情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士(ヤメ蚊)日隅一雄

知らなきゃ判断できないじゃないか! ということで、情報流通を促進するために何ができるか考えていきましょう

日常の正義感って?!

2005-04-28 06:37:05 | 適正手続(裁判員・可視化など)
南野法務大臣が、裁判員に参加したくないという人が多数を占めた世論調査を受け、「法律知識はなくとも、日常の正義感でやってくれれば良い」と発言したという。

日常の正義感っていうのは、「悪い奴は裁くべき」ってこと、それとも、「警察は恣意的な捜査をすることがあるから、きちんとチェックしなきゃいけない」ってこと、どっちでしょうか?

「正義感」にかられて、加害者と疑われている人の家族にまで嫌がらせする人もいるのが現状だ。

簡単に正義感という言葉を使って欲しくない…。適正な手続こそ、「正義感」よりも必要なはずです。

民主党・憲法改正国民投票法制に係る論点とりまとめ案をアップします

2005-04-28 06:30:40 | 憲法改正国民投票法案そのほか
与党案と比較してみてください。国民の意思が反映されるような案になっているようです。しかし、問題は、改正案全体を一つとして投票するのか、条文ごとに投票するのかってことですが、今ひとつ煮え切っていないようです。(論点10参照)

憲法改正国民投票法制に係る論点とりまとめ案(党憲調役員会案)
2005年4月25日(月)民主党憲法調査会総会提出資料

 本案は、民主党憲法調査会拡大役員会においてこれまで検討を重ね、とりまとめたものである。憲法、国会法、国民投票法(仮称)に係る論点を総括して取扱っており、論点1.~14.について「提案」(役員会案)として枠内で囲んだ。また、参考として「他に選択しうる案」を示した。

論点1.国民投票制度がカバーする範囲(直接民主制の補完的導入)
【提案】
 憲法改正に限らず、皇室制度、家族制度、生命倫理など、国民の重大な関心事、政策テーマについても国民投票を行うべきである(必要的投票のほか、任意的投票を容認する案)。
【理由】
 憲法改正案以外の重要な国家的政策課題についても、国民投票によって国民の意思を反映させるべきとの意見が多数である。
 国民投票制度の積極的活用は、直接民主制の契機となりうるが、あくまで現行憲法41条の国会単独立法の原則(国会による立法は、国会以外の機関の参与を必要としないで成立するとの原則)を害しない程度で、任意的国民投票を制度化する方向で検討する。
【他に選択しうる案】
 国民投票は、憲法改正手続に限定すべきである(必要的投票に限定する案)。
 <理由>1.任意的投票制度の導入は、間接民主制の原則(前文、43条)に反する。
       2.どのような場合に任意的国民投票を実施するかが明確でなく、かえって迅速な意思決定を送らせる危険がある。
       3.そもそも96条が予定し、必要としている国民投票制度と、そうでない任意の国民投票制度を同じ法律で定めることには問題が
         ある。

論点2.憲法改正の限界
【提案】
 憲法改正の限界を認める(憲法改正限界説)。平和主義、国民主権(立憲民主主義)、憲法改正規定など、根本規範としての中核をなす部分については、改正はできない。
【理由】
 憲法典において、平和主義、国民主義、基本的人権の尊厳などは、外の規定と較べて優越した規範性を有していることに異論はないと思われる。
 但し、この案を採用した場合には、憲法改正の限界を逸脱した国民投票に関して投票無効の争い(司法審査)が生じうることになろう。
【他に選択しうる案】
 憲法改正に限界はない(憲法改正無限界説)。
 <理由>1.憲法規範に価値序列は存在しない。
       2.憲法改正権は憲法制定権力と同視しうる、万能の権利である。

論点3.発案権の所在
【提案】
 国会による発案(96条1項)のほか、「国民による発案」も一定の条件下で認めるべきである。
 内閣の発案権は、これを認めないこととすべきである。
【理由】
 論点1.において、任意的国民投票を容認し国民投票で扱うべきテーマを憲法改正以外にも拡げるべきことに触れた。様々なテーマで国民投票が実施されることが期待されるところである。国民投票を通じて(憲法制定権力者たる)国民の政治参加を拡充するために、発案権を出来るだけ広く考えるべきである。
 もっとも、どのような方式・要件の下で国民発案を認めるか(国会でどう取り扱うか)については、今後議論を要する。
 また、内閣の発案権は否定するべきである。内閣による法律案提出権と同様に肯定する見解があるが、憲法改正は当初から国民投票が予定されていることから、法律案の提出とはもともと性質が異なると考えるべきである。
【他に選択しうる案】
 ア.国会のみ発案権が認められる。
 <理由>1.96条1項には、「国会がこれを発議し、」と規定している。
       2.国民の関与は国会発議後の国民投票によってなされるというのが96条の趣旨である。
       3.そもそも憲法改正には、手続の厳格さと審議の慎重さが求められるので、国会以外の国家機関、国民の関与は制限すべきで
         ある。
 イ.内閣にも発案権を認める。
 <理由>発案権を認めても、国会の発議権まで侵すことにはならない。

