情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

これはクーデターではないのか!~普天間基地移設への掃海母艦投入問題

2007-05-18 06:47:58 | メディア(知るための手段のあり方)
 メディアも本件の重大性からどんどん取り上げ始めた。普天間基地移設調査への海上自衛隊掃海母艦「ぶんご」の投入問題のことである。特に東京新聞は、重大な指摘をしている。ぶんごは、久間防衛大臣の命令を受けて作業を行うが、その内容について、「公表できない」というのだ。えっ、戦争でもおっぱじめるつもりなのか?

 いいですか、施設建設のための調査は、通常であれば、民間会社が行う活動ですよ。それを自衛隊が行うことすら言語道断なのに、なぜ、投入する必要があるのか、活動内容は何なのかを、国民、市民、有権者に明らかにしないというのだ。

 上記のとおり、戦争しているのなら、まだ、理解できる。次の作戦が相手に知れるとまずいからだ。

 今回は、どこを相手に戦争をするつもりなのか?基地移設問題に反対している市民は、「敵」であり、彼らに対して、「戦争」を仕掛けるとでもいうのか…。

 防衛省に昇格したとたん、これだ。

 防衛大臣が活動内容などを公表しないというのでは、シビリアンコントロールはできない。したがって、シビリアンコントロールのきかない事態がいたったということは、これは、軍による一種のクーデターと評価するほかない。軍が民主主義的統制から逃れ、自分で勝手に独立した意思決定を行うのだから…。

 この行為を許す安倍内閣は、クーデターに手を貸す「売国奴」だ。

 1億2000万人の皆様、この問題を座して見ることは、あなたも、クーデターの共犯となることです。派遣される自衛隊員だって、こんなことで市民と対立したくはないはず。

 ただちに、自民党、公明党、官邸、防衛省、マスコミに、ぶんごを直ちに撤退させること、シビリアンコントロールをしない久間大臣を罷免することを要求しよう!


■■東京新聞引用開始■■

米軍普天間基地の移設工事に伴い実施される海域現況調査(事前調査)について、防衛施設庁が防衛省を通じて海上自衛隊に協力を要請していたことが十六日、分かった。海自の掃海母艦「ぶんご」が既に十一日に横須賀基地を出航し、沖縄近海に進出。同艦乗員による潜水調査が、一両日中にも始まるとみられる。沖縄では調査への自衛隊関与に強い反発があり、地元と自衛隊の信頼関係が崩れる可能性が指摘されている。

 「ぶんご」は久間章生防衛相の命令を受けて作業を開始する。艦長(二佐)のほか掃海隊群司令(海将補)と複数の幕僚が乗艦しており、任務の重大性を裏付けている。

 事前調査は普天間基地を沖縄県名護市のキャンプ・シュワブ沿岸部に移設するのに必要な環境影響評価(アセスメント)に先駆けて行われる。名護湾などの調査ポイントに、サンゴの産卵を調査するための着床板や水中ビデオカメラを設置する。

 作業は防衛施設庁が業務委託した民間の調査会社が行うが、反対派住民らによる作業の妨害が予想される。このため、海自にも調査会社と同じ作業を行うよう要請した。「ぶんご」にはゴムボートや空気タンクがあり、海自潜水士による民間ダイバーとの共同作業が想定される。

 自衛隊の活動は、民間企業の仕事を奪わないよう、自衛隊以外にできない作業であることを意味する「非代替性」が要件の一つとなっているが、防衛省は「運用にかかわることなので公表できない」と「ぶんご」の活動そのものを明らかにしていない。

 海自関係者は「防衛相の命令に従うしかないが、自衛隊に民間業者のような環境調査の経験はない。海上保安庁が行う警備もできない」と戸惑いを隠さない。

 沖縄の地元メディアは連日、「自衛隊投入」を伝え、仲井真弘多沖縄県知事は記者団に「何のためにくるのか分からない」と不快感をあらわにしている。

■■引用終了■■


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38 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (10bull)
2007-05-19 17:22:53
はじめまして。

