町田市議会決算特別委員会で、2012年度一般会計・特別会計決算が不認定となりました(日本共産党と民主党・社民・ネットが反対)。町田市議会史上、はじめてのことだそうです。
昨年度からスタートした「町田未来づくりプラン」と「新5ヵ年計画」。町田市立公園駐車場の有料化の破たん、町田市立陸上競技場と仮設メディアセンターなど、市民との矛盾が深刻化した結果ではないでしょうか。
以下、私がおこなった討論(要旨)を掲載します。
認定第1号、2012年度一般会計特別会計決算に対して、反対の立場で討論します。
はじめに一般会計決算についてです。昨年度は、市民の暮らしがますます苦しくなる中で、「住民の福祉の増進」という地方自治体本来の役割が鋭く問われる年となりました。市民から切実な要望のあった、小中学校普通教室へのエアコン完備やトイレ改修、認可保育所や特別養護老人ホームの増設をはじめいくつかの重要な施策がおこなわれたことは重要であります。
しかし、市民の暮らしの実態から見れば、さらに暮らしと福祉に予算の軸足を移すことが求められていた中で、以下のような問題点を指摘したいと思います。
第一に、総額200億円を超える新庁舎建設が完成し、移転、追加工事がおこなわれた点であります。完成した新庁舎を見た少なく方々から「市役所を新しくするよりも先に地域の市民センター、地域センターの利便性を向上させてほしい」という声を聞きました。不急の新庁舎建設に莫大な税金が投入され、さらに追加工事に2億円を超えるような税金が投入されることになりました。
第二に、この新庁舎建設に連動した大型開発計画が準備されている点であります。「都市間競争に勝ち抜く」というスローガンのもと、小田急町田駅北口、原町田1丁目の開発のための調査、また旧庁舎跡地の解体・整備がおこなわれましたが、これらは新たに莫大な財政出動を伴うものであり、まさに不急の事業です。
第三に、町田市立陸上競技場と仮設メディアセンターの推進がおこなわれた点であります。陸上競技場は総額で50億円、結果的に仮設メディアセンターが1回をのぞきプロサッカーチームのために使われたという事実を見ても、「住民合意の形成」もないままに、こうした施設整備は理解を得ることはできないと考えます。
第四に、「受益者負担の適正化」の名のもとに市立公園駐車場が有料化され、わずか4カ月で完全に破たんしたことであります。市の仕事は、「公共の福祉の増進」という法の趣旨を実現するために、誰もが気軽に楽しく行くことができる魅力ある公園をつくることであると考えます。また、その他にも「受益や負担の適正化」の名による市民負担増はやめるべきであります。
第五に、「市民協働」を掲げながら「行政経営改革」によって公的役割を後退させていったという点であります。正規職員数は全国でも最低クラスであり、昨年度は過労死ラインを超えるような働き方もありました。市民協働といいながら、まったく合意形成のおこなわれていない小中学校へのクラブハウス建設をおこなおうとしていることは重大な問題であります。また、病院事業会計への繰り出しは、経営基盤の安定、良質な医療の確保という視点からしっかりと繰り出しをおこなうことが必要です。
次に、国民健康保険事業会計についてです。
国保加入者の所得は減り続け、保険税の負担感が増えています。一般会計から繰り入れた財源は国保のために使うこと、10億円の繰り越しは保険税の負担を軽減するために使うことが必要です。また、さらなる丁寧な納付相談をおこない、原則として資格証明書、短期被保険証の発行はやめるべきであります。
次に、介護保険事業会計についてです。
昨年度は、基準額で月970円の値上げの一方で、国の施策によって、生活援助の時間削減がおこなわれました。介護保険の負担が重すぎるという声は年々切実さを増しています。「保険あって介護なし」から転換して、安心できる介護を実現するための施策が必要であります。
最後に、後期高齢者医療保険事業会計であります。
昨年度は保険料の値上げがおこなわれました。質疑でも、普通徴収の割合が増えたことに見られるように、年金の半分以上を介護保険料と後期高齢者医療保険料の支払いに当てなければならない高齢者が増えています。負担は限界を超えています。短期被保険証の発行はやめるべきです。
以上の理由で、反対といたします。
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┏┓池川友一|日本共産党町田市議会議員
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Jリーグヴァンフォーレ甲府サポの
なかじーと申します。
確かにサッカーに興味のない人にとって
