飄(つむじ風)

純粋な理知をブログに注ぐ。

不思議な少年!! その53

2009-09-04 13:04:19 | 物語

イエス、 第五テストに合格し、『壮烈』の称号を受ける!!


 マンガティックに捉えられる向きもあろう。それでも結構。しかし、重要な真理を含んでいる。

 それは、魂は偉大なる創造者であると言うことだ。普段、何気なく暮らしていると、肉体の限界を超えることは出来ない。そればかりか、肉体の限界は、その先を不安や恐怖と捉える向きもある。そうするとそれは実現するという示唆である。


 壮烈と言うことは、魂に於いて壮烈という意味である。壮烈であれ、さすれば苦難と思われるものもただの幻となる。実際、不安や恐怖は人間の限界が作り出した幻影に過ぎないと語っている。


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<楠:記事に無関係


 ここで、魂とは何かという問題があるが、深く掘り下げることも可能だが、字数が限られるので一言で済ましておく。不生不滅、不増不減なるものである。つまり、永遠に無くならないものである。


 イエスは、肉体にありながら、その真理を体得していた。そして、見事にその事を実践してみせるのである。


 故に、壮烈なる称号を授けられたと解する。


イエス神殿の森で四十日をすごす。兄弟団の第五テストに合格し、壮烈の称号を受ける。


 聖殿の森には彫像、記念碑、社(やしろ)など数々あった。イエスはここを散歩しながら瞑想に耽るのが気に入った。自我を克服して四十日間この森の中で自然と語り合った。


 それから案内者は彼の手足を鎖でしばりつけた。そして彼を飢えている動物、けがれた鳥類や爬虫類の居る洞窟にほうりこんだ。洞窟のなかは夜のように暗い。野獣は吼え、鳥はものすごく叫び、蛇はシューシューと唸った。


 そこでイエスは言った、「誰ががこんなにわたしをしばったのか。なぜわたしは素直に鎖につながれながらじっとしているのか。お前たちに言う、何物も人間の魂をしばりつける力はない。足かせは何で出来ているのか。」


 それから、彼は力を振い出して立ち上がった。すると鎖と思っていたのは、つまらない細縄で、手が触れると解けてしまった。


 彼は呵々と大笑して言った、「地上の死骸に人々をしばりつける鎖は、空想の工場でつくられたものであって、空気ででき、幻想の火で鍛えられたものだ。人がすっくと立ちあがってカ一杯ふんばれば、鎖は弱いぼろのように解けてしまう。それは意志と信仰は、人間がこれまで造ったどんな丈夫な鎖よりも強いからなんだ。」


 それからイエスは飢えた鳥獣の中に突っ立って言った、「わたしをとりまくこの暗黒は何か。これは単に光の無いこと。また光とは何か。これは迅速な思想のリズムを振動する神の気息(いき)に外ならぬ。」


 それから彼は光あれと言って、強い意志を振ってエーテルを振い動かした。振動は光の程度に達したので光が現われた。その夜の洞窟は生れたばかりの日の明るさとなった。

 それから目を注いで鳥獣虫類を見れば、見よ、もう何も居ない。


 そこでイエスは言った、「魂は何を恐れるか。恐怖とは人を死につれて行く乗物だ。それから自分が死者の室内に居ると、だまされていることが分かる。乗物は仮りのもの、死は空想の子であった。しかし、何時か人の修業がみな終われば、けがれた禽獣虫類の洞窟から出て光のなかを歩むだろう。」


 そしてイエスは黄金の梯子(はしご)を見たので、これに登れば、頂上には白衣の僧が待っていた。


 イエスは再び審判廷の前に立った。聖師は再び言葉もなく手をのばして彼を祝福した。聖師は壮烈(HEROISM)と記された巻物をイエスの手に渡した。

 ロゴスは恐怖と一切の幻想群に逢って、首尾よくこれに打ち勝ったのである

 

 

【宝瓶宮福音書:栗原 基訳】  

            

  第十一部 エジプトでのイエスの生活と行動 

 

