ととじブログ

書きたい時に書きたい事を書いている、あまり統一感の無いブログです。

日記 (2019/02/28)

2019-02-28 05:37:03 | 本/文学
前記事で触れた、村上春樹「騎士団長殺し」の文庫化。
発売情報をよく見たら、2月28日に発売されるのは第1部の上下2冊で、第2部の上下2冊は3月28日になるようだ。
第1部の売れ行きを見て、第2部の発行部数を調整するってことかな?
別に買う訳じゃないから、理由なんてどうでもいいのだけれど。

それよりも、すごく嫌な事に気づいた。
単行本の一冊目が第1部、二冊目が第2部だって事。
上巻、下巻じゃないって事。
つまりこれって、アレ。
「ねじまき鳥クロニクル」や「1Q84」と同じパターンで、まだ完結してない…かも知れないよ、ってやつね。

ねじまき鳥なんて、第2部まで読んで、よくわかんないけど終わったんだろうなって思っていたら、後から第3部が出て、これで完結かと思って読んだら、これ終わり? 完結したのかこれ? って感じだったもんな。
いや、結構はっきり終わったんだっけかな?
主人公の奥さんは結局戻って来なかったように記憶しているんだけどな。
違ったかな?
まあいいや。
かわはぎボリスが嫌で、読み返す気にならないんだよね。

そういえば、前記事で書いた「羊をめぐる冒険」も続編の「ダンス・ダンス・ダンス」が書かれたわけで。

「世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド」も続編を書きたいとかいう話があったような、無かったような…

そんなこんなで、騎士団長殺しも、終わったのか終わってないのか、たぶん、著者自身もよくわからないってことだろう。

以上…ググれば正確な情報が得られるかも知れないのだけれど、あえて何も調べずに書いた。
なので、この記事の内容は正確性に欠ける。
ひとり言。

読み流して忘れてくださいね。


羊をめぐる冒険 / 村上春樹

2019-02-26 05:42:09 | 本/文学
村上春樹の最新長編小説「騎士団長殺し」。
単行本が2017年2月に発売されてから2年。
待ちに待った文庫版が2月28日に発売される。

と言いながら、文庫を買う訳じゃない。
もう少し待つ。
古本で単行本が値崩れするまで待つ。
税別100円×2まで待つ。
「羊をめぐる冒険」とは何も関係無いのだけれど、何となく書いてみた。

さて。
村上春樹の作品の中で最も好きなのが「羊をめぐる冒険」だ。
初版本を二冊持っている。
初出誌の「群像」82年8月号も持っている。
自慢だ。
羨ましいと思う人はそれほど多くないだろうけれど。

「羊をめぐる冒険」は鼠三部作と呼ばれる作品群の第三部とされているが、前の二作品「風の歌を聴け」と「1973年のピンボール」を読まなくても、十分楽しめる。

35年以上も前の作品なので、内容的に古い部分が多々ある。
例えば、国電(日本国有鉄道、今のJR)という単語が出てきたり、音楽を聴くのがレコードやカセットテープだったり、どこでもスパスパたばこを吸っちゃったり、携帯電話が無かったり、警察が交通事故被害者の自宅を簡単に教えてくれたりするところ等だ。
それでも、作品で描かれる社会の‘闇’は、現実の世界でも似たような形で存在し、また現在まで何ら変わることなく続いていて、本作の文学性やエンターテインメント性は未だ色褪せていない。

何度も読み返しているのだけれど、今回読んでみて、前回読んだのはかなり昔なんだということを実感した。
作品に出てくる「十二滝町」のモデルとなっている地があるのだろうか? どのあたりなんだろうか? という疑問が簡単に解決してしまったからだ。
恐らく前回読んだ時は今のようにWikipediaもGoogleマップも無かったのだ。
あるいは、あっても、今ほど情報量が充実していない時期だったのだ。

