国道122号沿いの音楽喫茶 『ドルフィン』

さぁ、音楽を聴け!
コーヒーは自分で沸かして用意して…
そんな仮想の音楽喫茶

ソコには土台になる音があった!

2009年06月15日 | マスターの独り言(アルバムのこと)
ジャズを聴き始めたばかりの時、
耳でとらえるのが難しいのがベースの音である。

僕はビル・エヴァンスの『ワルツ・フォー・デビイ』を初めて聴いた時、
ベースのスコット・ラファロは、一体どこにいるのか?
と、全くベース音が聞こえていなかった。

ボンボンと何か単調に弦を弾く音が聞こえるようになっても
次にベースの聞こえづらいアドリブの壁が待っている。
言葉では言えないほどの盛り上がりに欠けるアドリブ。
他の楽器と比べて音が伸びてこないため、一気に熱が冷めてしまう。

そこで思い切ってベースが活躍するアルバムを出そう。
チャーリー・ヘイデンの『アズ・ロング・アズ・ゼアズ・ミュージック』
ヘイデンとハンプトン・ホーズとのデュオ作だ。
ヘイデンのベース音は、普通のベース音とは違う。
ブーンブーンと力強く心地よい響きがヘイデンのベースにはある。
ただの縁の下の力持ちではなく、
ベースの楽器のとしての可能性を広げている。
どこを聴いても退屈することはない。
パズルのピースがぴったりとはまるように、
ヘイデンのベースは、曲を盛り上げていく。

ハンプトンのピアノとも相性がいい。
どことなくマイナーっ気のあるハンプトンのピアノに、
ヘイデンは伸びやかに乗り、演奏を進めていく。

ベースの魅力に取り付かれると、困ったことも起きる。
ベースは低音であるため、オーディオの善し悪しも分かってしまう。
本当にいいオーディオで聴くと、ベース音がぐーんと伸びてくる感じがする。
音量を上げることで、ベース音は聞こえるが、
やっぱり良いベース音を求めるなら、オーディオも考えなくては?

なかなかベーシストは目立たない所もあるが、
耳を凝らして聴いてみれば、
ジャズの新たな扉が開く!…かもしれない?
(オーディオの道まで開けてしまうかも…)