第五十二章 イエス神殿の森で四十日をすごす。兄弟団の第五テストに合格し、壮烈の称号を受ける。

1)聖殿の森には彫像、記念碑、社(やしろ)など数々あった。イエスはここを散歩しながら瞑想に耽るのが気に入った。

2)自我を克服して四十日間この森の中で自然と語り合った。

3)それから案内者は彼の手足を鎖でしばりつけた。そして彼を飢えている動物、けがれた鳥類や爬虫類の居る洞窟にほうりこんだ。

4)洞窟のなかは夜のように暗い。野獣は吼え、鳥はものすごく叫び、蛇はシューシューと唸った。

5)そこでイエスは言った、「誰ががこんなにわたしをしばったのか。なぜわたしは素直に鎖につながれながらじっとしているのか。

6)お前たちに言う、何物も人間の魂をしばりつける力はない。足かせは何で出来ているのか。」

7)それから、彼は力を振い出して立ち上がった。すると鎖と思っていたのは、つまらない細縄で、手が触れると解けてしまった。

8)彼は呵々と大笑して言った、「地上の死骸に人々をしばりつける鎖は、空想の工場でつくられたものであって、空気ででき、幻想の火で鍛えられたものだ。

9)人がすっくと立ちあがってカ一杯ふんばれば、鎖は弱いぼろのように解けてしまう。それは意志と信仰は、人間がこれまで造ったどんな丈夫な鎖よりも強いからなんだ。」

10)それからイエスは飢えた鳥獣の中に突っ立って言った、「わたしをとりまくこの暗黒は何か。

11)これは単に光の無いこと。また光とは何か。これは迅速な思想のリズムを振動する神の気息(いき)に外ならぬ。」

12)それから彼は光あれと言って、強い意志を振ってエーテルを振い動かした。振動は光の程度に達したので光が現われた。

13)その夜の洞窟は生れたばかりの日の明るさとなった。

14)それから目を注いで鳥獣虫類を見れば、見よ、もう何も居ない。

15)そこでイエスは言った、「魂は何を恐れるか。恐怖とは人を死につれて行く乗物だ。

16)それから自分が死者の室内に居ると、だまされていることが分かる。乗物は仮りのもの、死は空想の子であった。

17)しかし、何時か人の修業がみな終われば、けがれた禽獣虫類の洞窟から出て光のなかを歩むだろう。」

18)そしてイエスは黄金の梯子(はしご)を見たので、これに登れば、頂上には白衣の僧が待っていた。

19)イエスは再び審判廷の前に立った。聖師は再び言葉もなく手をのばして彼を祝福した。

20)聖師は壮烈(HEROISM)と記された巻物をイエスの手に渡した。

21)ロゴスは恐怖と一切の幻想群に逢って、首尾よくこれに打ち勝ったのである。

 

【原文:The Aquarian Gospel of Jesus by Levi H. Dowling  

SECTION XI<o:p></o:p>

CAPH<o:p></o:p>

Life and Works of Jesus in Egypt<o:p></o:p>

<o:p> </o:p>

CHAPTER 52<o:p></o:p>

Jesus spends forty days in the temple groves.
Passes the fifth brotherhood test and receives the fifth degree, HEROISM.
<o:p></o:p>

THE sacred temple groves were rich in statues, monuments and shrines; here Jesus loved to walk and meditate.
2) And after he had conquered self he talked with nature in these groves for forty days.
3) And then the guide took chains and bound him hand and foot; and then cast him into a den of hungry beasts, of unclean birds, and creeping things.
4) The den was dark as night; the wild beasts howled; the birds in fury screamed; the reptiles hissed.
5) And Jesus said,
Who was it that did bind me thus? Why did I meekly sit to be bound down with chains?
6) I tell you, none has power to bind a human soul. Of what are fetters made?
7) And in his might he rose, and what he thought were chains were only worthless cords that parted at his touch.
8) And then he laughed and said,
The chains that bind men to the carcasses of earth are forged in fancy's shop; are made of air, and welded in illusion's fires.
9) If man will stand erect, and use the power of will, his chains will fall, like worthless rags; for will and faith are stronger than the stoutest chains that men have ever made.
10) And Jesus stood erect among the hungry beasts, and birds, and said,
What is this darkness that envelops me?
11) "Tis but the absence of the light. And what is light? 'Tis but the breath of God vibrating in the rhythm of rapid thought.
12) And then he said,
Let there be light;
and with a mighty will he stirred the ethers up, and their vibrations reached the plane of light; and there was light.
13) The darkness of that den of night became the brightness of a newborn day.
14) And then he looked to see the beasts, and birds, and creeping things; lo, they were not.
15) And Jesus said,
Of what are souls afraid? Fear is the chariot in which man rides to death;
16) And when he finds himself within the chamber of the dead, he learns that he has been deceived; his chariot was a myth, and death a fancy child.
17) But some day all man's lessons will be learned, and from the den of unclean beasts, and birds, and creeping things, he will arise to walk in light.
18) And Jesus saw a ladder made of gold, on which he climbed, and at the top the white-robed priest awaited him.
19) Again he stood before the council bar; again no word was said; again the hierophant reached forth his hand to bless.
20) He placed in Jesus' hand another scroll, and on this one was written, HEROISM.
21) The Logos had encountered fear and all his phantom host, and in the conflict he achieved the victory.
 <o:p></o:p>

【続く】