「シビリアンコントロール」について少し気になったのでコメントします。

>シビリアンコントロールをしない久間大臣

防衛大臣は文民(シビリアン)ですので、今回の件はシビリアンコントロールの原則から逸脱するものではありません。
選挙によって選ばれた政府、国民の代表が自衛隊に命令を下すのは至極当然です。

>軍が民主主義的統制から逃れ、自分で勝手に独立した意思決定を行う

上記したように自衛隊は民主主義の統制化にあるので、これは違います。
例えば、「ぶんご」の艦長が防衛大臣の命令に逆らい調査をしなければ、「自分で勝手に独立した意思決定」となり、シビリアンコントロールからの逸脱と言えるでしょう。

シビリアンコントロールとは、政治の軍に対する優越ですので、国民の意思の担保を受けていない反対意見が、軍の活動を阻害していいということではありません。

乱文失敬

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琉球新報社説 (情報人K)
2007-05-19 21:05:20
「17日の参院外交防衛委員会で、久間章生防衛相は、辺野古海域での環境現況調査に妨害などがあれば自衛隊員が実施する可能性も認めている。
 そもそも、自衛艦(掃海母艦)の派遣の有無を政府があいまいにしている点が姑息(こそく)だ。ある政府関係者は「『伝家の宝刀』は抜かない方が効き目があるかもしれない」と、自衛隊投入をあいまいにすることで国民の批判を避け、新基地建設に反対する市民の消耗を誘う意図すら示唆している。
 自衛艦派遣が自衛隊法第82条に基づく海上での人命や財産保護、治安維持のために防衛大臣が自衛隊に命令する「海上警備行動」につながるとすれば、自衛艦は「何から何を守る」のか。事前にきちんと国民に説明すべきである。
 かつて旧日本軍の戦艦大和は沖縄を守るために特攻に出たと聞く。あれから62年、国民を守るはずの自衛隊は、米軍の新基地建設に反対する国民を威圧するために「軍艦」を沖縄に派遣するのか。
 悲惨な沖縄戦が残した歴史の教訓は「軍隊は住民を守らない」ということだった。いまや時代は変わり「軍隊は住民から米軍を守る」という悲しい現実に、沖縄は直面することになるのだろうか。」
 
沖縄の人たちの懸念はもっともだと思う。
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そうなんですよ (ヤメ蚊)
2007-05-19 21:08:19
今の政府があまりにおかしすぎるってことですね。本来、軍部の逸脱を防ぐためのシビリアンコントロールなんですが、今の政府は軍部よりもいけいけなんですね。
 というわけで、シビリアンコントロールの厳密な意味では、Unknownさんのおっしゃるとおり。でも、軍部の逸脱を促進する政府のあり方自体が実質的な意味でのシビリアンコントロールを無視しているという言い方はできるでしょう。後者の方が怖いかも…。
 日本の戦前の政府の対米開戦決定は、そういう意味で後者の部類に属するのでしょう。米国の軍事力、生産力の真の姿がきちんと市民に伝えられていたら、決して、市民は開戦には賛成しなかったことでしょう。
 今回のぶんごの出動もなぜぶんごが出動しなければならないのか、そのためにかかる経費はいくらなのか、を明らかにしてはじめて、実質的意味でのシビリアンコントロールのもとにあるといえるでしょう。
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そうではないです (10bull)
2007-05-19 22:09:36
>ヤメ蚊さん

>シビリアンコントロールの厳密な意味では、Unknownさんのおっしゃるとおり

厳密もなにも「シビリアンコントロール」には他の意味はありません。
間接民主制である我国においては、選挙により主権を国民より仮託された政府が軍に命令を下すことであって、それが守られている現在は「シビリアンコントロール」は保たれています。

>軍部の逸脱を促進する政府のあり方自体が実質的な意味でのシビリアンコントロールを無視しているという言い方はできるでしょう

ですから「軍部」は逸脱していません、シビリアンコントロールは機能しています。
先のコメントしたように、政府の命令に自衛隊が従わなかったら、それは「シビリアンコントロール」からの逸脱でとなります。
「政府のあり方」を批判するのは当然であり必要ですが、「シビリアンコントロールを無視」や「クーデター」などは的外れで不当な言葉でしかありません。
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定義の問題はさておき… (ヤメ蚊)
2007-05-19 23:26:40
10bullさんは、今回の自衛隊の派遣には賛成されるのですか?反対されるのですか?

