今日の「お気に入り」。
「 こときれて なほ邯鄲の うすみどり 」
「 いやなこと いやで通して 老の春 」
( 富安風生 )
インターネットのフリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」には、富安風生さん
のことが以下のように解説されています。
「 富安 風生(とみやす ふうせい、1885年(明治18年)4月16日 - 1979年
(昭和54年)2月22日)は、愛知県出身の俳人。本名は謙次。高浜虚子に師事。
逓信省に勤めながら俳誌『若葉』を主宰。
温和な作風で知られた。」
「 経歴
愛知県八名郡金沢村(現在の豊川市金沢町辺り)生まれ。
豊橋町立豊橋尋常中学時習館、第一高等学校、東京帝国大学法科大学卒業。
卒業後は逓信省に入り、のち逓信次官。」
「 句作
代表的な句に『みちのくの伊達の郡の春田かな』『まさをなる空よりしだれざくらかな』など。
『よろこべばしきりに落つる木の実かな』といった軽妙な句もあり、『ホトトギス』を除名
された杉田久女はこの句を皮肉って『喜べど木の実も落ちず鐘涼し』というパロディ句を作った。
また風生は1934年に『何もかも知つてをるなり竈猫』という句を作っている。『竈猫』は風生の
造語であったが、この句が虚子に認められたことで『竈猫』が新季語として登録されることとな
った。
富安はまた植物に詳しかったため、『植木屋の富安』の意で『植富』のあだ名で呼ばれた。
師である虚子との信頼関係も厚く、虚子は1938年にともに避暑に出かけた際の出来事をもと
に『風生と死の話して涼しさよ』という句を作っている。なお小澤實にこの句を本歌取りした
『虚子もなし風生もなし涼しさよ』という句がある。 」