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TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

K-1 WORLD MAX 2010 Final

2010年11月08日 | 格闘のお時間

常々K-1はこっちの方が見ごたえがありと申し上げておりましたが、
今回は比較の必要など感じないハイレベルの大会でした。

まずはペトロシアン、上手いし強いし手がつけられないです。
でもそれは、MAXにとって一種の宝だと思う。
ブアカーオに挑んで強くなった魔裟斗や佐藤のことを思うと、
優勝者の素晴らしさをもっと讃えてもいいはず。
イタリア人という珍しさなど上手に取り上げて、
もっと彼の存在を盛り上げていってはどうでしょう、谷川さん。

ただ一方で不安な風を感じたのも事実。
ちょっとテコ入れの必要性は感じます。
日本人選手について言えば、まず自演乙こと長島。
やっぱり身体自体のパワー差でしょうか、
負けたというよりも試合が作れなかったという印象が。
好きな選手ではありますが、まだ壁は大きいように感じます。

それから佐藤、残念でした。
決勝に臨んだ時点で、ダメージはかなりあったようですね。
蹴りがでないし、だしても威力が感じられない。
佐藤が勝つためには、嫌がらせのようなローの連打と
リーチの長い右ストレートが必要だと思っていましたが、
すでにあの足では難しかったのでしょうか。

頑張ったとは思います。
でも最後にゴングが鳴った後も立っていて欲しかった。
あの姿、応援したファンを悲しませますよ。

考えてみると魔裟斗はやはり凄かったのだな、と思います。
ファンにしろアンチにしろ観客を一体化させる何かがあった。
この「何か」がない限り、チャンピオンにはなれてもスターは難しい。

キャラクターだけでの問題ではないはずです。
魔裟斗のような「ワルの魅力」でなくても、
たとえばMAXを背負って立とうとする兄貴や父親キャラでもいい。
観客と一緒に闘っている意識みたいなものが必要なのかもしれません。
……だからへたり込んじゃダメなんですわ、あれは控え室でやるべき。

でも、いちばん可能性があるのも佐藤。
捲土重来、頑張って欲しい!
あ、日菜太もこれからっすね。

ところで石井、まあ順当な勝利でしょうか。
しかしなんか試合に恵まれていない気もします。
中途半端に日本にいるよりも、
UFCで頑張っている岡見のように、
もう少し海外で闘ってはどうなのでしょうか。
その辺、事務所の思惑とかもあるのかなぁ……。
なぜか水泳の北島選手が、
サンタモニカでひとりのスイマーとして練習する姿を
ふと思いだしました。(月曜のNHK、プロフェッショナルで見たばかりですが)


チャンピオンという仕事――西岡とレスナー

2010年10月25日 | 格闘のお時間

まずはWBC世界スーパーバンタム級王者の西岡利晃。
同級1位のレンドール・ムンローを迎えての試合は、判定で西岡。
KO決着ではなかったが、この試合は凄かった。

体力に勝り、しかも打たれ強い挑戦者に対して、
守るのではなく自ら試合を作っていった西岡。
途中で見せた、両手を広げての「こい!」みたいなポーズも、
ぎりぎりのところで鎬を削っている自分への鼓舞であるように感じられた。
上手さと精神面を含めての強さ、存分に見せてもらった。

くわえて相手も良かった。
強いはもちろん、「Bin Man」(ゴミ収集の人)のニックネーム通り、
いまだその仕事を続けて家族を養っているハングリーさ。
終わって爽やかに握手をするも、
リングを去る際にコーナーポストを叩いて涙顔で悔しがる姿。
真っ直ぐな男ふたりが正面からぶつかった衝撃は、
やっぱり半端じゃなかったよ。

正直、終わったときは涙が出そうだった。
34歳の西岡、トレーニングもだんだキツくなっているはず。
やはり自分にいちばん厳しい者が王者であり続ける、のだなぁ。


もうひとりのチャンピオンは、UFCヘビー級王者ブロック・レスナー。
フランク・ミア戦やシェーン・カーウィ戦と、最近のレスナーは本当に盤石。
一方で相手のケイン・ベラスケス、ノゲイラをKOした打撃は強烈だったけれど、
体格差もあるし経験も違うし、正直不利は否めないなと思っていた。
……そしたらなんと、1ラウンドでTKOですよ。

ひと回り大きいレスナーのタックルにも対処できる腰の強さや
コンパクトで的確なパンチ、どこかラテン系のヒョードルみたいにも見える。
久しぶりのナチュラルなヘビー級、期待してしまいます。

一方で敗れたレスナー、
その言動は決してナイスガイな感じではないけれど、
実はとても生真面目でストイックなのだと思う。
でもその分、なんというか試合を楽しめていない気がする。

いつも思うのだけど、レスナーのファイトには
「やるべきことをやっている」という印象を持ってしまうのだ。
天から授かった類い稀なる肉体を活かすため、
懸命に闘い続ける修行者のような孤立感。
もしかしたら、この辺がしんどかったのだろうか……。

ま、格闘技オタクの妄想はおいといて、
観客の共感を得られる存在となることも
本当のチャンピオンの条件なのかもしれない。
レスナーの復帰戦、また見たいなぁ。

UFC117~オクタゴンにドラマあり?

