デスクワーク症候群

2006年12月09日 | Weblog
デスクワーク症候群

勝手に命名しちゃいました。

だって、デスクワークで身体壊す人、多いんだもの…




今日初診の「腱鞘炎」(と病院で診断された)の患者さん。

「腱鞘炎」の他にも、「仕事中に指や腕がシビレだす。」「朝になると手がこわばって動かない」とか、

「頚から腕にかけて鈍く痛む」等など、いろんな症状に悩まされてる。

こういった状態を「胸郭出口症候群」なんていいます。


病院では注射とシップで治療していたとのこと。

ただ、残念ながらはかばかしくない。

で、知人に当院を紹介されたといった経緯です。

紹介大歓迎




さて、治療開始!
って言ってもウチでは、いきなり揉んだりバリバリやったりはしないのです。

「はやく揉んで

って不安げな患者さんをよそに、先ずは状態の把握と原因の究明から


身体を調べてみると、神経の反射、皮膚の知覚など、神経の損傷を疑わせる兆候はなく

頚の動きもいい

指を反らせるための腱(伸筋腱)の手首寄りの部分にむくみ(浮腫)と強張り(癒着)があり、

指と手首をそらせる動きに抵抗を加えると、症状が確認できる。

確かに、腱鞘炎の跡がある。

幸い患部に熱感は無いので、炎症は治まっている様子。


つまり、今の痛みは炎症によるものじゃなく、炎症後の強張り(癒着)や、筋の過緊張による痛み。

これなら、手技治療で安心して治療できる



つぎに、患部に無理をかけている原因の究明。

腱鞘炎の原因が、ただの「使いすぎ」ってんじゃ芸がないですもんね




鎖骨を挟んで、首の前や肩口は、腕に行く血管や神経の通り道。

この辺の筋肉が硬くなると、血管や神経を圧迫して様々な症状をおこすんです。


で、この患者さんはどうかと申しますと…

鎖骨の上にある頚の筋肉(斜角筋)を押してみると飛び上がらんばかりに痛がる。


「はっは~ん、ここだな


ちなみに、この鎖骨を挟んだ上下の部分を「胸郭出口」とか「胸郭入口」なんていったりするんで、

ここいら辺りの強張りが原因で起こる症状を「胸郭出口症候群」って呼ぶんです。

細かく分けると「斜角筋症候群」「肋鎖症候群」「小胸筋症候群」なんて分類があります。

この方は「斜角筋症候群」ですね。


ここまでくると、だいぶこの患者さんの「痛み」の原因がみえてきました。


腱鞘炎というのは要は使いすぎで起こります。

これ読んでるみなさんも、指を動かすたんびに、腱や腱鞘といった部分に小さな小さな傷が生まれてるんですよ。

でも、身体には機械と違って「自己回復能力」が備わってますから、寝て起きればちゃんと元に戻ってくれます。


この患者さんの場合、前頚部の筋肉が縮みこんで、腕にいく血管を圧迫し、両腕に慢性的な

循環不全を起こしていたために、組織の回復が上手に行えなかったんでしょうね。

治りきらないうちに小さな傷跡が増えていく。

とうとう大きな腫れにつながったと…

となれば、この前頚部の治療も当然外せない。

手先だけ治しても、ちょっと頑張って使うとまた「もとの木阿弥」なんてことになりかねないですから。

僕の治療では、ここまで調べてはじめて本格的に治療開始~~~!となるわけです。


治療後、痛みも落ち着き、治療効果をさらに引き出す「セルフエクササイズ」の練習も済ませ、

さあ、これで一件落着

じゃぁ、ないんだなぁ~~~


「何で肩口が硬くなっちゃうの?」って問題が残ってるじゃないですか!!


でも、

ちと長くなりすぎたので、続きは後日

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