TULIP DIARY

届くといいな やさしい風に乗って

ディア・ファミリー

2024年06月16日 | 映画鑑賞日記

6月14日、梅田にある映画館でこの日公開初日だった映画『ディア・ファミリー』を見に行きました。

この映画は、幼い頃に心臓疾患で余命10年と宣告された娘のために人工心臓の開発に挑んだ東海メディカルプロダクツ筒井宣政氏とその家族の実話を基に描かれた作品です。主人公の坪井宣政は大泉洋さん、その妻・陽子は菅野美穂さん、心臓に先天的な疾患を抱えていた娘・佳美は福本莉子さん、佳美の姉の奈美は川栄李奈さん、佳美の妹の寿美は新井美羽さんが演じておられました。

医師から佳美が余命10年と宣告され、小さな町工場を営んでいた坪井宣政とその妻陽子は、絶望に打ちひしがれてしまいますが、陽子の後押しもあり、何もしない10年より不可能に挑む10年を選択し、医療機器開発ではずぶの素人だった宣政を動かし、家族全員、ともに協力してくれる人たちと人工心臓の開発に懸命に立ち向かって行く姿が描かれて行きます。最初のほうのシーンで、知識やノウハウを学ぶために、坪井が大学の講義に潜り込んだり、本を読んで研究したり、有識者に頭を下げ、資金を提供したり、人工心臓を開発するために前途多難の道程において絶えず凄まじい愛のエネルギーを醸し出しながら進んで行く姿が映し出されて行きました。愛する娘佳美の命を救いたいという一心で、人工心臓を作るために何十年も掛けて取り組んで行く坪井とその家族たちの真剣な姿と家族愛が時を追って描かれて行きましたが、時は待ってくれませんでした。たとえ人工心臓が完成したとしても佳美の完治は難しいと新たに医師に宣告されてしまいます。人工心臓の開発にともに取り組んでいた研究医たちも研究終了を余儀なくされてしまいます。打ちひしがれる坪井と家族たちでしたが、佳美が宣政に語った言葉で、さらに立ち上がって行く強くて逞しい坪井の姿が描かれて行きました。佳美が語った言葉を佳美の永劫の願いだと受け止め、カテーテルの開発に取り組んで行く姿が後半では描かれて行きました。

この映画では坪井たち家族が何度も絶望に打ちひしがれて行くシーンが何回も随時挿入されていました。その絶望感をもクリアするようなシーンが挿入されていたシーンが印象的でした。佳美が作文風に「家の家族はあきらめが悪いのです。」と自ら書いた日記を読むシーンです。この映画の根底に潜んでいた確固たる信念「あきらめない」ことの大切さはこの映画の主題のひとつだったような気がします。親が娘を思う、娘が親を思う家族愛もこの映画の大切な主題のひとつでしょうが、家族愛の奥に潜むこのあきらめなかった確固たる信念はなかなか真似できないような立派な決意だったと思います。坪井の努力や道のりを見て来た周りの人々の心を動かしたようなあきらめなかった精神は多くの人々の心に届き行動に繋がり、世界で17万人もの人々の命を救ったバルーンカテーテルの開発に繋がって行ったのを見るとなおさらそう思いました。何かを成し遂げた後、「次はどうする?」とさらに前向きに取り組んで行こうとする姿勢は人が生きて行く上でのお手本になる基本的な姿勢であることを暗に教えてくれていたようにも思いました。オススメの映画です。


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