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今回の入管法改正案は、年間700万人に及ぶ外国人の入国者の指紋を採取し電子データベース化することを内容にしているが、実はもうひとつ「自動化ゲート」と呼ばれる「指紋採取制度」が創設されようとしている。定住外国人や日本人の「希望者」に対して、あらかじめ入管で指紋登録をすませておくと、鉄道の自動改札機のような機械式ゲートを、高速道路のETCのようにスピーディに通過できるというものだ。本日の法務委員会で、外国人のみならず日本人が指紋登録する制度について聞いた。

法務省三浦入管局長に対して「日本人の指紋登録制度と自動化ゲートの部分は法案のどの部分を読んだら書いてあるのか」と問うと、「今回の改正法案においては書いておりません」と答えた。法務省の省令で、後から書き込むということなのだろうか。私の前に、平岡秀夫委員が「自動化ゲートをもう使わないという人は消去されるのか。法案のどこに書いてあるのか」と追及していたことに続けて、日本人の指紋登録をしたあとの保存期間はどのぐらいなのかと質問した。

「本人が利用をやめるまでとなります」(入管局長)というわかったようで、わからない答弁。河野太郎副大臣に「本人が死亡するなどの場合は消去されるのか」と聞くと、「遺族からご連絡をいただければわかりますけど、連絡がないと難しい」との見解だった。いったん、指紋登録されるとこの情報が「自動化ゲート」の通過以外の目的外使用がどのようなルールになっているのかが問題だ。

入管法69条9には、「法務大臣は、海外の入管当局に対し、その職務の遂行に資すると認める情報を提供することが出来る」とある。指紋・顔写真情報をデータベース化している法務省が、外国の捜査機関などから「名前」「指紋」「顔写真」などの照会があった時に「捜査対象が政治犯罪」か「当該の刑事事件が国内法の処罰対象でない」限り、提供するという規定になっている。自動化ゲートに登録した指紋情報は「捜査照会対象」とならないのか。あるいは、日本政府がアメリカに対して、照会要請をすることはないのか。この点を何度も質した。

「普通は、自動化ゲートを使うのは問題ない人ですから考えられません」「入管としては海外に情報を出すということはないと思います」(三浦入管局長)とあいまいな答弁が続く。何度も念を押すと「入管業務に資すると認められないから提供はしない。入管としては、この条文を委員(保坂)の言うようには使いません」という答弁になってきたので杉浦法務大臣に確認することにした。「指紋・顔写真情報を海外に提供したり、海外から提供を受けることはないのですね。断言して下さい」と迫ると「はっきりそう言えるかどうか私自身、確かめてから答弁します」とのことだった。

住民基本台帳法は11ケタの番号をふりつけ、ICパスポートの発給によって顔写真情報をディジタル化し、外国人の指紋情報とともにデータベース化する。さらに、定住外国人と日本人も自動化ゲートを突破口として指紋登録を始める政府は、究極の個人情報をどのように扱うかを明確に答弁する責務がある。指紋登録制度は、はじめは「希望者」とソフトにスタートするが、何らかの事件を契機にして国民の義務と課せられる確率が高い。

今日の法務委員会理事会で与党側は、24日金曜日午前中の入管法参考人質疑・午後の成田空港入管業務視察をへて、28日には質疑を終えて採決をしたいと強く求めてきた。野党側は、審議はしっかりやるべきだ。民主党からは入管法修正案を出すので、この提案を受け入れるわけにはいかないと応じたが、与党の態度は固く平行線だった。

「そして、いよいよ条約刑法(共謀罪)の審議に入らなければ、法案が多くて時間がありません」と何度か口にした。すなわち3月31日の金曜日には、共謀罪審議に入りたいというスケジュールを描いているようだ。入管法も共謀罪も、「国民皆被疑者時代」の逆立ちした立法だ。究極の個人情報たる顔・指紋などをディジタル情報化して、その保存期間や海外との交換などについては「これから慎重に決めます」では納得できない。さらに、こうした人権を脅かす立法を与党が強硬姿勢で突破する危険性が出てきていることに警鐘を乱打し、メディア関係者の正確にして機敏な報道を求めたい。

法案が成立した日に「野党側はこんな問題点も指摘していた」などをガス抜きに報じるのでは官報にもならない。入管法も共謀罪も、今しかない。今、議論するしかないのだ。王ジャパンの大健闘の影で、定住外国人も含めた外国人を被疑者として扱う法案が国会で審議されていることをぜひ報じてほしい。

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