物語の舞台は「円(¥)」が世界で一番強かった時代の円都(イェン・タウン)と呼ばれた街ということで、私はバブルの頃、東京のどこかかな? と思いながら観た。
私はバブル時代を次のようにイメージしている。
円が強くて好景気という事は慢性的に人手が足りないという事。
不法入国した外国人がそう簡単に仕事に就けないのは事実だが、極めて困難かというとそうでもない。
仕事をしてくれるならばどんな人でもかまわない。人が来てくれなければ、雪崩のように押し寄せてくる仕事をこなせない。それで会社が立ち行かなくなる。誰でもいい。とにかく人が欲しいという事業者が街中(国中)にあふれていた。
だから、選り好みしなければ仕事に就ける。
買春や窃盗、薬物の密売など、違法行為に走る外国人も確かにいた。
でもそれは、より良い稼ぎのためであって、そうしなければ生きていけないというのとはちょっと違う。
違法就労者の多くはまともな人で、まともに仕事をして、まともな生活をして「円」を稼ぎ、潮時が来たら母国に帰っていった。
そんなわけで、作品全体に漂う世界観には非常に違和感があった。
観終わってからググってみると、架空の時代、架空の街の物語だということだった。
それならばまぁ納得できる。
金融モンスターやグローバル企業が「合法的に」世界中を荒らしまわり、テロリストが集結して国家を名乗るというような昨今からすると、中国マフィアの偽造紙幣で荒稼ぎというのが何ともスケールの小さい話だなとも感じたが、1996年に公開された映画と考えるとそんなものかな? とも思う。
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『スワロウテイル』は2019/12/27に「坂田莉咲のSHOWROOM」で紹介された。
「坂田莉咲のSHOWROOM」は2020/03/31に終了した。
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2023/03/09 最終更新
2023/03/09 最終更新