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TRASHBOX

日々の思い、記憶のゴミ箱に行く前に。

Dynamite!! ~勇気のチカラ2010~

2011年01月08日 | 格闘のお時間

えーっと、大晦日の大会ではありますが、振り返って。

まず「青木真也vs長島☆自演乙☆雄一郎」ですが、
あのやられっぷりは実に青木的でもありました。
(絶対的優位な総合ルールで、開始直後にKO負け)

だいたい1ラウンド目のキックルールも、
総合用のオープンフィンガーは長島には不利でしょう。
あてる感覚や効かせ方が全然違うはず。
そのハンデがありながら3分間すかしきった青木は、
ある意味勝負に徹していたとも思います。
なのにあの不用意なタックル……。
以前川尻を決めたときのような殺意は皆無だった。

青木って、実はものすごく生真面目なのだと思う。
そういう人間がふと陥る空白が、あの瞬間だったのでは。

気になるのは負けた青木のその後。
ブログによると旅に出るとか。心配だなぁ。
「結果的に面白かったでしょ」とうそぶいて欲しいのだけど。

ところで中継を見た人の間で話題になっていた、魔裟斗の解説。
あれ、解説者としてキャリアを重ねていくつもりならイマイチでは。
別にいい子にしてる必要はないけれど、
自分の感情もひっくるめて大きいところで語れないと
「プロの解説」とは言えないと思う。
技術的な説明はとても的確なだけに、ちょっと残念。
元チャンピオン、ではなく現在の仕事でもプロでいて欲しいのですよ。

で、個人的に気になったのは(あくまでテレビ観戦ですが)こんなところ。

○古木克明vsアンディ・オロゴン

現役時代(横浜で四番打者)は知らなかったけれど、良いファイターだと思った。
何が良いかというと「これから何かやってくれるのでは」と感じられるところ。
しかし一方で、この試合で見られたような懸命さやがむしゃらさを、
技術を覚えるとともに失ってしまう選手も多い。
その落とし穴をどう超えていくか。これけっこう大事だと思います。

○所英男vs渡辺一久

けっこう緊迫した一戦になった。
最後は一本決めた所だけど、渡辺の頑張りの方が印象的だった。
お互い収穫のある試合(その気になれば、だけど)だと思う。
渡辺って、実はすごーく繊細な男じゃないかと、ふと感じた。

○ビビアーノ・フェルナンデスvs高谷裕之

高谷の戦い方、すごく洗練されてきた気がする。
「喧嘩ファイター」のイメージが強いけれど、
打撃の技術は優等生的なのでは。もしかしたらその分、
フェルナンデスのような巧者にはやりやすくなっているのかも。
次の試合をどう戦うか、大事なところだと思う。


えーっと、後はちゃんと見られなかった
大和哲也vs西浦“ウィッキー”聡生とか
気になる試合がいろいろあったのだけど、
いかんせん地味な気がする。
これが格闘技人気のダイナマイトになるかは微妙だなぁ。

ちょっと思ったのは、選手全体の減量傾向。
ウェルターをライトに、とかフェザーでとか、
体格に合ったクラスで、というのは理に適っているのだけど、
それが力を出し切る方向に向いてない気がする。
プロレス的なものを求めているわけではないけれど
(あ、プロレスも愛してますよ)
ある意味での乱暴さみたいなものも必要なのでは。

しかしやっぱり、層の厚さが足りないのだろうか。
前日(30日)開催された戦極にも、
日沖vsサンドロなど興味深い試合が多かった。
いやー、ホント真剣に交流して欲しい……。
今年の大晦日も、熱い試合が見られますように。



UFC124~GSPは強かった!(WOWOW録画にて)

2010年12月23日 | 格闘のお時間

今回はなんといってもジョルジュ・サンピエールのタイトルマッチ。
相手のジョシュ・コスチェックはレスリングベースながら打撃も向上。
GSPは前回3月のダン・ハーディ戦が圧倒的な判定勝ちとはいえ
もうひとつ強さを感じきれない試合だったので気になるところだ。