十二滝町のモデルは北海道美深町だと言われているそうだ。
それに関するWebページまである。
風景写真まで見ることができる。
いや、まぁ、こういうのって、何というか、便利と言えば便利なのだけれど、ちょっとアレだよな…という気持ちにもなる。


月光 / 誉田哲也

2019-02-23 06:04:15 | 本/文学
月光
著者:誉田哲也 (ほんだてつや)
発行所:中央公論新社
中公文庫
2013年4月25日 初版発行

単行本版 2006年11月 徳間書店刊
文庫版 2009年3月 徳間書店刊

以下、ネタバレ有り。


まず、羽田稔之(ハタトシユキ)。
まったくこいつは何が不満なのか、西麻布のマンションに住んでいて、仕事は安定しているし、ルックスにも恵まれていて、いくら妻との仲がいまひとつだからといって、女子高生に手を出すか?
いきなりセックス、しかも学校内で、さらに調子に乗って音楽準備室のドアを開けっぱなしでやっちまうって、頭おかしいんじゃねーか。
恋愛感情が芽生えるというのはわかる。
でも、付き合い方ってものがあるだろう?
涼子を自宅に連れ込むというのもどうかと思う。
長期不在とはいえ、妻との生活を営んでいる場所だろ?
この人は何かが決定的に欠けているとしかいいようがない。
まあ悪人では無いのかも知れないけれど。

次に菅井清彦(すがいきよひこ)。
こいつもクソだ。
両親が自殺したのは気の毒だ。
好きな子が教師とセックスしているところを見てしまったらショックだろう。
10代の少年が性に飢えているのもよくわかる。
だからと言って、好きな子を恐喝してセックスを強要するなんてことは男として終わってる。
というか、自分と好きな子との関係を、自ら決定的に壊してしまっている。
こんな事をするぐらいなら、いきなり襲って、強姦野郎として刑務所にぶち込まれる方がまだマシだ。
あるいは、猿(香山瞬)に「…チンポ切り落としてやろっか…」なんてアホこと言ってないで、羽田のチンポを本当に切り落としてやればよかったんだよ。

残り、香山初美&香山瞬の姉弟。
言うまでもなくクソなのだけれど、こいつらの場合は言い訳する機会が与えられいない。
言い換えると、一人称で語られることがなかったので、スルーする。

以上、主な登場人物に対する感想。
登場人物がいくらクソであろうと、作品の価値が下がるわけではない。
作品自体は面白かった。

ただ、不満もある。
涼子を、聖女的なイメージで描こうという意図があったのだと思うけれど、それが成功しているか。
またミステリーとしてはどうか。
成功している部分もあるし、そうでもない部分もあるように思う。

ストーリーの中核である、涼子の死とその真実。
そこに、涼子の聖女性やミステリーの種明かしが鮮やかに集約されているか…

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2019/02/25 追記

序盤の羽田稔之と野々村涼子が出会うシーン。
それから、エンディングの羽田と野々村結花が(恐らくは)別れるシーン。
それぞれのシーンで、涼子が、結花が弾くベートーヴェンのピアノソナタ「月光」。
フリードリヒ・グルダの演奏をペタりと貼っておこう。

FRIEDRICH GULDA plays BEETHOVEN - "MOONLIGHT" PIANO SONATA OP. 27 N. 2


クイーン

2019-02-13 05:29:21 | 音楽
60年代にお姉ちゃん達をヒーヒー言わせたビートルズの名曲『レット・イット・ビー』を、70年代に少女達をキャーキャー言わせたクイーンが演奏するって、素晴らしい! そんなVTRがあるならぜひ観たい、聴きたい、お宝動画じゃないか。

と、しょっぱなから、意味不明の事を書いてしまった。
いや、この話のネタ元がちゃんとあるんだけれど、説明するのが面倒なので、単なる妄言という事で。

クイーンは好きだったけれど、曲単位で考えると、これだ! というのが意外と無くて、話題の『ボヘミアン・ラプソディー』も正直言っちゃうと、あんまり好きでもない。何か、変だし。
じゃ、適当に有名どころを、ということになると、これか?

