日本共産党都議会議員(町田市選出)池川友一「市民とつくる都政への架け橋」

日本共産党東京都議会議員の池川友一のオフィシャルブログです。地方政治の現場からいろいろと発信していきます。

吠えていたライオンが、穏やかな表情を取り戻した日──大阪市廃止を問う住民投票

2020-11-02 | 学んだこと、政策のこと

 大阪市廃止を問う住民投票が行われ、前回に続き反対多数で大阪市が存続することになりました。大阪市のみなさん、本当にお疲れさまでした。

 現地に行ったわけでも、現地の有権者の方々の知り合いがたくさんいるわけでもなく、Twitterなどを使って「大阪市の廃止反対」を訴えていたわけですが、開票速報を見ながら反対多数となったときは歓喜をあげました。

 当初、世論調査では賛成が10ポイント上回る調査が発表されるなど、賛成が優勢の情勢でした。

 ところが、大阪のみなさんはあきらめず、不屈に、正々堂々と「大阪市を廃止してはいけない」と訴えられました。

 沖縄の辺野古のたたかいで「勝つ方法はあきらめないこと」というのがありますが、大阪のたたかいはまさに「勝つ方法はあきらめないこと」を体現したものだったと思います。

 この大阪のみなさんの取り組みから多くを学ばされました。

■ノーサイドで市民と一緒に市政をすすめる

 市民の中に対立と分断を持ち込んだ二度の住民投票によって、反対派が多数派となったわけですが僅差です。

 前回が、反対705,585(50.38%)、賛成694,844(49.62%)。

 今回も、反対692,996(50.63%)、賛成675,829(49.37%)。

 反対多数が確実となった後、明るい民主大阪府政をつくる会や大阪市をよくする会が行った記者会見で、次のように語られたことがとても印象的でした。

 「これでノーサイド(終了)にして、制度いじりではなく、当たり前の自治体に戻しながら、政令市を残してよかったと思っていただけるよう市民と一緒に市政をすすめていきたい」(山中智子市議団長)

 「大阪市を守り生かそうと市民の良識が発揮されたもので、賛成に投票された方も大阪市をよりよくしたいという思いは共通。政令市の力を生かして市民の命、暮らしと営業を守るためにすべてのみなさんと力を合わせていきたい」(柳府委員長)

 特に、山中市議団長の発言は、本当に胸を打ちました。

 今回の「都構想」がいかに住民の暮らしや福祉に影響があるのか。テレビ討論で松井市長と論戦し、その矛盾を突いてきた先頭に立ってきた方が、「ノーサイドにして」と発言された背景には、この住民投票で大阪市民の中に対立と分断が持ち込まれたことの深刻さを感じてのことではないかと強く思いました。

 絵本作家の長谷川義史さんは、大阪市廃止反対の声を上げ続付けてきました。

 私は、長谷川さんの絵本のファンで、子どもたちにも読み聞かせしています。今回の住民投票で、長谷川さんの描いたライオンが素晴らしかったなと強く思っています。

 住民投票の関連で、長谷川さんは3枚の作品を発表されています。

 最初の作品はこれ。

  • 大阪市なくなってほんまにええんかよー考えてや!ライオン
    大阪市廃止に反対!!都構想に、NO!

 次の作品がこれ。投票日の当日に発表された作品です。

  • ええお天気 さぁ!投票に行ってこよう!
    大阪市廃止でええん?住民投票

 そして最後がこれ。

  • No Side

 住民投票中、ライオンは吠えていました。しかし結果が出た翌日のライオンは穏やかな表情を取り戻したのです。

 この絵は、山中市議団長が「これでノーサイド(終了)にして、制度いじりではなく、当たり前の自治体に戻しながら、政令市を残してよかったと思っていただけるよう市民と一緒に市政をすすめていきたい」と発言していたこととも通じるものがあります。

 地方自治体は「住民の福祉の増進」が目的です。住民の福祉の増進とは、一人ひとりの暮らしを支え、充実していくという意味です。今回の大阪市廃止を問う住民投票から、私は地方自治体が果たすべき役割とは何かを学ばされました。

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