……しかし今回のGSPは強かった。
判定勝ちでこそあったけれど「圧倒」という印象が強く残った。
もちろんフルマーク(ジャッジ3者とも50-45)ではあったけれど、
それ以上の数字に表せない差を見せつけられた。

ひとつひとつの技術や体力を超えた、完成された強さ。
新しいGSPを見せてもらった気がする。

他の試合も、よくまとまった闘いが多かった。
ひと口に総合格闘技といっても、
他とは違う「UFCスタイル」が完成してきていると思う。

ひとつ挙げるなら、第9試合のジム・ミラー対チャールズ・オリベイラ。
オリベイラは柔術をベースとするブラジル人ファイター。
ミラーも同じく柔術黒帯ながら動きのスムーズさでは一枚上に見えた。
グラウンドの展開が続いてオリベイラが決めるのも時間の問題か、
と思っていると逆転のヒザ十字固め!
不器用に見えるミラーが掘った落とし穴が見事にはまった。

あー、やっぱり面白いなと感じる一方で、
日本のファイターにも頑張って欲しいと思う。
岡見や五味の試合、今後の山本KIDや小見川の参戦が楽しみだ。
さて、年末はダイナマイト。

詳細などはこちらなどを。

The Outsider 第14戦@ディファ有明

2010年12月04日 | 格闘のお時間

ついに行ってきました、アウトサイダー。
開催当初は「不良の喧嘩大会」などと言われたこともあったけれど、
もう14回目を迎える立派なメジャーイベント。
ここまで成長してきたのは、やはり前田日明アニキの手腕。

いやー、しかし全26試合、盛り沢山だけど面白かった。
1試合3分2ラウンドというテンポだし、
運営もこなれていて、全然長さは感じさせない。

しかし観客の体格の良さ、なかなか他のイベントでは見られませんね。
正直ちょっとビビり気味でもあったのだけど、
意外にアットホームな雰囲気もあって悪くない。
なんていうか「殺伐さ」と「仲間内ののどかさ」の混じった感じ、
ある意味これは「祭り」なのではないかという気がする。

喧嘩系の祭りみたいな(実際に参加したことはないですけど)
「ナメんじゃねーぞ、オラ!」みたいなノリと
「皆で盛りあがろうぜ、ソラ!」みたいな気分のミックスした雰囲気。
だとするとリングが神社で神主は前田日明つーこと?

それはともかく、このいい意味での素人感、
以前行った女子格闘技でも感じたものに近い。
プライド亡き後の混迷する格闘技界(特に興業という面で)、
この辺に現状打開のヒントがあるかもしれない。
うーん、すごくそんな気がするなぁ。

ネットで人気のあるコンテンツみたく、
誰かの手作り感や体温の感じられるイベントを生むことができれば、
もっと可能性は広がると思う。頑張って欲しい!
なんてったって、闘いに元気もらってるんすから、俺。

それから出場者やセコンドのお兄さんたち、いい顔してるんだよね。
なんか雑味のない、そぎ落とした表情というか。
俺の顔はああいう方向にはならないと思うけど、
あのスカっとした風情は見習いたいね、男として(素面ですが、何か)。

えーっと、進行はつつがなく、でもお約束(?)の乱闘もありで
久しぶりに格闘技の楽しさを堪能できた大会でした。
しかしトイレひとつ行くのに、あんなに緊張したのも久しぶりだったなぁ。
(同じブロックに「濱の狂犬」黒石選手が座ってました。すごい人気ぶり!)

