別居後は、夫が突然現われるのではないかと怯えながらも、部屋の中では心静かな生活を送りつつあった。威圧的な存在が家の中にいないことで、緊張から解放され、自分の心のままに時間を過ごすことができる。私はほっとしたような安心した気持ちを日々噛みしめていた。
そんな中、あるきっかけで突然ハラワタが煮えくりかえるような怒りに襲われることがあった。職場の顧客名簿の住所に、夫と住んでいたマンションのある地名を見たとき、夫と(多分)同じ香水をつけた人とすれ違ったとき、以前のマンションの最寄りの駅に行かなければならなかったとき…。
何と言っていいのだろうか。ハラワタが熱くなり頭に電流が走るような激しい怒りの感情。もし周囲に誰もいなかったら、叫び地団駄踏みたくなるような怒り。私は手のひらを握りしめ、歯をくいしばった。その怒りの感情が体中を荒れ狂い、そして嵐のように去っていくまでじっとこらえていた。
そして私は時々夫の夢を見た。ある夜の夢は、家の中で夫に向かって必死に叫んでいるのだ。「どうしてそんなこと言うの?…私はもう我慢できない!…もうやめて~!!」と途切れ途切れになりながらも、腹の底から声を振り絞って叫んでいる。夫は冷たい顔をして見ている。
ある夜の夢は、夫が出て行った家に私1人で住んでいる。そこに夫が現われ玄関から室内に入り込もうとしている。私は血相を変えて玄関先まで走っていき、夫に向かって「もう来ないでっていったでしょう?…家に入らないで!…出て行って~!!」と泣きながら叫んでいる。夢の中では声がスムーズに出ず、絞り出すように声を出していた。
はっとして目が覚めると、布団の中に横たわっているのだが、心臓が波打っており息が荒かった。私はやりきれない気持ちを抱え、暗闇を見つめた。私はいつまで怒りによって夫に縛り付けられるのだろう。
夫への怒り。
夫から蔑ろにされ、冷酷な扱いを受けたことへの怒り。夫と築きたかった結婚生活が崩れ去ったことへの怒り、夫と過ごした時間が粉砕され葬られたように感じることへの怒り、私の言葉や想いがまったく夫に伝わらなかったことと、夫に怯えて何も伝えられなかったことへの怒り、夫がすべてをぶちこわしたんだという怒り、なぜ夫を選んでしまったのかという自分への怒り…。結婚生活を失敗させてしまったという罪悪感。そして、夫のモラハラさえなければ、私は夫のことが好きでい続けたはずだった…そのことへの深い悲しみと憤り。
別居後、一回だけ夫からメールがあった。それは「もしかしたら僕は酷い人間なのかもしれない。自分でもどうしたらいいかわからない。自分はもう誰とも暮らさない方がいいのかもしれない…」というような内容だった。私はそれを読み「その通りだ。おまえはとっても酷い人間だ。今更気がついたか。おまえと生活する人は皆不幸になるだけだ~!」と言いたかったが、下手に書くとそれを逆手にとられる可能性が大いにあるし、嫌がらせをされるのも恐ろしかったので、一言「その通りだと思います」だけ書いて返信した。それが当時の私にできた、精一杯の抵抗だった。その後夫から返事はなかった。
このメールにもしばらく怒りがとまらなかった。そんなことどうしてもっと早く言わなかったのだろう。同居していたときはあんなにも酷い仕打ちで私を散々踏みにじったのに、どうして今更こんなことを言ってくるのか。許せなかった。
私はいつまでこんな怒りに苦しめられるのだろう。当の本人にはぶつけられない怒り。私の気持ちは、ぶつけたい、伝えたい相手には決して受け止められないのだ。
そんな苦々しさを抱えた私は、モラハラ被害者同盟の掲示板に初めて投稿した。このやり場のない混乱した想いを、誰かに話したかったのだ。身内でもなく友人でもなく、誰とも知らないが、同じ体験をして苦しんでいる人たちに。
誰かに理解して欲しかったのだ。モラハラ体験の恐ろしさと孤独を。そして夫の元からから飛び出し、ひとりになった私を。
そんな中、あるきっかけで突然ハラワタが煮えくりかえるような怒りに襲われることがあった。職場の顧客名簿の住所に、夫と住んでいたマンションのある地名を見たとき、夫と(多分)同じ香水をつけた人とすれ違ったとき、以前のマンションの最寄りの駅に行かなければならなかったとき…。
何と言っていいのだろうか。ハラワタが熱くなり頭に電流が走るような激しい怒りの感情。もし周囲に誰もいなかったら、叫び地団駄踏みたくなるような怒り。私は手のひらを握りしめ、歯をくいしばった。その怒りの感情が体中を荒れ狂い、そして嵐のように去っていくまでじっとこらえていた。
