よく演奏しました…。
そして、この曲は、1年生のみの演奏なのだそうな。
音がよく出ています。
それもそのはず、コンクールで優秀賞を獲得したとのこと。
本当に中学一年生の演奏なのでしょうか?
どこかの高校より、よっぽどピッチとかの基礎的な部分が安定しているように思います。
素晴らしいですね!
ここで、大相模中を率いている田中秀和先生へのインタビューです。
何でも田中先生は、夏休みに病気のため入院というアクシデントにあったそうです。
そのため、地区大会、県大会は田中先生の指揮では出場できなかったとのこと。
いろんな事があったようですが、それでも全国大会を勝ち取ったのは日ごろの努力の賜物であると感じ入った“浦和のオヤジ”でした…。
続いての曲は、Jポップのメドレーです。
ダンスもありで楽しく拝聴させて頂きましたが、少し、恥ずかしげなのが初々しくてとても良かった!
最後は、今年、惜しくも亡くなられ真島俊夫先生の名編曲「宝島」。
コンサートでは、大定番と言っても過言でない曲です。
これまた、ステキな演奏でした!
サックスソロも良かった!
一生懸命やってる姿にオヤジは涙がこぼれます…。(中学生らしい“羞恥心”を脱ぎ捨てれば、もっと良かったですかね。)
いずれにせよ、全国大会でのご活躍、心よりお祈り申し上げております!頑張れ!!
休憩の後は、春日部共栄の登場です!!
[演奏]春日部共栄高等学校吹奏楽部
[指揮]織戸 祥子
[演奏]春日部共栄中学校吹奏楽部
[指揮]甲斐 早矢花
ラ・フォルム・ドゥ・シャク・アムール・ションジュ・コム・ル・カレイドスコープ/天野 正道
La forme du chaque amour change le Kaléidoscope/AMANO, Masamicz
祝典序曲「祈りは時の流れに輝く」/福島 弘和
Overture « Prayer will Shine as Time Goes by »/FUKUSHIMA, Hirokazu
2016年度全日本吹奏楽コンクール課題曲
焔(第8回全日本吹奏楽連盟作曲コンクール第1位作品)/島田 尚美
Frame/SHIMADA, Naomi
吹奏楽のための協奏曲/高 昌帥
Concerto for Wind Orchestra/KOH, Chang Su
まずは、「カレイドスコープ」から。
まさか、共栄の「カレイドスコープ」を聴けるとは。
私、この曲が大好きなんですよ。
だから、嬉しかった!
曲が始まりました…。
テューバの出だしが合わなかったような。
最初の方でもう少し、メロディに艶っぽい響きがあったら、なお良かった。
多少のミスはあったものの都会的なサウンドは、天野作品に非常にマッチしており、いい意味での重量感を意識させてくれる好演奏でした。
自然と演奏に引き込まれていくような感じがしました。
あとで紹介があったのですが、この時の演奏者は、1年生、2年生のバンドでコンクール「Dの部」で“金賞”を取ったメンバーだったようです。(「希(のぞみ)」と聞こえましたが。間違っていたら、ゴメンナサイ。)
僅かに感じた違和感は、ここにあったのか…。
でも、“コンクールA”メンバーじゃなくても、このクオリティ。
やっぱり、全国大会に進むような学校のすごさをあらためて認識させられた次第。
続いては、中学校(「輝(ひかり)」と言う紹介があったのですが…間違っていたら、ゴメンナサイ)の演奏です。
何でも地区大会“中学Bの部”で金賞を受賞したのだとか。
サウンドが洗練されています。
一人ひとりの技術も確かですね。
少し、金管楽器の中低音部でピッチが気になる場面もありましたが、“素直な”演奏だと感じました。
荒削りではありますが、今後に期待を持てるパフォーマンスでした。
そして、ここで織戸祥子先生のご挨拶。
今年の課題曲の作曲者の中で女性は、「Ⅴ」の“焔(ほむら)”だけ。
「女心は女にしか、わからない」との事で、課題曲Ⅴを選ぶことにしたとの話をして下さいました。(とても、興味深い…。)
ここで、ゲストの登場。
何と、今、話をしたばかりの課題曲Ⅴの作曲者、島田尚美先生の登場です。
お互いに、「どんな、怖い女性かと思っていたら…。」なんて話をして頂き、会場は笑いの渦へ。
島田先生のその他の話も大変、面白かった。
特に課題曲Ⅴには、具体的なイメージがあるそうで、それが興味深かった。
『松明(たいまつ)の輝く神社で女性が能面をつけて踊る。そこへ静かに闇が忍び寄る…。』(能舞台のようなところか?)