Queen - We Will Rock You (Official Video)

でも、この曲がクイーンらしいかというと、少し違うと思う。
イーグルスの『ホテル・カリフォルニア』みたいな感じで、最も有名な曲のひとつなのだけれど、最もらしくないというやつだ。ヴァン・ヘイレンの『ジャンプ』とかもね。

クイーンを初めて聴いたのは、また真剣に聴いていたのは中一くらいのときだ。
80年ころで、当時の最新アルバムが『ザ・ゲーム』。
リアル・タイムで聴いたのは、ほぼすべてこの『サ・ゲーム』に収録されている曲ばかりだ。
ここから一曲選ぶとなると、これも難しい。
5曲シングルカットされ、どれもクオリティが高いのだけれど、みな趣が違って、やっぱりコレだよね! というのが無い。どれを選んでも、ちょっと物足りなさを感じてしまうのだ。コレにするとアレの素晴らしさを伝えられない、といった感じで。
なので、まあ適当に。
『セイヴ・ミー』にでもしておこう。

Queen - Save Me (Official Video)

いや~それにしても、改めてフレディ様の勇姿を拝見すると、感動するというか、笑っちゃうというか、あ、いや、すみません、味がありますね。

ついでなので、同じ時期の、クイーン以外の名曲をいくつか。
どれも、何だろうな? やっぱりちょっと笑っちゃうんだよな。
なつかしい。

コールミー  ブロンディ

ホット・スタッフ  ドナ・サマー

ザナドゥ  オリビア・ニュートン ジョン

涙のレター  REO スピードワゴン

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2019/06/17 加筆修正、埋め込み動画を一部削除


アフターダーク / 村上春樹

2019-02-05 15:45:45 | 本/文学
アフターダーク
著者:村上春樹 (むらかみはるき)
発行所:講談社
講談社文庫
2006年9月15日 第一刷発行

1992年の『国境の南、太陽の西』から始まった、大長編の間の‘短め長編’第三弾『アフターダーク』。
前に、発売直後に読んだ時にどう感じたのかというと、正直あまり覚えていない。
何となく、渋谷あたりにあるラブホテルに個性的な女性従業員がいて云々というイメージがあるだけで、今回読み直しなのだけれど、ほぼほぼ初めて読むような印象だった。

以下、ネタバレ有り。


う~ん、何だかよくわからなかったなあ~というのが感想だ。

いつもの「こちら側とあちら側」的な話かというと、そんな気もするし、そうでない気もする。
いつもの「闇を抱えた変な人」が出て来たかと思ったら、そうなような、そうでもないような。
いつもの「大事な人を損なう」とか「大事な人をとり戻す」とかいう要素があるかというと、あるような、ないような。
まぁ、そう、何かよくわからなかった。

そんなわけで、かなり断片的な、感想を書いてしまう。

白川、嫌だな、気持ち悪いな、この男。
エリの項、退屈だったな。
カオルとコムギとコオロギ、いいな。この三人の女達の『アフターダーク外伝』みたいな、スピンオフを読みたい。書かれることは絶対無いだろうけど。

ひとつ、強く印象に残ったのは、白川が娼婦からはぎ取ってきた衣類やバッグの中身をひとつひとつ点検して処分するところ。ここに、言いようのない恐怖、怒り、口惜しさを感じた。ま、いろいろ理由があって。

時期的には『海辺のカフカ』と『1Q84』の間に書かれた作品なのだけれど、そこから何かリンクするものを感じるかというと、それもちょっと…今は思いつかない。ピンと来ない。

村上春樹は特別に好きな作家の一人なので、もう一度読み直す事があるかも知れない。
けれど、なんとなく、その時は、今よりもっとよくわからないのではないかと、そんな気もする。

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2019/02/05 訂正
訂正前:…『ねじまき鳥クロニクル』と『海辺のカフカ』の間に…
訂正後:…『海辺のカフカ』と『1Q84』の間に…