そして私は時々夫の夢を見た。ある夜の夢は、家の中で夫に向かって必死に叫んでいるのだ。「どうしてそんなこと言うの?…私はもう我慢できない!…もうやめて~!!」と途切れ途切れになりながらも、腹の底から声を振り絞って叫んでいる。夫は冷たい顔をして見ている。
ある夜の夢は、夫が出て行った家に私1人で住んでいる。そこに夫が現われ玄関から室内に入り込もうとしている。私は血相を変えて玄関先まで走っていき、夫に向かって「もう来ないでっていったでしょう?…家に入らないで!…出て行って~!!」と泣きながら叫んでいる。夢の中では声がスムーズに出ず、絞り出すように声を出していた。
はっとして目が覚めると、布団の中に横たわっているのだが、心臓が波打っており息が荒かった。私はやりきれない気持ちを抱え、暗闇を見つめた。私はいつまで怒りによって夫に縛り付けられるのだろう。
夫への怒り。
夫から蔑ろにされ、冷酷な扱いを受けたことへの怒り。夫と築きたかった結婚生活が崩れ去ったことへの怒り、夫と過ごした時間が粉砕され葬られたように感じることへの怒り、私の言葉や想いがまったく夫に伝わらなかったことと、夫に怯えて何も伝えられなかったことへの怒り、夫がすべてをぶちこわしたんだという怒り、なぜ夫を選んでしまったのかという自分への怒り…。結婚生活を失敗させてしまったという罪悪感。そして、夫のモラハラさえなければ、私は夫のことが好きでい続けたはずだった…そのことへの深い悲しみと憤り。
別居後、一回だけ夫からメールがあった。それは「もしかしたら僕は酷い人間なのかもしれない。自分でもどうしたらいいかわからない。自分はもう誰とも暮らさない方がいいのかもしれない…」というような内容だった。私はそれを読み「その通りだ。おまえはとっても酷い人間だ。今更気がついたか。おまえと生活する人は皆不幸になるだけだ~!」と言いたかったが、下手に書くとそれを逆手にとられる可能性が大いにあるし、嫌がらせをされるのも恐ろしかったので、一言「その通りだと思います」だけ書いて返信した。それが当時の私にできた、精一杯の抵抗だった。その後夫から返事はなかった。
このメールにもしばらく怒りがとまらなかった。そんなことどうしてもっと早く言わなかったのだろう。同居していたときはあんなにも酷い仕打ちで私を散々踏みにじったのに、どうして今更こんなことを言ってくるのか。許せなかった。
私はいつまでこんな怒りに苦しめられるのだろう。当の本人にはぶつけられない怒り。私の気持ちは、ぶつけたい、伝えたい相手には決して受け止められないのだ。
そんな苦々しさを抱えた私は、モラハラ被害者同盟の掲示板に初めて投稿した。このやり場のない混乱した想いを、誰かに話したかったのだ。身内でもなく友人でもなく、誰とも知らないが、同じ体験をして苦しんでいる人たちに。
誰かに理解して欲しかったのだ。モラハラ体験の恐ろしさと孤独を。そして夫の元からから飛び出し、ひとりになった私を。
これまでの押さえつけられていた怒り、支配されていた恐怖が夢にまで出てくる。
壮絶ですね。
ブログを書くことで又トラバになって苦しむ事でしょう。でも逆に言えばウメさんの心の整理がひとつずつ出来ていく事にもなるのかもしれませんね。
自分の心はかなり整理されてきたようなので、
「スルー」すべきところはかわし、
「突っ込みどころ」はのがさず、ガツンと言ってやります。(とりあえず再構築の道を選んだので)
目の前にいない敵とは戦えません。
夫が出張から帰ってくるのをてぐすね引いて待ち構えてる。ちょっと鬼嫁入ってますが、今はそんな状況です。
自分自身を取り戻すためにがんばります。
ウメさんが自尊心を取り戻したことから来る反動なのかなぁ。
ひとつひとつ吐き出して、楽になれると良いのですが・・
今日は冷え込みましたね。
暖かくなったかと思えば
厳しい冷え込みがあるのも春、といったところです。
夫への怒りも、別居後しばらくは収まらなかったですね。
穏やかに暮らしつつも、怒りや悲嘆を感じて
落ち込む日もありました。
フラッシュバック(のことですよね?)とは
こういう現象なのかと我ながら驚いたり。
でもモラハラサイトの掲示板やブログにコメントすることで
随分心が慰められました。
ブログを初めてからも、皆さんからの暖かい共感と励ましが
私の心を支えてくれます。
よーんにゃんさんも、いつもありがとうございます!
