すみません。
今日は(も?)時間がなくて、乱暴な書き方になってしまいますがご容赦を(*_*;
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手首が痛むといらっしゃったAさん。
痛む場所は手首の甲側、小指寄り。
手首自体も軽く腫れてむくんでいます。
レントゲンでは異常なし。
でも、手首を圧縮すると痛がる…
名前を付けるならば「TFCC損傷」となるでしょう。
あ、TFCCというのは手首の外半分の関節にあるクッションです。
その部分が傷ついて痛みを持った状態ということです。
もちろん、MRIでAさんのTFCCの状態を確認してみないことには
正確な話にはなりませんが…
治療としては、TFCCに無理がかかる状況を変えるための手を打ってゆきます。
Aさんの場合(に限りませんが…)、「手」が前腕に対して掌側にずれ込んでいます。
それを見ただけでも、前腕の屈筋の短縮がうかがえます。
この状況では、遠近二列並ぶ手の根っこの骨=手根骨の内、
近い側の近位手根配列は手の甲側へと押しやられてしまいます。
手首を反らせるときにはこれらの骨は手首の腹側へと滑り動かなくてはならないんです。
でも、縮んだ前腕屈筋によってとうせんぼを食らっているわけです。
すると、前腕の骨と手の根っこの骨との境目で、骨同士の衝突が繰り返されることになるわけです。
そうした状況が続くと、間に挟まったTFCCというクッション材はヘタレて傷がついてしまうわけなんですね。
ならどうする?
先ずは前腕の筋肉の長さを取り戻そうとなるわけです。
長い間かかって縮んだ組織は時に、必要な長さを取り戻すのに時間がかかることがあります。
なので、一発の治療でどうこうではなく、計画的にコツコツ変化を積み上げてゆく必要が出てきます。
なので、毎日通っていただく…なんてことはなく、
セルフケアをしっかりと続けていただくことが大事なんです。
Aさんにはファーストステップとして前腕屈筋のテニスボールマッサージを覚えていただきました。
え?
普通のストレッチでいいじゃん!?
とんでもない!
普通のストレッチはこの場合、関節が引っ掛かっていて痛いばかりで効果が期待できません。
ですので、関節の動きを必要としないテニスボールマッサージを選んだんです。
テニスボールマッサージの後、手首を治療台についてみると
幸いなことに、反らせられる角度が広がってきました。
次に、長年ずれ込んだまま癖づいた手首と手首の根っこの骨(拘縮に陥った舟状骨・月状骨対、橈骨および尺骨遠位)
のこわばりを丹念に取ります。
するとさらに手首の可動域は広がりました。
でも、行き着くところまで反らせると痛い。
このことから、Aさんの手首の痛みはケガが落ち着ききっていない急性期にあることがわかります。
痛めたところが筋肉よりも血流の少ない組織ですから、回復にも時間がかかります。
先ずは3~6日間、アイシングをしつつ、痛む使い方を極力避けるよう伝えました。
その間も、積極的に前腕のテニスボールマッサージを続けることを伝え、
初回の治療は終了です。
よく、TFCC損傷はそもそも尺骨が長すぎるから起こる。
だから手術しかない。
というような言われようを耳にします。
でも、手術を受けたのにやっぱり痛い、なんて話もよく聞きます。
また一方で、手術が必要といわれているのに痛まず使えるようになったケースも見ています。
そうしたケースで私がやったことはいたってシンプル。
それぞれの組織が、本来の働きを取り戻し、収まるべきところに収まれるように手を掛ける。
それだけです。
あ、あとはセルフケアをきちんとお伝えする。これも大事です。
どうしても、魔法のように一瞬で治す…なんて期待をされてしまうことが多いのですが、
現実には、荒れた身体の組織の回復は時間を要します。
必要なのは、本来の回復の道筋をたどりやすい環境をどれだけ整えられるかなんですね。
それには、日常での注意やセルフケアが欠かせない要件となるんです。
こじれた故障であればあるほど、患者さん自身も治療に積極的に参加していただく必要が出てくるものなんです。
治療は患者さんとの連携が欠かせないんです。
二人三脚で進めるものだと考えていただきたい。
ああ、時間がない。
尻切れトンボですが、これにて!
=おしまい=