正確ではありませんが、そう、おっしゃっていたように思いました。
それにしても、春日部共栄の顧問の織戸先生は、良い意味で“貫禄”がついたような…。
私が最後にお見かけしたのは、昨年の定期演奏会。(前顧問の都賀城太郎先生が出演なさった最後のコンサートでした。)
その時と比べて圧倒的に力強く感じたし、自信に満ち溢れているように思いました。
何か物言いが上から目線で…、織戸先生スミマセン。
でも、その姿を見た瞬間に「共栄は心配ないな。」と思った次第。(これまた、上から目線でスミマセン。)
そして、おそらくコンクールメンバーによる今年の課題曲と自由曲の演奏。
まずは、課題曲Ⅴです。
先程、作曲者自身から、この曲のイメージする具体的な情景を伺ったばかりだったので、必然、それが脳裏から離れません。
だから、頭の中で“当てはめた”まま曲を聴きました…。
すると、そのままの“世界”が私の脳細胞の中に自然に浸透していったのです。
テクニックを超えた“情緒”の世界を共栄は、示してくれたのでした…。
その余韻を引きずったまま、自由曲へと移ります。
曲は、私の大好きな高昌帥(コウチャンス)先生の「吹奏楽のための協奏曲」。
2015年に“大阪音楽大学100周年記念”のために作曲された楽曲だとのこと。
本来は、5楽章で25分余りの曲なのですが、今回は共栄のコンクール用に7分ほどに短縮されたヴァージョンだそうです。
聴いた感想。
多くは語りません。
この日は、今年、初めて春日部共栄を聴いたわけですが、私の思ったとおりの、いや、かなりの発展形で目の前に姿を現してくれたように思いました。
私ごときが、“何をか言わんや”です。
素晴らしかった!
そして、ここで、またまたビッグなゲストです。
何と自由曲作曲者の高昌帥先生が…。
感謝感激、雨あられ(表現が古すぎる)、私にとって共栄の演奏と同様に高揚するひと時でした!
[演奏]両校3年生による合同演奏
[指揮]田中 秀和
織戸 祥子
祝典序曲「未来への翼」/福島 弘和
“Flight to the Future” Festival Overture/HUKUSHIMA, Hirokazu
ゴールド・ラッシュ/高橋 伸哉
Gold Rush/TAKAHASHI, Shinya
(司会)弦本 緑加
最後は、春日部共栄と大相模中による合同バンドによる演奏で2曲。
1曲目の“祝典序曲「未来への翼」”は、2003年11月に本庄第一高校創立80周年記念のために作曲された楽曲です。
また、2曲目の“ゴールド・ラッシュ”は、2002年4月に開催された浜松交響吹奏楽団第29回定期演奏会において、初演されました。(確かな記憶では、ないのですが、何時ぞやの“響宴”でも聴かせて頂いた気がします。間違いだったら、ゴメンナサイ。)
2校のサウンドは、恐ろしいくらい融合していて、厚さを感じました。
「心地よい」とは、このような演奏を聞いた時にピッタリくる表現ですね。
楽しかった!
蛇足ながら、2曲目は、全国大会に出場する2校への“ゴールド・ラッシュ”を祈念しての選曲だとのこと。(粋な選曲です。)
私は、春日部共栄の演奏会に対する姿勢がとても好きです。
だって、“音楽”だけで勝負する姿がとても素敵だから。
そして、そんな共栄が埼玉県、いや、全国高校トップバンドであり続ける姿をこれからも見させて頂きたいものです。
また、「ラッキードラゴン」のような後世まで語り続けられるような名曲をこれからも演奏するきっかけを作って頂きたいと切に希望する次第です!
春日部共栄中学高等学校吹奏楽部、越谷市立大相模中学校吹奏楽部、全国大会“必勝”です。
“浦和のオヤジ”が全力で応援しています!!
今回のコンサートは、今年、春日部共栄吹奏楽部に入ったばかりの“みやざきまほ”さんにチケットを手配して頂きました。
素敵な機会を与えて頂いた事に感謝!
また、今後のご活躍を期待しています!
最後にコンサートから1ヵ月近くたってのブログ公開をお詫び申し上げます ― 浦和 河童