ウメより
はい、フラバ(フラッシュバック)です(汗)
ほんとに今日は寒かったですね。こちらは雪も舞っていました。でももう冬は終わり。
すぐ暖かい春ですね
私の場合、夫が泊まりがけの出張をする→「ほっとする」→「今のうちに友人と遊ぼうとする」→「在宅を確かめるしつこい自宅への電話で憂鬱になる」→「帰宅した夫から激しく無視される」の繰り返しでした(笑)。
それにしてもモラのやることにはホント、怒りを感じます。
あかねさんは恐れずにご自身の気持ちを
夫さんに伝えながら、がんばってみようと思われているのですね。
とても大切なことだと思います。
私も、もっと夫にきちんと自分を気持ちを伝えられたら…
と、思うこともありました。
しかし夫の反撃パンチは強烈で、あえなくノックアウトされましたが。。。
あかねさん、がんばってくださいね!
応援しています。
しんどくなったら、皆さんに相談してください!
きっといい知恵をいただけますよ~。
ウメより
そうですね~。
ひとりになって、安心してから気づく自分の気持ち…
それまでずっと自分を押し殺していましたね~。
別居直前も、夫からボロクソに言われて
ちゃぶだい(?)ひっくり返して
大暴れしたいくらいの怒りに駆られましたが
作戦作戦…と呪文を唱えて弱々しく振る舞っていましたからね。
夫といた頃の自分の気持ちをやっと取り戻して
やっとそれを感じる時ができたのでしょうか。
しばらく怒ったり泣いたりしていましたが
だいぶ今はすっきりしましたよ!
ありがとうございました~!
ウメより
そうなんですよね。
私の気持ちをわかってほしい、と相手にぶつけても
わかってもらえないし、相手は変わらないことがあるということ
それがよくわかりました。
人は言葉を尽くせばいつか理解してくれる、と思っていましたが
そうでない人もいるんだと思い知らされました。
(以前ベストセラーになった養老猛司の『バカの壁』に納得…)
夫との生活も過去のこととなりつつあります。
あの結婚生活は何だったんだろうと思いますが
それはそれとして、これからの人生を前向きに
楽しめたらいいなと思います。
西尾さんの365日メッセージが本になっていますが
ずっとそれを読んでいました。
自分の存在や想いを大切に!ですよね。
そしてこうやって、いろいろな方々と
モラハラについて話し、分かち合い、共感をいただいたこと
それが大きな癒しになっていると実感します。
またhachibe-さんのブログ、楽しみにしています。
ありがとうございます!
ウメより
ウメさんの無力感に歯軋りする思い手に取るように分かります
自分の中だけで消化するにはあまりに惨すぎると思います
それでもウメさんは堪えた。
本人にぶつけても無駄だと見極める事ができた
本当に凄いなと思います
ウメさんには感情に流されず自分に必要な物を選んでいく力があるのだと思います
私もその力を身につけられる様に頑張りたいなって思いました。
モラ夫と別居したら、さぞ晴れ晴れとした気分になるだろうと思っていたんです。怒りという揺り戻しがあるとは知りませんでした。
モラ夫と別居したら、さぞ晴れ晴れとした気分になるだろうと思っていたんです。怒りという揺り戻しがあるとは知りませんでした。
別居したあとまで苦しまなければならないとは、やはりショックです。
どんなにがんばっても、相手にまったく通じないときがある…
それを知ったときには絶望でした。
ただ、通じなくても、本当は相手に自分の気持ちを
ぶつけたほうがよかったのかもしれません。
たとえ理解し合えなくても、言うだけ言えばよかったのかも…
そうも思ったりします。
ただ自分の安全を第一に考えたので
我慢することにしてしまいました。
今はあまり我慢しないで、誰にでも
言いたいことが言えればいいなと思います。
ただ、言えるにも、「その時」があるのでしょうね。
かつて母親に対して私を理解してくれと迫ったことがありました。
でも母親は私の受け入れたくない部分は拒否しました。
娘を理解しない母親。
それをあきらめ手放すのに何年かかったことか…(笑)
そんなことをふと思い出します。
「変えられること」と「変えられない」ことを
見極める賢さが欲しいです。
ちっこさん、いつもありがとうございます~!
