どうにも風邪のようだ。
今まで誤魔化して、「風邪ではない」と自己暗示をかけていたのだが、
鼻水が止まらない。
喉の痛みは随分よくなったのだが、鼻水が止まらないのは辛い。
こんな日は早く寝るのに限るのだが、そこはジャズキチ。
一体風邪の時にどんなものを聴いたらいいのか考えて、CD探しを始めてしまった。
想像するにぶっとい注射のような、一撃でエネルギーが注入されるようなものがいい。
捜し物とはなかなか見つからないのである。
あれやこれやとCDを漁っている内に、
「早く寝た方がいいのではないか?」と自分に突っこみをいれたくもなってくる。
と、運命に導き出されるかのように1枚のCDが目に付いた。
『ザ・ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ』である。
よりにもよってセシル・テイラーだ。
その名を聴けばすぐに音は想像できるだろう。
ガチャピシャの、カコカコカコの、ピロギャーンである。
それがなぜか手が勝手にセットをしてしまうのだから仕方がない。
正直持っていても進んで聴きたいと思ったこともなく、
「まぁ、いつか機会でもあったら…」と眠っていたCDが
よりにもよって眠りを必要とする今日に目覚めてしまうとは…
『世界最高のジャズ』(光文社新書)の作者、原田和典氏は、
そのすばらしさを分刻みで解説をしてくれている。
その本を片手に「コミュニケーションズ11番」(タイトルからしてこうだ!)を聴く。
さすがに夜なので音量は抑えているが、
想像通り、いや、想像なぞできない音が流れ、いや、弾け飛ぶ。
ところがどうであろう。
原田氏の解説が上手いこともあるのだが、
意外や意外セシルの音だけがちゃんと拾えるのだ。
風邪のせいで余計なことまで頭に入らないのかもしれない。
オーケストラ(とはいってもドン・チェリーやファラオ・サンダースなど)よりも
セシル・テイラーのピアノがしっかりと息づいて聞こえる。
いつの間にか前屈みで聴き始めて、はっとした。
「あかん、セシルにやられてる…」
本を手放してもセシルのピアノはまるで生ける蛇の如く
その身を伸縮自在に操り、身体をくゆらせていく。
慌ててその1曲でCDを止める。もちろん続きも行けそうだ。
だが、僕は今宵病人なのだ…
セシル・テイラーに連れられて逝くにはまだ早い…
今まで誤魔化して、「風邪ではない」と自己暗示をかけていたのだが、
鼻水が止まらない。
喉の痛みは随分よくなったのだが、鼻水が止まらないのは辛い。
こんな日は早く寝るのに限るのだが、そこはジャズキチ。
一体風邪の時にどんなものを聴いたらいいのか考えて、CD探しを始めてしまった。
想像するにぶっとい注射のような、一撃でエネルギーが注入されるようなものがいい。
捜し物とはなかなか見つからないのである。
あれやこれやとCDを漁っている内に、
「早く寝た方がいいのではないか?」と自分に突っこみをいれたくもなってくる。
と、運命に導き出されるかのように1枚のCDが目に付いた。
『ザ・ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ』である。
よりにもよってセシル・テイラーだ。
その名を聴けばすぐに音は想像できるだろう。
ガチャピシャの、カコカコカコの、ピロギャーンである。
それがなぜか手が勝手にセットをしてしまうのだから仕方がない。
正直持っていても進んで聴きたいと思ったこともなく、
「まぁ、いつか機会でもあったら…」と眠っていたCDが
よりにもよって眠りを必要とする今日に目覚めてしまうとは…
『世界最高のジャズ』(光文社新書)の作者、原田和典氏は、
そのすばらしさを分刻みで解説をしてくれている。
その本を片手に「コミュニケーションズ11番」(タイトルからしてこうだ!)を聴く。
さすがに夜なので音量は抑えているが、
想像通り、いや、想像なぞできない音が流れ、いや、弾け飛ぶ。
ところがどうであろう。
原田氏の解説が上手いこともあるのだが、
意外や意外セシルの音だけがちゃんと拾えるのだ。
風邪のせいで余計なことまで頭に入らないのかもしれない。
オーケストラ(とはいってもドン・チェリーやファラオ・サンダースなど)よりも
セシル・テイラーのピアノがしっかりと息づいて聞こえる。
いつの間にか前屈みで聴き始めて、はっとした。
「あかん、セシルにやられてる…」
本を手放してもセシルのピアノはまるで生ける蛇の如く
その身を伸縮自在に操り、身体をくゆらせていく。
慌ててその1曲でCDを止める。もちろん続きも行けそうだ。
だが、僕は今宵病人なのだ…
セシル・テイラーに連れられて逝くにはまだ早い…
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