TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

明日を綴る写真館

2024年06月16日 | 映画鑑賞日記

6月11日、映画『明日を綴る写真館』を見に行ってきました。昔、岡崎由紀さんがバスガイド役のドラマでバスの運転手さんの役を平泉さんがされてたのを見たことがあり、そのドラマで初めて平泉さんを知りました。いろいろな役をして来られた平泉成さんが初主役を務められたとテレビで知ってどんな映画なんだろう見てみたいなあと思ってました。

この映画は愛知県の岡崎で写真館を営んでいる鮫島(平泉成さん)の下に東京で売れっ子の写真家として仕事をしていた太一(佐野晶哉さん)が写真館にやって来ます。太一は鮫島の写真から音を感じ打ちひしがれ、弟子にして欲しいと懇願し、鮫島の下で修業を重ねたいと思ってはるばる東京から岡崎までやって来たのでした。太一が子供の頃、見た桜をバックにして撮影された写真と同じ思いを感じ、その写真が誰が撮影したのかずっとわからなかったけれど、その写真から感じた同じものを鮫島の写真から感じたからでもありました。鮫島の写真館で修行していくうち、写真館にやって来た町の人々と出会います。遺影を撮影してもらいに来た牧(佐藤浩市さん)の思い出を引き出して遺影を撮影する仕事を請け負ったり、町でケーキ屋さんを営む杉田親娘(田中健さんと咲貴さん)と仲良くなり、ケーキ屋さんの経営難を助けたり、鮫島の妻・桜(市毛良枝さん)とも次第に親密になって行きました。また、太一の母親(黒木瞳さん)と父親(高橋克典さん)は太一が子供のときに離婚していたのですが両親との距離を縮めて行く様や鮫島とその息子(嘉島陸さん)の親子関係を修復していく様も織り交ぜながらそれぞれ親子の関係に焦点を当てながらストーリーは進んで行きます。

この映画は、写真撮影という仕事を通してその仕事の真髄や暮らしぶりが穏やかに優しく描かれていた作品だった気がします。主役は太一役の佐野さんかもと思うようなシーンが目立っていましたけれど、鮫島が写真撮影の仕事で培ってきた経験から自然に発せられている言葉の数々や写真1枚1枚に掛ける思いが若い太一では物語れないような多くの大切な言葉をところどころで語っておられたシーンがたくさん出てきていたのを振り返ると、目に見えない奥深さや深淵をしっかり演じ切っておられたのは平泉さんでしたし、この映画ではなくてはならないシーンやセリフを見る人の心に植え付けておられたのはやっぱり平泉さんだったなあと思いました。写真1枚1枚に潜んでいる人々の思い入れや写真を撮影するときに被写体を通して自分を映しているんだという言葉を投げ掛けられていたシーン、思い出を辿りたいけれどその一瞬しか映してくれていない思い出の一かけらの写真の大切さを自ら行動で示しておられたシーンなど平泉さんの演技が光っていたシーンが多かったです。

見終えると優しい気持ちや元気をもらえた気がしました。写真を仕事にしている人々の写真に掛ける思いや熱意が伝わってきたいい映画だったと思います。

鮫島も太一もニコンのカメラで撮影されていたのが印象に残りました。赤井英和さんのラーメン屋さんや病院のベットで写真を見たいと伏せていた美保純さんが出演されていたのも印象に残りました。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 6月15日 | トップ | ディア・ファミリー »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。