山上の垂訓。イエス十二弟子に祈祷(いのり)の秘密を示す!!
このような分かり易い『山上の垂訓』はこれまで聞いたことも、読んだこともない。
<記事に無関係>
さりとて、聖書の『山上の垂訓』とその優劣に差があろうか。
《参考に座右の舊(きゅう=旧)新約聖書(日本聖書協会発行)より一部抜粋》
第六章
1)汝ら見られんため己が儀を人の前にて行わぬように心せよ。然らずば、天にいます汝らの父より報いは得じ。
2)さらば施済(ほどこし)をなすとき、偽善者が人に崇められんとて会堂や街(ちまた)にて為すごとく、己が前にラッパを鳴らすな。誠に汝らに告ぐ。彼らは既にその報いを得たり。汝は施済(ほどこし)をなすとき、右の手のなすことを左の手に知らすな。これは施済(ほどこし)の隠れん為なり。然らば隠れたに見たまう汝の父は報い給わん。
3)なんじら祈るとき、偽善者の如くあらざれ。彼らは人に顕わさんとて、会堂や大路の角に立ちて祈ることを好む。誠に汝らに告ぐ。かれらは既に報いを得たり。なんじは祈るとき、己が部屋にいり、戸を閉じて、隠れたるに在す汝の父に祈れ。されば隠れたるに見給うなんじの父は報い給わん。また祈るとき、異邦人のごとく徒に言を反復するな。彼らは言多きによりて聴かれんと思うなり。さらば彼らに倣うな、汝らの父は求めぬ前に、なんじらの必要なる物を知り給う。
この故、汝らは斯く祈れ。「天にいます我らが父よ、願わくは、御名の崇めれん事を。御国の来たらんことを。御意の天野如く、地にも行われん事を。我らの日用の糧を今日も与え給え。我らに負債ある者を我らの赦した如く、我らの負債をも赦し給え。我らを試みに遇せず、悪より救い出し給え」 汝等もし人の過失を免さば、汝らの天の父も汝らを免し給わん。もし人を免さずば、汝らの父も汝らの過失を免し給わじ。
なんじら断食するとき、偽善者のごとく・・・・・・・・・以下略(マタイ伝より)
確かに、文語は読んでいて格調がある。これはそれに馴染んでいるからで、他に理由はない。むしろ、若い人には馴染みにくいかも知れない。お経を馴染んでいるものにとっては、朗々たるお経をより有り難く感ずるのと同じである。
しかし、意味を解しなくては何の意味もないのであろう。やはり分かり易いに越したことはない。大切なのは内容である。
祈祷(いのり)は大切だ。自分の心の想いを神の思念と同調させることである。決して、御願いすることばかりではない。願いもあろうが、それは既に知られていると考えるべきである。又、そうでなければ、神の神たる所以がない。そう考えることは極めて妥当なことだ。
その意味で、聖書の中でも、山上の垂訓程、格調の高い聖句はない。
はたして、信仰に正邪の区別があるとしたなら、ここであろう。信仰とは心の発露であって、余人を介する必要はない。よって、他人がどうこう言う必要はないのであるから、又、他人がどう判断するかを頓着する必要もないことである。
偽善とは、常に他人を条件としている。あるいは神すらも他人の領域に容れている。だから、ひたすらに媚びへつらうのである。神は心の内に生わせる。人はすべからく、神の子だからである。
山上の垂訓。イエス十二弟子に祈祷(いのり)の秘密を示す。模範的祈祷(いのり)。赦免(ゆるし)のおきて。聖なる断食。詐欺の悪。ほどこし。
翌朝日の出まえにイエスと十二弟子は祈りのために海辺の山に行った。そしてイエスは祈祷(いのり)の方法を弟子たちに教えて言った、
「祈祷(いのり)は神と魂との深き交わりである。あなたがたが祈る時、偽善者のように、人の耳を喜ばすように、街や会堂に立って、ながたらしい言葉を述べ立ててはならない。
彼らは人の評判を博するために信心深い様子をして言葉を飾り立てる。彼らは人の評判を求めるが、そのむくいは確かだ。しかしあなたがたが祈る時は、魂の密かな室(へや)に入り、戸をすっかり閉じ、聖なる瞑想で祈るがよい。
数多き言葉を言うに及ばない。また異邦人のように何度も同じ言葉を繰りかえす必要もない。ただこの通りに折るのだ。
『天にいますわれらの父よ、聖名(みな)のあがめられるように。御国の来るように。御心の天に行われるごとく、地にも行われるように。われらになくてならぬ食べものを今日も与え給え。
すべてわれらの負債(おいめ)ゆるして下さるように、ほかの人々がわれらに負う負債(おいめ)を忘れさせ給え。
われらに堪えがたき大きな誘惑者のわなにかからぬようにわれらを守り給え。
かかるわなが来れば、これに打ち勝つ力を与え給え。』
もしあなたがたが神と人に負うすべての負債、またあなたがたが勝手におきてを犯した負債からゆるしてもらいたいなら、あなたがたはすべての人の負債をゆるしてやらねばならぬ。それはあなたがたが人にしたように、、神はあなたがたにするであろうから。
断食する時、それが人目につかぬようにするがよい。
断食する時、偽善者はわざと化粧して陰気な顔つきをし、信心深そうな姿をして断食していることを人目に見せようとする。断食は魂の行為(おこない)で、祈祷と同じく魂の声なき行為である。
神は決してどんな祈祷、断食も見のがし給わない。神は沈黙のなかを歩み、その祝福は魂の全ての努力にそそがれる。
詐欺(いつわり)は偽善であるから、事実と違う自分を示そうとしてはならない。
おのが信心振りをみせびらかすような特別のみなりをしたり、人が聞いて神聖な声と思うような音調を発してはならぬ。
また困った人々を助けようとする時、街頭や会堂で自分のほどこしものを広告するために、ラッパを吹いたりしてはならない。人にほめられようとしてほどこしをする者は、人から報酬を受けるが、神はこれを顧(かえり)みたまわない。
ほどこしをする時は、右の手に左の手の秘密を知らせてはならない。」
【宝瓶宮福音書:栗原 基訳】
第十六部 イエスのキリスト者奉仕の二年目
第九十四章 山上の垂訓。イエス十二弟子に祈祷の秘密を示す。模範的祈祷。赦免(ゆるし)のおきて。聖なる断食。詐欺の悪。ほどこし。
1)翌朝日の出まえにイエスと十二弟子は祈りのために海辺の山に行った。そしてイエスは祈祷の方法を弟子たちに教えて言った、
2)「祈祷は神と魂との深き交わりである。
3)あなたがたが祈る時、偽善者のように、人の耳を喜ばすように、街や会堂に立って、ながたらしい言葉を述べ立ててはならない。
4)彼らは人の評判を博するために信心深い様子をして言葉を飾り立てる。彼らは人の評判を求めるが、そのむくいは確かだ。
5)しかしあなたがたが祈る時は、魂の密かな室(へや)に入り、戸をすっかり閉じ、聖なる瞑想で祈るがよい。
6)数多き言葉を言うに及ばない。また異邦人のように何度も同じ言葉を繰りかえす必要もない。ただこの通りに折るのだ。
7)『天にいますわれらの父よ、聖名(みな)のあがめられるように。御国の来るように。御心の天に行われるごとく、地にも行われるように。
8)われらになくてならぬ食べものを今日も与え給え。
9)すべてわれらの負債(おいめ)ゆるして下さるように、ほかの人々がわれらに負う負債(おいめ)を忘れさせ給え。
10)われらに堪えがたき大きな誘惑者のわなにかからぬようにわれらを守り給え。
11)かかるわなが来れば、これに打ち勝つ力を与え給え。』
12)もしあなたがたが神と人に負うすべての負債、またあなたがたが勝手におきてを犯した負債からゆるしてもらいたいなら、
