現代へのまなざし

日本とはなにかを探求します。

日本人の劣化-劣化する日本人-

2014-07-29 22:09:45 | 日記
売国、反日
最近、ネットでよく目にする言葉だ。

一方で、韓国や中国に対する憎しみに満ちた言葉。
あるいは民主党議員などに対する侮蔑に満ちた言葉。
あたかも神話を信じ込んで現実を見ていない人達の言葉のようだ。
すなわち、その言葉、物語の矛盾や不可解さを無視し、自分勝手な物語を信じている人達が増えている。

企業優先の政策を当然のこととして支持する年収300万円にも満たない貧困層。
消費税増税と企業減税を受け入れる民衆。
福島はコントロールされているとデタラメをいう総理に疑問を抱かない一部マスコミ。
積極的平和主義という言葉を使いながら、その言葉とは相反して戦力による秩序を望む総理。
嘘を平気で言う総理を受け入れるマスコミ。
学校の先生はサービス産業従事者だと思っている保護者。
お金儲けのためには何をやってもいいと思ってる人達。
社会的弱者について弱者となったのは自己責任だといいはる人達。
法律で禁止されていなければ何をやってもいいと考える人達。
冷戦の中で日本を優遇したアメリカが、冷戦後に日本への優遇策を改める現実を認識できない人達。
イスラム社会の問題を暴力に還元するような映像を垂れ流すテレビ。
中国の歴史、中華思想を知らないまま中国の外交を論評するコメンテーター。

これらの事象を考察すれば日本人が劣化していると認識するのは同意できることだ。

「劣化」をどのように捉えるのか。
日本人の劣化という言葉に条件反射的に怒りを感じる人達もいる。
最近の右傾化の影響か、日本人を批判的に捉える著作物は全て駄目だとか、短絡的な批判がある。

人の劣化とは、人間が人として存在するゆえん=人間性ということを念頭におけば、
一般的には人間性が劣化していることが劣化だと考えるだろう。

では、人間性とは何か。
動物と人間を分け隔てるもの、それは理性であり、理性はロゴスと言われ、その対義語はパトスである。
パトスはパッション=感情に通じている。
感情を抑制し、物事を論理的、理知的に考えるもの、それが理性。
一方で、最近では日本人の主張が感情的なものに影響されていると感じることが多い。
それが先程示した事例である。
理性を使って深く考えるのではなく、感情的に反応してしまう傾向。
そういう傾向が強くなっている今の日本、だから日本人の劣化と言われる。

高度経済成長期に、従来のしがらみから逃れ、新たな生活を送ろうとした若者達。
文化住宅と言われる団地に住み、日本的価値観からアメリカナイズされた人達。
どんどんアメリカ文化に浸食され、日本人の劣化を招いたのではないか。

アメリカは、イギリス国教会から逃れ、宗教の自由を達成することを目的とした人達が移住して建国した国。
原住民であるネイティヴ・インディアンを追い払い築いた国家。
自分たちの力で、自分たちが新たな秩序を作り、キリスト教を基本原理とし、多民族の中で公式には民主主義を旗印として成長したアメリカ。

日本は、歴史も文化も全く異なるアメリカを真似しようとして劣化したのだろうか。
これからも日本の劣化について考えていきたい。
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