谷崎潤一郎の細雪を読むのに、どの本を買おうかという話。
読む前からシリーズ化してしまっている。
いい加減決めなくては。
図書館から借りてきた次の2冊
現代日本文学大系 31 谷崎潤一郎集 (二) 筑摩書房 (以下筑摩版)
豪華版 日本現代文学全集 18 谷崎潤一郎集 (二) 講談社 (以下講談社版)
前回(2)で、筑摩版は新字体で、講談社版が旧字体と書いた。
http://totoji.blog.so-net.ne.jp/2018-03-16
しかし読んでみると、筑摩版もすべてが新字体というわけではなく、所々に旧字体が使われている。
講談社版を読んでいてわからなかった旧字体の文字を筑摩版で確認しようとしたら、同じ旧字体が使われていた、ということがあった。
ある一定のルールに基づいて旧字体を新字体に改めているのだろうけれど、その説明は見当たらない。
筑摩版を選んでも、それほど読みやすくはなさそうだという思いが生じてきている。
また、使われている書体を比べてみると、講談社版の方が重厚感があるというか、趣があるというか、まぁ単純に個人的な好みとして、好きだと感じている。
そういうわけで、どちらにするか。
少し筑摩版に傾いていた気持ちが、今はほぼ互角状態で、混迷は深まっている。
少し、本の中身、小説そのものについて書こう。
今のところ読んだのは(一)と(二)のみだ。
(一)は大変苦労した。
四姉妹が主要な登場人物であることは知っていたのだが、誰が長女で誰が二女でといった事、また今誰と誰の会話で誰の話をしているのかという事等を、何度も読み返さなければ把握できなかった。
その一方で(二)はすらすらと読め、物語に惹きよせられ先を読みたくなる魅力を感じとることができた。
谷崎流の表現に慣れるまで苦労しても、時間をかけて読み進める価値はありそうだ。
二冊買ってしまおうかな。