直接的に恩恵はないかもしれませんが、
それによって地域全体が盛り上がれば
間接的に地域住民の益となります。
欧州と同じようにサッカーを文化として
根づかせる為には町田ゼルビアを
公共財として見ていただきたいと思います。
成功例としては1度我が町甲府を
ご視察いただけますと幸いです。
一方で池川議員の主張、スタンスに同意できない部分があります。例えば「仮設メディアセンターが1回をのぞきプロサッカーチームのために使われたという事実」という部分。FC町田ゼルビアは少年サッカーチームからボトムアップで立ち上がった草の根チームであり、広範な市民が参加するクラブです。私利私益を追い求める巨大資本ではなく、恵まれない待遇を受け入れて街おこしのために奮闘する中小企業です。にもかかわらず「プロサッカーチーム」という表現を、揚げ足取りのためのネガティブな意味でお使いになっているように受け取れます。
仮設メディアセンターの建設が拙速だった、合意形成が未熟だったというご主張は、市民派の皆さんの立ち位置からして当然でしょう。しかし市の支出は「一営利企業を優遇した」という話でなく、町田市民が参加したパブリックな活動を支援したという性質のものです。
池川さんに対する悪意はありませんし、若い方が政治の世界で奮闘されていることをとても嬉しく思うのですが、今回のご主張は残念です。
コメントありがとうございます。私自身は、サッカーを含め、スポーツは見るのもするのも大好きな一人です。
同時に、市政に携わる一人として予算をどう使うのかをしっかりとチェックする必要があると考えています。そうした観点から50億円の陸上競技場整備ではなく、市民の暮らし・福祉を優先にということでこうした討論をしました。
Jのチームが地元に密着してとりくみをされていることは、いろいろと調べたところです。機会があれば、甲府にも行ってみたいものです。
コメントありがとうございます。
FC町田ゼルビアがボトムアップでできた草の根チームということはまったく同じ意見です。私も一人のスポーツ好きとして、がんばってほしいと心から思っていますし、知り合いにはサポーターの方もいます。
同時に、町田市の予算をどう使うのかという点では、今回のやり方でよいとは言えないというのが討論の内容です。ここで問題にしているのは、ゼルビアそのものではなく、市長の政治姿勢です。限られた予算といい、暮らしに関わる予算を削減する一方で、50億円というのは容認しがたいというものです。
これまでも、サポーターのみなさま方とお話をさせていただく機会がありましたが、そうしたご意見もしっかり受け止めていきたいと思っています。
町田ゼルビアがJ1に上がれば全国ニュースで取り上げられて、今よりは支持を得られると思うんですけどね。それも中々難しそうだ…
「プロスポーツチーム」という言葉を使うのはいいと思います。問題はクラブと市民を対置させ、プロスポーツチームのためにしか使われなかったから施設整備が無意味だった、と結論付ける論理構成です。
> 池川議員
お答えありがとうございました。
予算の使い方について、様々なニーズがあり、利害の対立が発生することはとてもよく分かります。一方で日本の行政がスポーツに投資せず、ハードソフトともに先進国とは言い難い状況にあることも申し上げたいと思います。
Jリーグのクラブを援助をするどころか、営利目的だからという根拠で逆に割高な使用料を取る自治体も珍しくありません。この国の行政は文化、健康という価値を十分に理解していません。
オーストラリアではスポーツが盛んになれば医療費が下がり、結果的に元が取れるという試算もあるそうです。にもかかわらずこの国では未だに都市公園法、都市再開発法の“お情け”から、国の補助金が出てやっとスタジアム、球場を作っている現状があります。それは町田市が野津田公園のような不便な場所に、スタジアムを作ることになっている遠因でもあるでしょう。
石塚市長の政治姿勢に疑問を呈するというのは、共産党として自然なことだと思います。ただ党派の利益のために、せっかく育ち始めたカルチャーの芽を積むことがないよう、切にお願いする次第です。
コメントありがとうございます。ゼルビアにはがんばってほしいというのは、私も同じ思いです。
スポーツ予算が貧困なことは、私たちも一貫して指摘してきました。
また、「スポーツを通じて幸福で豊かな生活を営むことは、全ての人々の権利である」と謳っている、スポーツ基本法の精神に基づいて、とりくみをすすめるべきだという立場です。コメントありがとうございます。
日本共産党が先の参議院選挙で出したスポーツ政策を貼付けておきます。
http://www.jcp.or.jp/web_policy/2013/06/6.html