ととじブログ

書きたい時に書きたい事を書いている、あまり統一感の無いブログです。

家路

2020-12-24 03:14:32 | 映画/ドラマ
『家路』は2014年に公開された映画。

監督:久保田直
脚本:青木研次
音楽:加古隆
キャスト:松山ケンイチ、内野聖陽、田中裕子、安藤サクラ、山中崇、田中要次、光石研、石橋蓮司

主演の松山ケンイチが演じる次郎は、2011年の福島第一原発の事故によって家や農地が立ち入り禁止区域となった農家の次男坊で、ある事情があって遠い過去に家を出ていたのだが、事故後に戻って来て、ひとり立ち入り禁止区域内にある家に住み農地で稲作を始める、というストーリー。

映画の中に、原発事故被災地のひとつである福島県富岡町の風景が出てくる。
公開されたのが2014年3月1日。
撮影されたのはそれ以前で、作品内の風景や登場人物の服装を見ると寒い時期ではないようなので、2013年の春から秋までに行われたものと思われる。
2011年の事故から2年後、2013年の富岡町。


(2014年公開作品、映画『家路』の55分31秒付近より)

一方、ほぼ同じ位置の、Googleのストリートビューから、この記事を書いている時点では、2017年10月に撮影された写真。


この通りは富岡町のメインストリート、街の商店街だった。
人影が無いものの2013年の時点ではまだその面影が残っているのに、それから4年経った2017年には空き地が増え、失われてしまっているのが悲しい。
今は2020年12月で、さらに3年が過ぎているので、また変わっているだろう。

私は子供時代、小学4年生から中学1年生までの約3年間富岡町に住んでいた。
だから、私にとっても、大事なふるさとである。
原発事故によって「ふるさとを失った人々」に対しては、個人的に様々な感情があって、中には口にできないものもある。
しかしながら、この映画を観て、その土地で生まれ生きてきた人と私のように通り過ぎた人では、ふるさとへの思いの深さが違うのだなという事を感じ、その深さに共感することができるようになった。