2010年08月15日 | 格闘のお時間

先日の試合を、WOWOWで録画観戦。

TUF(The Ultimate Fighter、UFC出場希望者がチームで闘う予選番組)から
上がってきたあんこ型のロイ・ネルソンが、
ジュニオール・ドス・サントス(ミルコ・クロコップ等強豪を撃破)相手に
予想外の健闘。ぽこんと出た腹をゆらすパフォーマンスは見られなかったが、
それまでの経緯を知っているとつい応援する気持ちになる。
この辺の仕掛け、ダナ・ホワイト(UFC代表)は上手いなぁ。

それからマット・ヒューズとヒカルド・アルメイダという懐かしい顔ぶれ。
かつてはホイス・グレーシーを完封しながらも、GSP(ジョルジュ・サン・
ピエール)に完敗してキャリアの終焉を感じさせたマット、
まだまだやるぜ、という気迫が嬉しかった(勝負はあっけなかったけど)。

さて、しかしなんといってもアンデウソン・シウバとチェール・ソネンの
メインイベント。ソネンの挑発的な発言はいろいろ物議を醸したようだが、
相手が絶対王者のシウバだけに、正直、判官贔屓的な期待もしてしまった。

で、結果はともかく、ある意味シウバの勝ち方はここしかないという上手さ。
その強さ故の反感も、怪我による弱みを感じさせたことで緩和しただろうし、
どんな状況でも勝つという神話性もさらに増大した感がある。
ある意味不人気王者としては、いい展開だったのではないだろうか。

しかし毎回書いているような気がするけれど、
UFCのマッチメイクやストーリー作りは上手い。
その秘訣のひとつは、アメリカという国のメンタリティではないだろうか。
別の言い方をすると、視聴者の心理を掴んでいるか、ということ。

DREAMもSRCも、表面的なやり方を盗むのではなく、
日本で指示される格闘技のあり方を考えるべきだと思う。
あれほど素晴らしい煽りビデオを作れるのだから
(CSなどのノーカット中継で見ると鳥肌ものですね)
その興奮をより広げていくやり方が見つかるはずだと思う。
桜庭も郷野もマッハも、大好きだけど若くはないし、
この先もずっと、日本の格闘技を見たいんですよ、オレ……。

えーっと、詳しい結果などはこちらをどうぞ。

DREAM. 15

2010年07月12日 | 格闘のお時間

遅ればせながら、テレビ観戦の感想など。
試合結果はこちらを見ていただくとして、
やはり語るべきなのは青木対川尻の一戦だろう。

なんというか、あの結末。
ぶっちゃけ、総合格闘技ってこういうことなのだ、を
オープンにさらけ出してしまうのが青木の闘いなのだろう。
「いい試合」かどうかは微妙だが、
そこには間違いなく「リアル」があった。
昨年末の廣田戦にはちょっと後味悪いものがあったが、
ああいう風にしかできない質なのだなぁ、とあらためて感じる。

変な言い方だけど、川尻もいい負け方だったと思う。
誰かがブログで書いていたけれど、必要なのは極めの強さ。
川尻には、何かもうひとつ刀が欲しい。
今どき珍しい「漢」なのだから。

あと、マヌーフに勝った水野も良かったなぁ。
きっと器用な選手ではないのだろうが、
あの必死な無骨さには感じるものがあった。

菊野も惜しい。でも何か足りない。
技術や体力ではなく、勝負への思いみたいなものだろうか。
なんか昇段審査のような空気を感じてしまうのだ。
好きな選手だけに、この敗戦から学んで欲しい。

ところでこの大会、どこか新しい息吹を感じた。
いまやUFCにもっていかれた感のある総合格闘技だけど、
もう一度日本のファンが夢見た闘いの姿を思いださせてくれた
……そんな感覚を覚えた大会でした。
その火を消さず、ゴールデンに戻ってきてくれ!
録画セットしても、気になってよく眠れないんだから。

K-1 WORLD MAX 2010~その熱さはヘビー級!

2010年07月07日 | 格闘のお時間

スポーツ新聞の新米記者みたいなタイトル書いちゃいましたが、
それくらい、熱戦&好勝負の連発だった。
詳細はこちらなど見てもらうとして、観る側もこぶし握りっ放しでした。

いやー、しかしライト級は面白い!
もしかしたら、このクラスが日本人にいちばん合っているのかもしれない。
上松と松本、紙一重の勝負だったけれど、あれこそ「根性勝ち」なのだろう。
(上松選手もいいファイトでした。ガードをもうちょっと、で次回も期待!)
大和と裕樹のバチバチファイトも、一回戦にはもったいないくらい。

それから最後は負けちゃったけど、久保は巧いし将来楽しみだね。
でもどこか、ザ・クロマニヨンズの甲本ヒロトに似てませんか?
才賀、まだ少しガキっぽいけど強くなった。石川は、ちょっと残念!
ま、ともかくいいモノ見せてもらいました。
テレビを見ていてエンジンかかったよ(で、どーするのだ?)。

もちろん70キロ級も好試合。
長島、危ないところだったと思ったけど、打ち合う勇気は素敵っす。
涙目のコスプレファンたち見ていて、ワールドカップを思いだしたよ。
そして佐藤と山本。両者とも、進化をぶつけあう激しい一戦。
山本は根性ファイトに洗練がくわわって、プロっぽくなった。
今回の佐藤は、動きの速いセーム・シュルトみたいに見えたなぁ。

まあ中島を退けた(残念、あっけなかった……)クラウスをはじめ、
キシェンコ、サワー、ブアカーオ(出るのかな)、そしてペトロシアンと
このクラスは強豪ばかりだけれど、いい試合を見せてくれそうだ。

つーことで、今日は興奮さめない1ファンの書き込みです。
でもそうなっちゃったのは、彼らの鍛錬が伝わってきたからだと思う。
世間的な評価や知名度とか、あるいは収入とか
そんなこと計算せず、ただ練習あるのみだった男たちの晴れ姿。
やっぱり尊いものだよなぁ。
みなさん、サッカーもいいけど、K-1MAXも相当よかですぜ!