論点4.憲法改正の方式
【提案】
 書替改定方式(溶け込み方式)によるべきである(逐条改正方式が前提)。
 これは、「○○法の一部を改正する法律」で、実際使われている法改正方式である。
【理由】
 「憲法改正国民投票制度法案に関する民主党の基本的態度」(2005年2月1日まとめ)では、党として書替改定方式(溶け込み方式)によるべきことを確認している。
 書替改定方式(溶け込み方式)は、改定の度に条文が改まるので、現在有効な規範(条文)を知ることが容易である。
【他に選択しうる案】
 ア.全面改定方式(→前文も含め、「日本国憲法」の表題から後の部分をすべて改正  する)
 <理由>新憲法の制定に相応しい方式である。
 イ.修正条項方式(→前文、各条項の後に、修正条項を入れる)
 <理由>改正前の規定がそのまま整序されるので、改正の経緯を知るのに適する。

論点5.「総議員」の意義
【提案】
 各議院の法定議員数と解すべきである(欠員は反対票と同じ扱いになる)。
【理由】
 硬性憲法であるがゆえ、発議に至るまでの手続の慎重さと厳格さが求められるので、「総議員」数が安易に変動しないようにするべきである。

【他に選択しうる案】
 各議院の在職議員数(→法定議員数から欠員を差し引いた数)
<理由>法定議員数と考えると、欠員は常に反対投票をしたのと同じ扱いになり、意思を正しく反映しない。

論点6.憲法改正発議の方法・広報
【提案】
 両院において、憲法改正案の提出→審議→可決という過程を経て、原案がそのまま可決した場合には、他の特別な手続きを経ずして発議があったとみるべきである。さらに、発議内容の広報のあり方について検討すべきである。
 また、両院で異なる議決(一部修正等)をする可能性に配慮し、「憲法改正両院合同審査会」(仮称)を設置すべきである。
 もっとも、ポスト調査会の設置を含め、国会法の改正等の諸論点については、衆・参憲法調査会の議論を十分尊重・配慮し、党内議論を積み重ねていくべきである。
【理由】
 まず、憲法改正の発議について、現行憲法は手続要件をとくに加重していないが、衆・参両院で異なる憲法改正案を議決する可能性もあることに配慮しなければならない。憲法改正両院合同審査会(仮称)において、さらなる意見調整を図り、意思統一を図る必要があろう。憲法改正両院合同審査会(仮称)のあり方については、今後議論を行う必要がある。
 衆・参ポスト調査会の設置形態(権限)に係る議論がなお残っている。今後、各党協議が鋭意進められていく予定であるので、両院の意思統一を確認しつつ、成案を得る努力を積み重ねていく。

論点7.憲法改正発議後の周知期間(発議から国民投票までの期間)
【提案】
 60日以後、180日以内とし、憲法改正案につき、一律に周知期間を定めることなく、発議の際に個別に決することとすべきである。
【理由】
 国民投票運動は、候補者(政党・政治団体)に投票する通常の公職選挙とは異なる。国民投票運動を活性化させ、国民には改正案の内容について多角的な観点で判断する時間と機会が十分に保障されなければならない。
 まず、下限の60日についてであるが、論点8.(下記)において未成年者にも投票権を拡大するケースが想定しうることや、その他様々な投票準備が必要となることからしても、最低2か月程度の周知期間は必要であると考える。
 また、上限の180日については、改正案の内容によっては、半年近くかけて慎重に決すべき事柄が想定しうることを根拠とする。
 周知期間を発議の際に個別に決することにより、国会の意思を明確にしておく必要があると思われる。
【参考】
 憲法調査推進議員連盟案・・・60日以後90日以内
 与党案・・・30日以後90日以内