13)あなたがたはすべての人の負債をゆるしてやらねばならぬ。それはあなたがたが人にしたように、、神はあなたがたにするであろうから。
14)断食する時、それが人目につかぬようにするがよい。
15)断食する時、偽善者はわざと化粧して陰気な顔つきをし、信心深そうな姿をして断食していることを人目に見せようとする。
16)断食は魂の行為(おこない)で、祈祷と同じく魂の声なき行為である。
17)神は決してどんな祈祷、断食も見のがし給わない。神は沈黙のなかを歩み、その祝福は魂の全ての努力にそそがれる。
18)詐欺(いつわり)は偽善であるから、事実と違う自分を示そうとしてはならない。
19)おのが信心振りをみせびらかすような特別のみなりをしたり、人が聞いて神聖な声と思うような音調を発してはならぬ。
20)また困った人々を助けようとする時、街頭や会堂で自分のほどこしものを広告するために、ラッパを吹いたりしてはならない。
21)人にほめられようとしてほどこしをする者は、人から報酬を受けるが、神はこれを顧(かえり)みたまわない。
22)ほどこしをする時は、右の手に左の手の秘密を知らせてはならない。」
【原文:The Aquarian Gospel of Jesus by Levi H. Dowling 】
SECTION XVI
AIN
The Second Annual Epoch of the Christine Ministry of
Jesus
CHAPTER 94
The Sermon on the Mount. Jesus reveals to the twelve the secret of
prayer .
The model prayer.
The law of forgiveness. The holy
fast. The evil of deceit. Almsgiving.
NEXT
morning ere the sun had risen Jesus and the twelve went to a mountain near the
sea to pray; and Jesus taught the twelve disciples how to pray. He said,
2) Prayer is the deep communion of the soul with
God;
3) So when you pray do not deceive yourselves as do the hypocrites who love to
stand upon the streets and in the synagogues and pour out many words to please
the ears of men.
4) And they adorn themselves with pious airs that they may have the praise of
men. They seek the praise of men and their reward is sure.
5) But when you pray, go to the closet of your soul;
close all the doors, and in the holy silence, pray.
6) You need not speak a multitude of words, nor yet repeat the words again and
then again, as heathen do. Just say,
7) Our Father-God
who art in heaven; holy is thy name. Thy kingdom come; thy will be done on
earth as it is done in heaven.
8) Give us this day our needed bread;
9) Help us forget the debts that other people owe to us, that all our debts may
be discharged.
10) And shield us from the tempter's snares that are too great for us to bear;
11) And when they come, give us the strength to overcome.
12) If
you would be discharged from all the debts you owe to God and man, the debts
you have incurred by wilfully transgressing law,
13) You must pass by the debts of every man; for as you deal with other men
your God will deal with you.
14) And when you fast you may not advertise the deed.
15) When fast the hypocrites they paint their faces, look demure, assume a
pious pose, that they may seem to men to fast.
16) A fast is deed of soul, and like a prayer, it is a function of the silence
of the soul.
17) God never passes by unnoticed any prayer, or fast. He walks within the
silence, and his benedictions rest on every effort of the soul.
18) Deception is hypocrisy, and you shall not assume to be what you are not.
19) You may not clothe yourselves in special garb to advertise your piety, nor
yet assume the tone of voice that men conceive to be a holy voice.
20) And when you give to aid the needy ones, blow not a trumpet in the street,
nor synagogue to advertise your gift.
21) He who does alms for praise of men has his reward from men; but God
regardeth not.
22) In giving alms do not let the right hand know the secret of the left.
【続く】