情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

再びドジョウのかぶりものをつけるか?!~ホトケドジョウ環境訴訟、今月5日午後1時15分、東京地裁で

2007-10-01 21:01:02 | そのほか情報流通(ほかにこんな問題が)
 日本で初めて川が原告となった落合川環境訴訟の第1回期日が今月5日午後1時15分、東京地裁527号法廷で開かれる。提訴時には、思い切って、落合川とともに東京都を訴えたホトケドジョウのかぶりもの(写真参照)をつけて壇上に並んで記者会見に応じた原告団(人たる原告)及び弁護団だったが、記者団からの視線は必ずしも好意的ではなくがっかり。これに懲りずに、第1回弁論でもかぶりものをつけるかどうか注目されている?!

 この事件は、被告東京都が、東京都東久留米市を流れる落合川において、治水目的のために蛇行している河川を直線化するのに伴って実施する現河川の埋め立て工事によって、現在落合川に豊富な湧水を供給しているその源が枯れ、その結果落合川の良好な自然環境が破壊されてしまうおそれが高いことから、絶滅が危惧されるホトケドジョウ、埋め立てられてしまう落合川そのもの、及び落合川の良好な自然環境を享受してきた周辺住民らが原告となって、自然の権利、環境権ないし環境利益を含む全人格権利益の侵害を理由として、現河川の埋め立て工事の差し止めを求めるもの。

 原告落合川は、東京都東久留米市八幡町を水源として同市内を東向きに流れ、埼玉県境で黒目川に合流する全長約3.4kmの川である。落合川は、湧水が極めて多く、良好な水質を反映して、ホトケドジョウ、アブラハヤ、メダカなどの魚類がみられる。また、水生植物もナガエミクリやミズニラがほぼ全川にわたって繁茂し、鳥類もカルガモやサギ類、カワセミ等多くの種類がみられるなど、上流から下流にいたるまで自然が豊かで、地域住民に親しまれている川である。

 一方、原告ホトケドジョウ(学名 Lefua echigonia)は、体長4~6センチメートル程で、太く短い体の小型のドジョウである。体色は灰褐色で、背面に暗褐色の小斑点が散在する。「Japanese-eight barbel loach」の英語名が示すとおり、4対8本の口ひげが特徴である。
 ドジョウが水田やその周囲で泥底に生息しているのと異なり、ホトケドジョウは、湧水を水源とする細流、湿原、水田周りの水溝等、流れの緩やかな場所の砂泥地で、水草や石などの障害物のあるところに好んで生息し、水中を活発に泳ぐドジョウである。そのため、ホトケドジョウは、湧水の有無の指標動物としても知られてきた。
 また、ホトケドジョウは、日本固有種で、かつては、青森県を除く東北地方から近畿地方までの本州に広く分布していた。そのため、ホトケ、オカメ、オカメドジョウ、シミズドジョウ、ダルマドジョウなど、各地で様々な呼ばれ方をしてきた身近な水生生物である。
  ホトケドジョウは、冷水性で水温27度を超えるところでは弱る特性があり、水温が低く、澄清な湧水付近を生息地としてきたため、交雑が起こることが極めて少ない。そのため、同じホトケドジョウでも、水系・地域ごとに分化し、異なる特徴を有している。
  しかし、近年の宅地造成や圃場整備、U字溝化等による生息環境の悪化や農薬の散布による水質悪化により、かつてはどこにでもあった生息地は、急激に減少していると同時に、その個体数も激減しつつある。そのため、ホトケドジョウは、平成15年にレッドデータブックが改訂された際に、絶滅危惧IB類(近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)に指定されるに至ったという。
  
 噂では、東京都は、原告ホトケドジョウを引っ越しさせたうえ、原告落合川を埋め立てして圧死させたという…。

 既成事実を作ればそれでよいのか、裁判の行方が注目される。







★「憎しみはダークサイドへの道、苦しみと痛みへの道なのじゃ」(マスター・ヨーダ)
★「政策を決めるのはその国の指導者です。そして,国民は,つねにその指導者のいいなりになるように仕向けられます。方法は簡単です。一般的な国民に向かっては,われわれは攻撃されかかっているのだと伝え,戦意を煽ります。平和主義者に対しては,愛国心が欠けていると非難すればいいのです。このやりかたはどんな国でも有効です」(ヒトラーの側近ヘルマン・ゲーリング。ナチスドイツを裁いたニュルンベルグ裁判にて)
★「News for the People in Japanを広めることこそ日本の民主化実現への有効な手段だ(笑)」(ヤメ蚊)
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市民的不服従と権威主義的リーガリズム~ハーバーマスに関する論考より

2007-10-01 00:25:05 | 適正手続(裁判員・可視化など)
 皆さんは、些細なルール違反で目くじらを立てる権力のあり方についてどのように考えますか?特にビラまきという情報伝達行為を行っている者に対する強制力の行使についてどう思われるでしょうか?この問題について、ドイツの社会学者ユルゲン・ハーバーマスは、市民的不服従という回答を出した。

 西永亮氏のハーバーマスに関する論考(「憲法と政治思想の対話」第6章「ハーバーマスの市民的不服従論-デモクラシーと法治国家の内的連関に関する一考察」)には、次のような問いが掲げられている。しばらく、この問いについて、考えてみたいと思う。

【国内の平和と安全を維持し、市民の生命、自由、財産を保障することは、近代国家に課せられた主要な役割であり、またその存在理由であると考えられている。その遂行のために、国家は権力=暴力(ゲヴァルト)を独占する権限を認められる。それを背景にして、さまざまな法律や政策が所定の手続きにしたがって決議され、実施される。そして市民の側には、基本的にそうした法律や政策への服従が要求される。それによって「法治国家」という枠組みは維持されるのである。
 しかし、市民は国家に無条件に服従しなければならないのであろうか。】

 西永氏は、次のように続けている。

【こうした問いが、1960年代のアメリカにおけるヴェトナム戦争反対運動や公民権運動などをきっかけにして出現した。つまり、たとえばヴェトナムの軍事的攻撃や人種隔離などといった政策実施は、たとえ多数派(マジョリティ)の意見とみなされうる、また所定の手続きにしたがって合法的に決定されたと考えられるとしても、それらが少数派(マイノリティ)の意見や、個人の良心ないし思想信条などに反している場合、果たして無条件に正当性を獲得しているといえるのであろうか、という異議申し立てがなされたのである。そこで問題にされているのは、法治国家における「デモクラシー」の質である】

 ハーバーマスの回答を急がず、少し考えてみるのもよいかもしれません。











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