「今日の小さなお気に入り」 - My favourite little things

古今の書物から、心に適う言葉、文章を読み拾い、手帳代わりに、このページに書き写す。出る本は多いが、再読したいものは少い。

それはそれはわかりやすい世界 Long Good-bye 2024・09・28

2024-09-28 06:06:00 | Weblog

 

 

 今日の「 お気に入り 」は 、田原総一郎さんと佐藤優さんの

 共著  「 人生は天国か 、それとも地獄か 」( 白秋社 刊 ) から 、

 「 高齢者 」一歩手前の 佐藤優さんから「 高齢者へのネット

 活用のおすすめ 」。佐藤さんにしては 、随分 ぬるい 、のん

 きなコメントをなさってるように聞こえるのは私だけ ?  

  令和の時代になって 、ネットを活用する余裕のない 、その日

 暮らしのお年寄りや 、ジェンダーや老若にかかわらず 、その

 予備軍が 、めっきり増えてしまったような気もします 。

  引用はじめ 。

 「 いまの高齢者を見ていると 、インターネットを
  使いこなしているタイプと 、パソコンに触るのも
  嫌というタイプ 、大きく二つに分かれているよう
  に思います 。ネットツールを使いこなせると 、コ
  ミュニケーションの幅も広がるし 、娯楽や学びの
  面でも選択肢がぐっと増えます 。」

 「 若い世代では 、テレビはほとんど観ずに 、 
  『 YouTube 』や『 Netflix 』、あるいは『 Amazon 
  プライム 』などを観ているという人が多いのです 。
  こうしたツールで話題の作品などを観ていると 、 
  家族と話をする際の共通の話題になると思います 。」

 「 ネットを活用できる人はどんどん生活が便利にな
  り 、情報をたくさん集めて周囲とのコミュニケー
  ションを深め 、また娯楽も楽しむ 。反対に 、ネ
  ットを活用できない人は経済的に不利益を被り 、
  コミュニケーション不足から不安感や孤独感が積み
  重なっていく ―― 。こうした傾向は顕著になって
  いくと思われます 。」

  引用おわり 。

 (⌒∇⌒)

  世代間の意識の隔絶は 、かつてなかったほど 、また埋め

 ようもないほどに拡がっているのかもしれませんね

  以下に引用する文章を読んでいて 、あらためてそう感じ

 ました 。

  引用はじめ 。

 「 ・・・ 物事を知る 、ということに関して言えば 、    
  本当にいい時代になった 。ただそれにより 、世の
  中の曖昧さは 、限りなくゼロになってしまった 。
   例えば 、もし僕が漫画家を目指したいと思ったと
  する 。ふとSNSを開いたら 、自分と同い年 、 
  もしくは年下の衝撃的に漫画の上手い連中が 、秒
  で見つかるだろう 。若かりし頃に誰もが根拠なく抱
  く 、自分への淡い期待 。他人への悪意なき承認欲
  求 。そんなものは 、マッハで木っ端微塵になって
  しまう時代に僕たちは生きている 。」

 「 今日もSNSの中では 、誰かの希望が秒で打ちく
  だかれ 、誰かの承認欲求が秒で否定されている 。
  それはそれはわかりやすい世界になった 。わかり
  やすい世界は 、大して僕たちを幸せにしてくれな
  かった 。結果と事実だけを求めるなら 、たしかな
  のは 、僕たちはみんな死ぬということだけだ 。僕
  たちの人生は光と影の連続で 、その醍醐味は日々
  のグラデーションの中にあるはずだ 。」

  引用おわり 。

  引用元は 、燃え殻 さんの随筆 「 ブルーハワイ 」( 新潮社 刊 )。

 (⌒∇⌒)

 

コメント
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