ととじブログ

書きたい時に書きたい事を書いている、あまり統一感の無いブログです。

行人 / 夏目漱石

2020-08-29 02:17:19 | 本/文学
夏目漱石の後期三部作と言われる『彼岸過迄』『行人』『心』。
いずれも中核に据えられているのは同じようなタイプの学者、知識人。勉強し過ぎて、研究し過ぎて、まじめで、考え過ぎて、孤独感に苛まれて、ちょっとおかしくなってきちゃった…というような人物だ。

そのおかしくなってきちゃった度合というか、いかれ具合がもっとも大きいのが、この『行人』に出てくる一郎だと思う。

一郎は物語の最後まで生きているので、『心』の「先生」よりはマシかも知れないが、混迷の深さは救いようがなく、そこから先、幸せに暮らしていけるとはとても思えない。
ハッピーエンドとはほど遠いエンディングを迎える。

とは言え、私はこの『行人』が漱石の作品の中では一番好きだ。
悲劇が好きなわけじゃないし、どちらかというとハッピーエンドの方が好きだし、第一、一郎にさほど共感もできないのだけれど、なぜか読んでいると『行人』が面白いと感じる。

2016年から刊行開始された岩波書店の『定本 漱石全集』。
その第八巻に『行人』が収録されている。
これを図書館から借りてきてパラパラと眺めてみた。
私が持っている全集本(1993~)とそれほど大きな違いは無かった。
しかしながら、月報に収録された中脇初枝の『百年前の使者』には感じ入るものがあった。

一郎とは、漱石自身を投影した人物であろうと想像される。
以下は『百年前の使者』からの抜粋。
『……わたしをどれだけ励ましてくれたことだろう。
 自分が幸福でないものに、他を幸福にする力がある筈がありません。
 彼はこう書いた。たしかに妻との仲は険悪で神経衰弱に苦しんでいた漱石は幸福ではなかっただろう。けれども、幸福ではなかったであろう彼の書いた作品のおかげで幸福になれた人は、わたしばかりではないはずだ。
 ……』


Beatles

2020-08-18 21:46:30 | 音楽
さすがのビートルズ(Beatles)も、最近の若いミュージシャン達には影響力がなくなりつつあるようだ。
しかし、それはあくまでも直接的な影響であって、孫請け、ひ孫請け的に影響を受けていることは間違いない。
ビートルズは偉大なのだ。

と言いながら、私もそんなに詳しいわけじゃなくて、好きな曲をペタペタと張り付けていくという、ただ単にそれだけの記事である。

ビートルズの最高傑作と(私は思わないが…)言われるアルバム『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド(Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band) 』の最初の曲。

 

真っ白いジャケットで『ホワイト・アルバム』とも言われるアルバム『ザ・ビートルズ(The Beatles)』の最初の曲『バック・イン・ザ・U.S.S.R.(Back in the U.S.S.R.)』。
下の動画はビートルズとしてではなくてポール・マッカートニーとしての演奏。
日時は不明だが、アップされたのが2008年。場所はロシア、モスクワのRed Square(赤の広場)とのことだ。プーチンの顔がチラリと確認できる。
U.S.S.R.とは、かつてアメリカと世界の覇権を争った大国ソ連ことソビエト社会主義共和国連邦(Union of Soviet Socialist Republics)の略だ。

 

アルバム『アビイ・ロード(Abbey Road)』はA面がジョン・レノン、B面がポール・マッカートニー主導で作られたと言われている。B面のメドレーが特に名高い。そのアビイ・ロードのA面から『オー!ダーリン(Oh! Darling)』。ずっとジョン・レノンの曲だと思っていたのだが、調べてみるとポール・マッカートニーの曲だそうだ。
あ、そうそう、80年代後半くらいまで、音楽のアルバムはLPレコード、またはカセットテープというものに収録されていたんだけれど、そのLPレコードやカセットテープには表と裏があって、A面B面と呼んでいたの。
今はCDで一面だけど。
というか、CDって何? という世代が台頭してきてる?

 

最後のアルバム『レット・イット・ビー(Let It Be)』から『ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード(The Long And Winding Road)』。


なんだかポール・マッカートニーの曲ばかりになってしまったのでここで『ドント・レット・ミー・ダウン(Don't Let Me Down)』。曲もいいんだけれど、この動画がすごくいい。最晩年に、ジョン・レノンとポール・マッカートニーが並んで演奏している姿は感慨深いものがある。


最後に『レット・イット・ビー(Let It Be)』。
言わずと知れたポール・マッカートニーの名曲だが、ジョージ・ハリスンがぶっこんでくる、ちょっと雑で大胆なギターがかっこいい。
何というか、レノン&マッカートニーという類まれなる才能を持った2人の背中を追って俺もここまで来たのにな…というジョージ・ハリスンの咆哮というか諦念というか、ちょっと妄想入っちゃってるかな? でも、そんなことを思わせるようなギターだ。