私は、シビリアンコントロールの「趣旨」から、今回の自衛隊派遣は問題だと思うのです。

何度も言うように、派遣の理由、法的根拠、経費などを説明していないからです。それでは、民主的コントロール下にはおけないでしょう。

シビリアンコントロールの趣旨は、文官がコントロールすることを通して民主的コントロールを確保することにあると思うのです。

まぁ、私がどういう意味でシビリアンコントロールを使っているかは、読んでいる方にはお分かりだと思います。

例えば、「自衛隊の活動している地域は非戦闘地域だ」という「非戦闘地域」の用法と私が使うシビリアンコントロールの「用法」とどちらが批判されるべきかは一目瞭然…。
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定義の問題? (10bull)
2007-05-20 00:37:29
度々のコメントへのレスありがとうございます。

>10bullさんは、今回の自衛隊の派遣には賛成されるのですか?反対されるのですか?

現段階では保留です。
強いて言えば、単なる調査に反対する必要性を感じないので消極的な賛成でしょうか。

>シビリアンコントロールの「趣旨」
>シビリアンコントロールの趣旨は、文官がコントロールすることを通して民主的コントロールを確保すること

その「趣旨」は全く正しいと思います。
ですが、防衛大臣は「文民」ですので、その命令に従っている現在は、シビリアンコントロールは機能しています。
なので、「シビリアンコントロールを無視している」「クーデター」などは言葉の用法として間違っています。

>派遣の理由、法的根拠、経費などを説明していない

政府に対してその説明を求めるのは良いのですが、してもいないことを書き立てるのは言われ無き中傷に過ぎません。


>例えば、「自衛隊の活動している地域は非戦闘地域だ」という「非戦闘地域」の用法と私が使うシビリアンコントロールの「用法」とどちらが批判されるべきかは一目瞭然…。

どちらも同じく現実から乖離した間違いですから、それらは等しく非難されるべきです。
前者は言葉の言い換えで状況を糊塗したものとして、後者は状況に即していない言葉の「用法」として。
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付記 (10bull)
2007-05-20 01:23:40
>この行為を許す安倍内閣は、クーデターに手を貸す「売国奴」だ

矛盾しています。
クーデターとは通常、軍部などが叛乱し政権を奪取する、しようとすることです。
よって、現政権が後押しするクーデターなど有り得ません。(クーデターとは呼べない)
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心のシビリアン (デカルト)
2007-05-20 04:06:40
シビリアンコントロールと言っても、ラムズフェルドもシビリアンだったのですよね。

それに「最高司令官として私が・・云々」と,ノタマっている狂信アホ男が首相だったら、シビリアンの意味は無くなってしまいます。

文官であっても、心がシビリアンでないと、抑止にはなりません。
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はっきりさせましょう! (ヤメ蚊)
2007-05-20 06:42:24
私は故意犯ですし、故意犯であることは読んでいる方の多くが理解しています。私がこのエントリーで使った「クーデター」、「シビリアンコントロール」が政府の行為を批判する修辞であることははっきりしていますし、10bullさん自身、それが分かっていて批判しているのでしょう(笑)。もし、本当に分かっていなかったら、そういうことですので、ご理解下さい。こういう直接的な説明をしないでもいいような回答をしてきたつもりでしたが…。
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Unknown (Unknown)
2007-05-20 09:10:29
つか、民間企業ではなく自衛隊を使ったのは妨害してくる「反戦平和運動家」が人命に関わるような妨害してくるからですよ。
水中でレギュレーター外してきたり水中銃振り回すような連中が妨害してくるところを民間企業には任せられないでしょう。
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