国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

僕のあまり聴いてこなかったアルバム(後)

2010年01月28日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
『マイルストーンズ』のタイトル曲は、
たまにテレビのBGMなどでも聴くことがある。
「だっだだーだ だっだだーだ だっだだーだだ」と
テーマがとても印象的で、迫ってくるようなベースラインが勇壮だ。
黄金のクインテット期にもマイルスはこの曲を取り上げ演奏しているのだが
トニー・ウィリアムスの力強いドラムに煽られた
荒れ狂う嵐のようなピリピリとした演奏へと変わっていく。

「マイルストーンズ」はこのアルバムが初出で、
この時の演奏はまだスピードはない。
だが、マイルスの吹くテーマは歯切れが良く問答無用にカッコイイ。
ところが残念なことにこのアルバムでは「マイルストーンズ」が4曲目なのだ。
何の気もなく1曲目から流していくと
そのカッコイイ曲にぶつかるまで20分もかかってしまう。
ジャズ特有の「取っ手出し」の聴き方を知らなかった僕は、
このアルバムのカッコよさに気づくまで随分と時間がかかってしまったわけだ。

まぁ、このアルバムにもいろいろなエピソードがあり、
レッド・ガーランドのトリオ演奏「ビリー・ボーイ」が
5曲目に入っているにもかかわらず、
マイルスとがーランドがケンカをして、カーランドが帰ってしまったため
2曲目の「シッズ・アヘッド」はマイルスがピアノを弾くという
何だかはちゃめちゃな状況だったようだ。
ところがその2曲目を聴いてみれば
次の名作『カインド・オブ・ブルー』へつながるような雰囲気がそこはかとなく匂う。
まだ混然としていて演奏に面白味がないのだが、
この上澄みを濾し取ったような演奏が、
『カインド・オブ・ブルー』になっていくようなそんな芽生えを感じる。
ここからマイルスは新しい扉を開くことになる。
そんな予感を覚えさせるアルバムであったわけだ。

う~ん、今まで聴いてこなかったのはもったいなかった…

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