ウメより
私はモラ夫から離れて、安心し穏やかに暮らすことができました。
反面、我慢して自分を押し殺してきた反動が出てきます。
でもそれはきっと健康的反応とも思うのですよ。
だって、あまりに辛い体験を、別居した途端
ころっと忘れてしまうのもある意味「否認」で
無きことにしてしまうことによって
返って自分が見えなくなってしまいます。
モラ夫の前では無表情無感情を装っていても
自分の安心できる場で、正直な感情が現われるのは
一時期辛いですが、きっと必要だとも思います。
そうやって、辛かった自分を受け入れていく過程が必要なのでしょう。
よかったら「すずらん」さんのサイトを参考にしてください。
↓
http://www5a.biglobe.ne.jp/~with3/gyakutai/morahara/dassyutu.htm
マーチさん、時は必ず過ぎますよ。
他の皆さんもそうやってご自身を取り戻されています。
大丈夫、きっと!
ウメより
怒りとして吐き出すことで、心の傷は癒えていくものなのでしょうね。
閉じこめたままでは、傷はいつまでも膿んでいるでしょうから。
私はいま、自分の心に蓋をしていますが、その蓋をあけたとき、どんな怪物が飛び出すか、怖いけど興味津々です(笑)。
夜叉が一匹ひそんでいるのは確かです。
そのほかにもいろいろな化け物がひそんでいるんだろうな・・・。
もしかしたら、わたしの心は化け物屋敷になっているのかも(笑)。
開けてはいけない!いけない!と思って、ネガティブな感情を押し込めていても、いつか我慢が出来なくなって蓋を開けてしまう日が来るはず。
でも、悪感情(というか正当な怒りや口惜しさなんですけど)が全部飛び出した後には、希望が残っているんだと思う。
ウメさんもマーチさんも、未来は希望にあふれてますよ~。頑張って下さい!
化け物らしきものを明るい陽射しの中に出して見てみたら
愛すべきもの、抱きしめるべきものかもしれませんよ。
きっと、私達は自分自身の感情を恐れずに
もっと心の声(化け物?)を聴いてみると
実は元気が出るのかもしれません。
私なんて物騒なことに、「夫が入院してくれたら」
「夫が死んでくれたら」なんて悪魔のように思っていましたが
そこまで思ってしまう自分も哀れだなあ、と。
夫をどうにかするより、自分が可哀想でなくなる
ように
してあげなくっちゃ、とも感じました。
夫のために暗く荒んでくる自分より、
自分のために朗らかな人生を取り戻したいと。
マーチさん、大丈夫ですよ。
マーチさん、ご自身の心の声を大事にしてください。
きっと勇気がでますよ。
ウメより
その時には、自分の否定的なことばかりに目がいき、
憎しみや怒り、惨めさなどの強い感情に自分自身が
圧倒されてしまうのですが、
その感情が湧き起こる意味や理由を理解し
自分自身ががんばりすぎていたんだと認められれば
きっと、どうすればよいかがわかり、
希望の光が見えてくるのだと思います。
モラハラの意味を知り、自分の置かれている立場を知ったとき
私には希望が見えました。
それから、こうしてネットを通して応援してくださる
方々とめぐり逢えたこと。
それは大きな希望でしたよ~(^^)
おだまきさん、ありがとうございます~!
ウメより
別居できればいちばんいいのでしょうが、現実問題としてそれができないいま、せめて本来の自分を見失わないよう、自分の心を大切にしていきたいと思います。みなさんからいただいた勇気を心の支えにして。
マーチさんは、今できる最善のことをしていると思います。
私もある時は夫と話し合おうとし
ある時は夫に怒り、ある時は悲しみ、
ある時は関係を改善しようと努力し、
そしてその時に別居しました。
今、その時にできることをすればいいのだと思います。
マーチさんご自身がおっしゃるように
本来の自分を見失わず、
自分の心を大切にすること、
それが今のマーチさんにとって最善のことと思います。
その人によって、今できる最善のことって違います
マーチさん、きっと大丈夫。
今、マーチさんが思っていることを大切にしてくださいね!
ウメより