ユーゴスラビア内戦について学ぼうと、
『ユーゴスラヴィア現代史 柴宜弘』(岩波新書(445) 岩波書店)
という本を読んだ。
かなり前、10年あるいはそれに近いくらい昔のことだ。
第二次大戦後のユーゴスラビアは象徴的に、
「七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字、一つの国家」
と表現される複合国家だった。
それが崩壊していく過程が、すなわち、ユーゴスラビア内戦だ。
と、偉そうに書いてみたが、実は何もわかっていない。
なぜユーゴを建国しなければならなかったのか?
なぜユーゴを解体しなければならなかったのか?
本を読んでいる間は何となく理解しているような気がする。
しかし、読み終わって、全体の流れをおさらいしようとすると、分からなくなってしまう。
お前はこの本を、勧めてるのか、けなしてるのか、どっちだ!
と問われそうだ。
評価も批判もしていない。
映画『サラエボの花/Grbavica』について書く前にこの本を再読しその背景をサラッとまとめようとしたのだけれど、そんな事は無理だったと、そういう話だ。
映画『サラエボの花/Grbavica』は2006年から2007年にかけて公開されたボスニア・ヘルツェゴビナ(ユーゴスラビアを構成していた共和国のうちの一つ)の映画だ。
監督・脚本はヤスミラ・ジュバニッチ。
内戦で夫を、父親を失った母娘のストーリーである。
途中までは。
内戦がこの母娘につけた爪あと。
その痛みに共鳴し、癒しを祈るために、内戦の背景を知っても役に立たないな。
またこの母娘を見て、ユーゴ内戦を知った気になってもいけないのだろうな。
と、そんな風に思った。
実にチープで抽象的な感想だが。