国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

巨匠が天才に捧げた1枚

2011年12月06日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
「天才」と呼ばれている人は早熟な人が多く、また夭折の人も多い。
「天才」ゆえにその才能を天が欲しがるからだと言われたりするが、
実状はそうではなく、
結局燃え尽きるかのように生き抜いてしまうからではないだろうか。
デューク・エリントン・バンドに参加をしたベーシスト、ジミー・ブラントンも
「天才」と言われ、そして21歳という若さでこの世を去った。

その親分のエリントンも十分に「天才」肌だったと思うのだが、
75歳と、まぁ、長い人生を生きた。
エリントンのビック・バンドは「色彩を混ぜるように」というように
音が色として例えられるほど、音色が豊かである。
それは各々の楽器がまさに生き生きと、
またそのミュージシャンが鳴らす音がジグソーパズルがピッタリとはまるかのように
演奏に組み込まれているからに他ならない。
そんなエリントンの下でだからこそ
ジミー・ブラントンもベースという縁の下の力持ちを
表舞台に引っ張り出せたのかもしれない。

そのブラントンの死後30年経って、エリントンはベーシスト、レイ・ブラウンと
ブラントンに捧げるアルバムを作っている。
『ディス・ワンズ・フォー・ブラントン』

レイ・ブラウンはブラントンに影響を受けて、
ベースをソロ楽器として確立していった1人である。
ピアノとベースのデュオであるため、
日ごろ目立つことのないベースの音をふんだんに楽しむことができる。
やはりジャズは低音がビンビンに来ると喜びもひとしおなのだ。
加えてビック・バンドでは分かりにくいエリントンのピアノも楽しめる。
上品な音を転がすエリントンはさすが「デューク」である。
演奏曲はエリントンの名曲の数々…

今は昔の演奏を楽しむように、エリントンのピアノはベースに寄りそいながら、
それでも強烈な個性を発揮せずにはいられない。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