「弱さを愛する神」 創世記 1章4~16節
カインは、土の実りを捧げましたが、神さまから顧みられませんでした。自分の思い通りにならなかったカインは怒り、神さまから顔を背けました。神さまは、なぜアベルの捧げ物を顧み、カインの捧げ物を顧みられなかったのでしょうか。聖書には、その理由について何一つ説明されていません。
神さまは、カインに「どうして怒るのか、どうして顔を伏せるのか。もしお前が正しいのなら、顔を上げられるはずではないか。正しくないなら、罪は戸口で待ち伏せており、お前を求める。お前はそれを支配せねばならない。」と言われました。
自分の思い通りにならなくて怒り、神さまから顔を背けたカインは、弟アベルを殺害し、兄弟殺しという大罪を犯しました。カインは、呪われた者となり、命の危険におびえながら地上をさすらう者となりました。しかし、神さまは、大罪を犯したカインにしるしを付けられ、誰もカインを傷つけることがないようにされました。
この物語は、神さまに背き、希望を失い弱さを覚える人たちの慰めとなります。とりわけ、バビロン捕囚の状況にあったイスラエルの民にとって、希望の御言葉であったに違いありません。弱さの中にあったとしても、背く者をも愛してくださる神さまを信頼し、自分の思い通りにならないからといって怒ったりせず、神さまに顔を向けて歩めるようでありたいと思います。