霞ヶ浦のほとりで

徒然なるままに

ワークショップ

2020-09-24 12:32:12 | 地磁気観測の思い出

写真はあるハプニングで中国の男性からもらった獅子の彫刻とカザフスタンの女性からの人形です。


地磁気の測器には国際的な原器とか基準器はないので、各国の測器の精度が保たれていることを確認するため測器を持ち寄っての比較観測を行うワークショップが2年毎に持ち回りで行なわれています。2004年11月には日本で開催されて17ヵ国が参加しました。

私もスタッフとして比較観測のスケジュールや器械台の割り振り、観測値の計算整理などを担当しました。また特殊な機器なので持ち込みや搬出などで成田税関との打合せや申請手続きをしました。


そして、いよいよ来日する各国の参加者を手分けして成田空港に迎えに行くことになり、私はカザフスタンの女性科学者をつくば市のホテルまで送る担当になりました。到着ロビーで welcome IAGA workshop と書いた紙を掲げて待っていたところ、中国人の男性がニコニコと話しかけて来ました。あまり通じないので彼はパソコンをひろげて一生懸命説明します。どうやら筑波大学主催の別のワークショップに来たようなのですが、肝心の連絡先や宿泊ホテルなどの情報がなく要領を得ません。相手もどうしてよいのか分からないようで何時までも私から離れません。暗くなりカザフスタンの女性もイライラしているようなので、とりあえずつくば市まで同行することになりました。


彼女が宿泊ホテルに着いた時は20時を過ぎて真っ暗になってました。それから筑波大学へ行き守衛室で経緯を説明しましたが、日曜日であり会議の確認や担当者の連絡がなかなか取れず2時間程経ち、不安顔な彼にダメだったら今夜は我が家に泊まれるからと安心させました。やっと正式な会議参加者と確認が取れて構内のゲストハウスに泊まることができたので、持っていたパンやお菓子を渡しサヨナラの握手をしました。別れ際に彼は鞄の中から取り出したこの彫刻を渡そうとするので、本来渡すべき人がいるものと考えて断ったのですが、ぜひ気持ちを受け取って欲しいと引き下がりませんでした。


後日、会議の責任者の筑波大学の先生からお礼のメールがありました。河川関連のワークショップで、中国では重要なポストの人だったとのこと。到着日は成田空港のホテルが手配されていたのですが、何かの手違いで案内メールが届かなかったようで、その結果ホテルの美味しい料理が、暗いゲストハウスで独りパンをかじる姿を想像し可哀想やら可笑しいやらの思い出となりました。


この彫刻、獅子の口の中に毬が入っているのですがその大きさから外から入れられないので口の中で彫ったものと思います。





最新の画像もっと見る

コメントを投稿