国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

趣味だからこそ真剣に。でも焦らなくたっていい。時間はまだまだあるのだから… おそらく…

2011年10月20日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
「毎日」というのは得てしてほとんど何らかの事件が起きない方が当たり前だ。
映画や漫画で登場するような超ラッキーな男やら
出歩けば事件と遭遇してしまう名探偵やら、その他諸々の登場人物のようにはいかない。
何も起きないことが、後で何かが起きた時に考えてみれば
「あぁ、幸せだったなあ」などと感慨にふけってしまうものだ。

僕もこうして毎日ブログに何ともいえない文を綴っているのだが、
正直ネタに困ることは多々ある。
日常的なことを書いても面白くない時があるからだ。
まして僕のヤツはジャズやら音楽やらが絡んでくる。
人は時には音楽なんか聴かないで、ぼんやりとしたいことだってあるだろう。
だから無理して書く必要もないのだが、
どうやらこんな駄文でも毎日数名の人たちの目には止まっているらしい。
となれば一応何か書いておきたくなる。

僕はパソコンのディスプレイの向こう側にいる人たちのことが分からない。
果たしてジャズを聴いているのか? たまたまヒットしたのか?
コメントをもらったって、面倒な時は返さないほどの無精でもある。
だが、もしこのブログから「ジャズ」という音楽に興味を持ってもらえたなら
それなりにやっている意味もあるのだろう。

僕が「入門者にオススメは…」などとあまりやらないのは、
人によって感性が違うからだ。
前に「エレキマイルスならば…」と思って紹介してもピンとこずに
逆にアコースティックなジャズを聴かせたら
「あぁ、ジャズも良いね」ということもあった。
人それぞれの感じ方やそれまでの音楽経験がある。
だから自分で「ジャズ道」を極めていくしかないのだ。

そう今日のアルバム、コルトレーンの『トレーニング・イン』のように。
マイルス・バンドに最初に参加をした時のコルトレーンは酷評された。
コルトレーンもドラックが止められず、最後には首になった。
モンクに拾われ、そこから一途にサックスを吹き続けた。
再びマイルスのバンドに戻ったコルトレーンはジャズ・ジャイアントとなっていく。

コルトレーンのアルバムというとどうしてもインパルス時代が思い浮かぶのだが、
僕は結構プレスティッジのころも好きだ。
ただ「ジャズ」という音楽をやっているコルトレーン。
ピアノにレッド・ガーランドが入っていることが多く、意外にも相性がいい。
コロコロと球のように音を転がすガーランドに
硬質で芯のある高いテナーを吹くコルトレーン。
まさに気を張らなくていい「ジャズ」のいい手本のようだ。
何よりもこのタイトルが素敵じゃないか。

『トレーニング・イン』
ジャズの道はどこまでも険しく、でも、ゆっくりと歩けばいい。
そうコルトレーンが言っているようだ。
何もない毎日にちょっとひと味加えるスパイス的な音楽…