論点8.投票権者の範囲
【提案】
 国民投票権者は、日本国籍を有する18歳以上の日本国民とすべきである。例外的に、義務教育修了者までに対象を拡げるべきである。
 公民権停止中の者でも、投票権を有することとすべきである。
【理由】
 民主党は選挙権の18歳引下げをマニフェストに掲げていることから、国民投票権者の範囲についても整合性を保つ必要がある。
 例外として、義務教育修了者にまで引き下げる場合が問題となる。役員会としては、子どもの人権について改正が行われる場合(子どもの権利条約の国内法制化として、子どもの権利・義務が「憲法」に規定されようとしている場合)を想定している。義務教育段階では、憲法の理念、人権カタログの内容、統治構造などについては既に学習済であり、将来の有権者としての政治的意思を尊重することに十分な意義があると考える。
 また、年齢の問題ではないが、選挙犯罪を犯して公民権停止になっている者は選挙人名簿に登載されないことになっているが、公職の選挙と国民投票は質的に異なるので、国民投票には参加することができることとすべきである。
【他に選択しうる案】
 日本国籍を有する20歳以上の日本国民とすべきである。
 <理由>1.未成年者には、憲法改正案についての判断能力が十分でない。
       2.96条1項は、国政選挙と国民投票の同時実施を予定し、選挙権者と陶業権者が一致することを示唆している。
        3.選挙権者と国民投票権者を別と解すると、減にある選挙に名簿とは別に「投票人名簿」が必要になるなど調製が煩雑である。
         また、洋上投票や在外投票においては、一部の者の投票権が奪われるケースが出てくる。
        4.国民投票に係る罪を犯した少年は保護処分の対象となり投票権は失わないが、成年者の場合には投票権が停止する不均衡
          を避けるべきである。

論点9.外国人の国民投票運動の自由(意見表明権)
【提案】
 外国人の国民投票運動の自由は、公共の福祉に反する場合(内在的制約)を除き、可及的に保障されるべきである。
【理由】
 憲法改正国民投票という国政上の重要な意思決定に、日本国籍を有しない外国人が参加することは認められないが、意見表明権は最大限保障されるべきである。例えば、日本に生活の本拠を置く定住外国人などは、その利害関係性が容易に想定しうる。
【他に選択しうる案】
 外国人の国民投票運動の自由は、保障されない。
 <理由>1.投票権がない外国人に、国民投票運動の自由を認める意義は乏しい。
      2.マクリーン事件判決(最判昭53.10.4)は、外国人の政治活動の自由について「政治活動の自由についても、わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす活動等外国人の地位にかんがみ、これを認めることが相当でないと解されるものを除き、その保障が及ぶ」と判示している。国民投票運動は「政治活動」に他ならず、まさに「わが国の政治的意思決定又はその実施に影響を及ぼす」おそれがある。

論点10.国民投票の方式
【提案】
 個別投票方式を原則とすべきである。また、相互不可分な条文の間で投票矛盾が生じないような、投票用紙の工夫が必要である(この点は、論点6.の憲法改正発議の方向如何にも関係する)。
【理由】
 論点4.において、逐条改正方式を前提とした「書替改訂方式(溶け込み方式)」原則採用することから、各改正条項について個別に国民の意思を問うのが論理的である。
もっとも、内容的に相互不可分な条文で矛盾した投票行動が起きないように、その場合には限定的に一括投票方式を採るなど、制度上の工夫が求められる。
【他に選択しうる案】
 一括投票方式(→改正案のすべてを一括して賛否を問う)
 <理由>各改正案につき、賛否をそれぞれ集計するとなると、手間がかかる。
 ※もっとも、一括投票となるか個別投票となるかは、国会がどのような形式で憲法改正案を発議するかにもよる。

論点11.国民投票における「過半数」の意義
【提案】
 投票総数を基準とすべきである。また、王票率が低い場合に投票結果を「無効」とすることについては引き続き検討する。
【理由】
 当該論点は、「棄権票」及び「無効票」の取扱に関わる問題である。
 「棄権票」及び「無効票」に不当に影響される制度設計は避けるべきであり、国民投票に参加した者の積極的な賛成意思が過半数であれば、十分であると考える。
 また、硬性憲法の改正手続であることに鑑み、一定の投票率を下回った場合の結果は無効とすべきであるとする議論もある。これは憲法改正反対派の投票ボイコット運動を誘発するリスクを孕んでいることも踏まえつつ、引き続き検討すべきである。
【他に選択しうる案】
 ア.有権者総数を基準とする。
 <理由>棄権票は反対票と同視しうる。
 <批判>棄権票が大量に出ることだけで、過半数に達しない場合がある。
 イ.有効投票総数を基準とする。
 <理由>無効票をすべて反対票と捉えるべきでない。
 <批判>無効票が大量に出た場合でも、憲法改正を容認せざるをえなくなる。

論点12.国民投票の書式
【提案】
 「可」とするものに、「○」を付す方式を採用すべきである。この場合、白票は反対票となる。
【理由】
 憲法改正国民投票は、「国民の承認」(96条1項)を要するものである。したがって、国民の積極的な賛成意思を基準に考えるべきである。
 白票をどう取り扱うべきか問題となる。硬性憲法の改正手続であることを鑑みると、白票は慎重に取り扱われるべきであり、積極的に賛成の意思を表明するもの(○)のみを賛成票にカウントすべきである。○でないものはすべて反対票とみなすべきである。
【他に選択しうる案】
ア.「不可」とするものに、「×」を付す(→白票は賛成票となる)。
<理由>最高裁判所裁判官国民審査の方式と合致する。
イ.「可」とするものに、「○」を付し、「不可」とするものに、「×」を付す(→白票は無効票となる)。
<理由>白票は反対票としてではなく、無効票と考えるべきである。