結果などはこちらをどうぞ。

UFC122~岡見、ベルトへの道

2010年11月16日 | 格闘のお時間

先週土曜(日本時間では日曜)の試合をWOWOWの録画で。
メインイベントの岡見勇信対ネイサン・マーコート戦の勝者は
ミドル級チャンピオンのアンデウソン・シウバに挑むという筋書き。
いやー、そろそろ見えてきたのかな、テッペンが。

正直いうと、岡見にはあまり惹かれるものを感じたことがなかった。
体格がよく、全体的にまとまっていて穴がない。結果、負けない。
そんな印象があって、もうひとつ熱くなれない選手のひとりだった。
今回もドイツの会場を熱狂させる試合ではなかった。

とはいえ、決して退屈な一戦というわけでもない。
マーコート相手に渡りあったフルラウンドを見ると、
あたらめて地力の強さを感じさせられる。
ふと思ったのだが、この強さは一時期のリョートに似ている気が。
これからの問題は、決め手となる何かなのだろう。
(上達していると言われるパンチも、シウバには格好のカウンター材料かも……)

岡見というと、いつも照れ笑いを浮かべている印象がある。
それは性格でもあり、またハッタリなど必要としない自信でもあるのだろう。
しかしシウバに勝つためには、顔をキツくする何かが必要だと思う。
精神論をぶっても仕方ないけれど、このレベルになると後は気持ち。
ぜひ大魔神化した表情を見たい(良いこの皆さん、わかりますかぁ?)。


他の試合などはこちらを。最近の選手に疎くなっているのだけど、
ライト級のデニス・シバーとアンドレ・ウィナーの一戦は面白かった。
切れのいい打撃戦を制したシバーが一気にチョークを決めて勝利。
あー、ここに五味がいたらなぁ、と思わず考えてしまったよ……。

ところで今週末のUFC123ではリョートとジャクソン。
こっちも気になる試合だ。

マニー・パッキャオ対アントニオ・マルガリート

2010年11月14日 | 格闘のお時間

WBCスーパーウェルター級タイトルマッチとして行われた一戦、
試合前の計量では両者の対格差はかなり目立った。
スポーツナビによると、こんな感じらしい。

前日計量はパッキャオ65.59キロ、マルガリート68.04キロでクリアしたが、
マルガリートは当日大幅に体重をリカバーしており、両者の伝えられた体重差は約7.7キロ。
身長も169センチのパッキャオに対し、マルガリートは180センチ、
リーチ差も13センチ(パッキャオ170センチ、マルガリート183センチ)と、
リングで向き合った両者には数値以上の体格差が感じられる。


パッキャオは「最初体重を増やそうとしたけれど動きが悪くなったので止めた」そうで、
計量時にこれだけ差がつくタイトルマッチも珍しいんじゃないだろうか。

しかし、体格をアップさせることよりも動きを選んだのは正解だったのだろう。
序盤から、パッキャオの動きに翻弄されるマルガリート。
被弾を重ね、両目が徐々に腫れあがっていく。中盤にはボディにもいいパンチをもらう。

が、あわやKO決着か、とも思われた7、8回、マルガリートが息を吹き返す。
ボディが効いたのか、パッキャオの手数が若干減って、その分フットワークを使いはじめる。
逆転の一発もあるかとハラハラしていると(ええ、完全にパッキャオサイドで見てました)、
さすがにマルガリートにも本来のパンチ力は残っていなかった。

その後うまく盛り返したパッキャオ、11ラウンド(だったと思ったのだけど)には
レフェリーに対して「止めないのか?」とでも言いたげな目線を送るまでの攻勢。
たしかにマルガリート、かなりヤバかったと思う。

結局は3-0の判定でベルトはパッキャオに。しかし2人ともタフだなぁ。
全身が意地の固まりのような殴り合い、ある意味では爽やか。
フルラウンド、あんなに緊張感の途切れなかった試合は久しぶりだ。
いやー、ホントこっちも全身熱くなったっす。

実際のところ、レフェリーはもっと早く止めるべきだったのではとか、
あれだけ攻めてもKOできないのは、パッキャオといえども階級に無理があるとか、
いろいろ意見もあるだろう(その辺は俺も賛成ではある)。
しかしあれだけのパフォーマンスやられたら、しばらくは打ち震えるしかない。
いやー、こういうの見ちゃうとやめられませんわ。

さてメイウェザー、面倒くさいこと言ってないで、男になれよ!