NHKニュースで、ロシアのプーチン大統領が一方的に停戦を発表したという報道があった。「一方的」という言葉は、ロシアによるクリミア半島の併合に、NHKだけでなく多くの新聞などでも使われている。
なぜ、ロシアが何かをすると「一方的」という修飾語が多用されるのだろうか。
一方的とは、広辞苑第7版によると「①ある一方にかたよるさま。「―な勝利」、②相手のことを考えずに、自分の方だけのことを考えてするさま。「―な言い分」「―に宣言する」」とある。
トランプ大統領が各国に対して関税を発表した。トランプ大統領は相互関税と述べていたが、これこそ「一方的」な関税の発表だろう。しかし、トランプ大統領に対しては「一方的」という言葉は使われていない。
また、ウクライナのゼレンスキー大統領が戦況について一方的に発表している内容についても、「一方的」という言葉を使うことなく、全面的に正しいかのように報道している。このような報道は、ゼレンスキー大統領の一方的な発表を一方的に垂れ流していると言える。
「一方的」という言葉は、どうやらロシアなど西側諸国から敵性国家とされた国に対して使用される言葉らしい。ということは、今後、中国に対しても「一方的」という言葉が使われるかもしれない。
このようなNHKの「一方的」な報道は、視聴者を一方的な考え方に導く可能性が高いだろう。第二次世界大戦(アジア・太平洋戦争)の際に、日本のマスコミは一方的に大本営発表を垂れ流し、日本国民を洗脳していたが、その姿は今でも健在のようである。「一方的」なNHKの報道は、もはやプロパガンダ報道と言えるだろう。
ロシアによるウクライナ侵攻について、ロシアが批判されるのは当然であるが、戦況についても、当事国の主張についても、一方的な報道に終始するNHKの報道姿勢は異常と言わざるを得ない。
今後の国際情勢で、アメリカにとって不都合な場合、西側諸国にとって不都合な場合、NHKは一方的に偏った報道を行うだろう。日本の宗主国であるアメリカが日本に対して理不尽な政策を取った場合にどのような報道をするのかはわからないが、トランプ大統領の相互関税については「一方的」という言葉を使っていないので、非常に抑制的な報道をするのだろう。
しかし、NHKの報道姿勢、日本のマスコミの報道姿勢を見ていると、今後も、第二次世界大戦(アジア・太平洋戦争)で見せた一方的な報道、偏った報道、プロパガンダの垂れ流しを行うことは容易に想像できる。
このような偏った報道に騙されないようにするためには、国際関係を、過去の歴史を踏まえるながら観察、分析することが重要である。例えば、ロシアによるウクライナ侵攻の場合であれば、侵攻が始まる前のウクライナの状況がどのようなものであったのか(ロシアのウクライナ侵攻に関する報道)、アメリカの戦略がどのようなものであったのか(ブレジンスキーの戦略)、ロシアの反応はどのようなものであったのかを調べる必要がある。
過去の歴史を踏まえれば、一方的な報道に騙されることもなく、価値自由に国際問題を見ることができるだろう。
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