論点13.国民投票運動規制・罰則のあり方(3原則8類型)
【提案】
 国民投票運動規制・罰則は、次の「3原則」に基づき、必要最小限にとどめるべきである。
<原則1>「まず、規制ありき」ではなく、「規制ゼロ」から考える。
<原則2>「プレスの自由」は、特に保障されなければならない。
<原則3>刑法、国家公務員法等、他の法律で刑事制裁が定められている行為類型については、新たに罰則を設けない。
公職選挙法を参考に想定されうる国民投票運動規制・罰則は、次のア.からク.まで「8類型」である(かっこ内は公選法の条文)。
ア.投票事務関係者の投票運動制限(135条)
イ.選管職員の投票運動制限(136条)
ウ.投票干渉罪・被選挙人氏名等認知罪(228条1項)
エ.投票箱開披及び投票取出罪(228条2項)
オ.虚偽宣言罪(236条3項)
カ.詐欺投票及び投票偽造・増減罪(237条)
キ.代理投票等における記載義務違反罪(237条の2)
ク.立会人の義務を怠る罪(238条)
【理由】
 国民投票運動規制・罰則については、国民投票運動の自由と公正さをどのように確保するべきかという視点が基本かつ重要である。
 とくに国民投票運動は、憲政史上初めての試みであり、憲法改正に対する国民の関心が大いに高まり、運動が盛り上がることが肝要である。マスコミ(言論・文書等)による国民投票運動は国民が憲法改正案に対する態度を決定する上で非常に重要な役割を担うことから、事前に過度な規制を設けず、思想の自由市場に委ねることとしたい(cf.公選法では様々な規制類型を置いている)。
 また、国民投票運動は候補者・政党の政策等を主な判断材料とし、人物(政党,政治団体)に投票する(公職)選挙とは質的に異なること、とくに投票運動について大掛かりな不正が行われる蓋然性が低いことにも鑑みると、規制・罰則は必要最小限であるべきである。

論点14.国政選挙との政治的関係
【提案】
 憲法改正国民投票と国政選挙とは、政治的に分離して行うことを基本とすべきである。
【理由】
 96条1項に規定する「特別の国民投票」又は「国会の定める選挙の際行はれる投票」のどちらを重視するかという問題である。
 政権選択を迫る国政選挙において、二大政党が激しく対立している中、憲法改正において両党合意の上での行動をとるのでは、有権者(国民投票権者の多く)が混乱するおそれがある。
 もっとも、内閣の衆議院解散権(7条解散)を拘束できないことに留意すべきである。
【他に選択しうる案】
 憲法改正国民投票と国政選挙とは、政治的に統一して行うことを基本とすべきである。
<理由>1.同時実施の方が、投票率向上が期待しうる。
     2.主たる運動体は政党であるので、当案の方が現実的である。
     3.投票事務と選挙事務が一回的に処理できるので、相当の事務軽減につなが      る。

4月27日

2005-04-28 06:26:07 | 日記(事件など中心に)
午前中、留置という、証拠を裁判所に留め置く手続を巡って、一悶着。こちらは、書面が偽造されていると考えたため、その手続を求めたところ、裁判所は、当事者間で証拠を貸し借りすることでやってくれとのこと。そこで、じゃぁ、この証拠はこの場で預かると言ったら、相手方は急な話なので、いったん持ち帰った上で日程調整したいという。

う~ん、急な話だから、留置は効果があるんだよね。ということで、なぜ、今渡せないのかって粘っていたら、裁判所が「じゃぁ、留置します」と決断してくれた。


午後、入庫核管理局の施設に収容された人が頭を打って死亡した事件について、大学教授が、国側の説明(暴れたので制圧した後、おとなしくなったので、体に巻き付けた毛布などを取り外そうと上半身を起こしたところ、本人が急にエビぞりになって倒れ、頭頂部を強打して死亡した)が不合理であることを証言してくれた。嬉しかったのは、打合せもしないまま、補足的に、頭頂部を死に至るほど強く打ち、かつ、表皮の関係から売った瞬間に頭が接地面と後ろ方向にずれるような場合としてどのようなことが考えられるかと尋ねたら、1人が被害者をヘッドロックにして、みんなで、後ろから押して頭を壁にぶつけた場合もそうであることを瞬時にご理解頂いたこと…。この説は弁護団内では少数説だったが、これで有力説に格上げ?!