国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

ウエスの指がギターの弦の上を走る時、僕はたまらなく興奮してしまう

2011年10月08日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
ウエス・モンゴメリーのライブ盤は燃える。
何が燃えるのかって言えば、とにかく聴いた者しか感じることのできない熱がある。
ウエスのギターの響きはあくまでもしなやかさがあり、かつ品がある。
それなのになぜか心にズシンと迫り落ちてくる強さがある。

ウエスと言えば『フルハウス』や『ソリチュード』のようなライブ盤が
すぐに思い浮かぶだろう。
特に『フルハウス』などジャズ喫茶でリクエストに困ったら
ぜひ使って欲しいぐらいのアルバムだ。
もちろん名盤をリクエストするのには勇気がいる。
だが、このアルバムがかかればそんな事が小さいことのように思えてくる。
それほどまでにウエスのライブアルバムは熱を持っているのだ。

今日の1枚『ジ・インクレディブル・ジャズ・ギター』もウエスのライブアルバムだ。
実は今日の1枚と同名のアルバムがリヴァーサイドにもある。
だが、全くの別物なので気をつけて欲しい。まぁ、間違えても損はないだろうが…
ウエスのハーフ・ノートというクラブでのライブとドイツのハンブルクでのライブが
セットになった1枚である。
ハーフ・ノートといえばウィントン・ケリーとの共演のアルバムもあるが、
こちらはウエスのレギュラー・バンドでの演奏である。

「キャラヴァン」や「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」など名曲もやっているが、
やはりウエスの曲の「フォー・オン・シックス」のスインギンな演奏を聴いて欲しい。
スタジオと違い、お客を目の前に演奏を繰り広げるライブは、
やっている当人たちも興奮をしてくるのだろう。
縦横無尽に弦の上で指を走らせるウエスのソロは
ジャズギターの醍醐味を教えてくれる。
その後の「ヒアーズ・ザット・レイニー・デイ」は対するように穏やかだ。

こうしたライブ盤が残っているのはまさにラッキーとしか言いようがない。